21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/03/26(月) 20:03:32.38 ID:ChpdPUPK0
「ねえ、むみさん」
『…………』
「あの、ちょっと」
『…………』
「その、少し僕の話にも、耳を傾けてもらえると、嬉しいんだけど……」
『……まったく。うるさいわね、人が本を読んでいる時に』
「いや、ちょっと気になることがあってさ」
『気になること?』
「んーと、そのさ、もしも僕が死んじゃったら、どうする?」
『……あら、近い将来死ぬ予定でもあるのかしら? まあ、別に止めもしないけれど』
「いや、そうじゃなくて、交通事故とかで突然死んじゃったらってことだよ……っていうか、もしそうなら止めてよ、むみさん」
『ふん、下らないわね。悪いけど、そういう仮定の話は嫌いなのよ。答える気にもならないわね』
22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/03/26(月) 20:05:02.80 ID:ChpdPUPK0
『…………』プルプル
「(うーん、むみさんってば、また読書に戻っちゃった。…………ん? 何か……よく見たら、少し震えてる、ような……?)」
「えい」ヒョイッ
『ひゃっ!? ちょ、ちょっと、ほ、本を返しなさいっ』
「えっと……もしかして、むみさん、泣いてた?」
『な、な、なんで、泣いてるっていうのよ、馬鹿っ』
「いやだって、目が赤いし、頬も濡れてるし、体だって震えてたし」
『ぅ、あ、貴方の見間違いよ、馬鹿!』
「…………えっと、変なこと聞いて、ごめんね、むみさん」ギュ
『……だ、だから、泣いてなんか、な、ないわよ……ひぐっ、あ、貴方の、し、死ぬところなんて、そ、想像して、ないし……な、泣いてなんかない、けど……も、もう少し、こうしてなきゃ……許さないから……!』
「うん、お安いご用だよ。ホントにごめんね、むみさん。……愛してるよ」
『ふん。馬鹿、馬鹿、馬鹿っ……………………わ、私もよ、馬鹿……』ギュッ
最終更新:2012年03月29日 18:00