75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/04/11(水) 08:07:05.87 ID:w6CARyoR0 [2/2]
『ねぇ、タカシ』
「何だよ、かなみ――うわっと……いきなり抱き付くなよ」
『嫌だった?』
「へ? い、嫌ではないけどさ……どうした? いつもの、かなみらしくないぞ?」
『これが本当の私だよ?』
「えーっと……それはどういう意味?」
『いつも……酷い事言ってごめんね。
 タカシの顔見ると恥ずかしくなっちゃって、思わず……嫌な子だよね』
「まぁ……その、何だ……気にすんなよな、慣れてるからさ」
『……タカシは優しいね』
「はははっ、かなみに褒められると変な感じだな」
『ううん、可笑しくないよ。
 いつも心の中では、タカシが私の為にしてくれる事、全部ぜーんぶっ感謝してるんだよ?』
「……かなみ」
『あっ、あのね! 私……ずっとタカシに伝えたい事があったの!』
「……うん、聞きたい」
『わっ、私っ! タカシの事が――』

 ピピピピ アサダヨー ピピピピ アサダ ピッ……

『………………朝みたいね…………ふーん…………よし、決めた』


『えー、HR始めるぞー。そうそう、椎水は風邪で休むそうだ。軽い風邪だから見舞いは要らないとさ。
 よーし、じゃあまずは昨日配ったプリント集めるぞ――』

(……かなみが風邪ねぇ、珍しいな。見舞いは要らないって言ってるけど、様子だけ見に行っとくか。
 かなみが好きなプリンでも買ってけば喜ぶかな?)

 タカシが命の危機を迎えるまで――あと9時間。
最終更新:2012年04月13日 01:55