98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/08(水) 07:20:03.76 ID:GwZMmZWk0 [2/5]
『タカシ、また授業中に寝てたわよね?』
「……」
『朝だって遅刻して来たし、どうせ夜遅くまでゲームでもしてたんでしょ?
 ちゃんと規則正しい生活しなさいよ、そういう所、いつまで経っても子供なんだから――』
「…………うっさいなぁ」
『私が居ないと本当に…………今、なんて……?』
「だーかーらー、うるさいって言ったんだよ。かなみって、うざ過ぎる」
『なっ……わ、私はタカシの事を思って――』
「それが鬱陶しいって言ってるんだよ! ただの腐れ縁に過ぎないのに、母親みたいに愚痴愚痴言いやがって。
 もう、お前の自己満足には付き合ってられねぇよ!」
『え……ど、どこ行くの、タカシ? ……待って……待ってよ! ……嫌……わ、私はっ――』

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/02/08(水) 07:21:49.89 ID:GwZMmZWk0 [3/5]
――登校中
『……はぁ……なんであんな夢見たんだろ…………まさか……正夢なんじゃ――』
「おっす、かなみー! おっはよー!」バシンッ
『痛っ――――あ、あんたねぇ、いきなり人の背中叩くって、どういう常識してるのよ!!』
「はっはっはっ、雰囲気が暗く見えたからさ、気合入れてやろうと思ってな。もしかして痛かったか?」
『痛いに決まってるでしょ! いっつもいっつも加減って物を知らないんだからっ!
 そういう所! いつまで経っても……子供…………タカシ、ごめん……』
「……本当にどうした? かなみらしくないぞ?」
『…………いつも怒鳴って…………ごめん……』
「なんだそんな事か」
『え? ……だって私……よく……タカシにきつい事……言ってるし……』
「何言ってんだ? 俺に非があったら注意されるのは当たり前だろ?
 むしろ意見してくれる人が居るのを喜ぶべきだぜ? だから気にするなって……あと元気出せよ?」
『…………タカシ……』

――昼休み
『タカシ! 先生に当てられたのに答えられないなんて、ほんっとうに情けないわね――』
(……まぁ、かなみが元気を取り戻して良かったかな)
『あっ! 今、あまり噛まずに飲み込んだでしょ! 10回以上噛んでからってあれほど――』
(……しかし、いつも以上に細かい所まで指摘されるんだよな……いや、それよりも……)
『話戻すけどねっ、あの問題は初歩の初歩なのよ? あれくらいスラスラーって答えられるように――』
(……やっぱり問題は、こっちだな――)
『ちょっと、話聞いてる? 私がこんなにもためになる話をして上げてるんだから――』
(いつもは不機嫌な顔してるのに、今日はどう見ても――――凄く、嬉しそう……なんだよな)
『ん? 口元汚れてるわよ? そっちじゃなくて……あぁ、もう! 拭いて上げるから、こっち来て』
(…………可愛いから良いか)
『はい、拭けたわよ。全く、タカシは私が居ないと本当に駄目なんだからー……えへへ』
最終更新:2012年02月16日 00:43