94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/30(水) 09:25:58.40 ID:JHnuEPag0
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フォイは正当派ツンデレ
お題:人のいない図書室
「俺は図書委員なのだが、客が来なさ過ぎて暇だ。
あまりに暇なので先ほど返却された「恋愛必携マニュアル~愛しの彼と身も心もつながる108の方法~」でも読むか」
~数分後~
「…すげぇなこの本。俺の薄っぺらな恋愛観を片っ端からぶっ壊してるよ…今時の子ってのはみんなこうなのか…?」ペラ
「………あ」
「いらっしゃいましー…ってなんだ、お前か」
「……」
「相変わらず無口系文学少女だなあ。ま、ゆっくりしてけ」
「……」
「(…無愛想も相変わらずだなあ)」
~さらに数分後~
「………(…何だ)」ペラ
「………」ジー
「………(…なんなんだ)」ペラ
「………」ジー
「(…さっきからめっちゃこっち見てる!本越しにめっちゃこっち見てる!なんだ!何が言いたいんだ!)」
「………ねえ」
「ひゃああああっ!?あ…いや、スマン。どうした?」
「…何…読んでるの…?」
「ん?あ、ああ。これは「恋愛必携マニュアル~愛しの彼と身も心もつながる108の方法~」という本で…まあ、ありがちな恋愛指南書だな」
95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/03/30(水) 09:28:21.48 ID:JHnuEPag0
「………気持ち悪い」
「…その物事を端的に表現する所、嫌いじゃないぜ…だが俺がどんな本を読んでようと別に関係ないだろ?エロ本読んでるわけじゃあるまいし」
「…使う当ても…ないクセに…」
「あのなあ…いや、俺だってアテが無いわけじゃないんだぞ?」
「…嘘つき」
「確かに女子との交友関係は狭いが、ない訳じゃない。例えば、目の前の文学少女とか」
「…っ!?」
「えーと、この本によると…「会話がなくてもいいから一緒の時間を増やそう」「多少の毒舌は親密の裏返し」とある訳だが…あれ、どっかで見たような…?」
「か、帰る!」ガタッ
「あ、おい!…何なんだアイツ」
~下校~
「(……ばか、ばかばか。あいつは本当に鈍くてだめなやつ…)」
「(…あ、本屋さん…ちょっと寄って行こう)」
スイーツ(笑)系女子に大好評!増刷!「恋愛必携マニュアル~愛しの彼と身も心もつながる108の方法~」
「(……なんで、このタイミングで、こういう事になるの…)」
「(…でも知らない。興味ない。別にあんなヤツの事なんか───しかもこんな本で───)」
「(…………)」
「アリガトーゴザイマシター」
「(…………別に、そういうんじゃないもん。ただ図書カードの余りを使い切りたかっただけだもん)」
こうして文学少女の本棚に、明らかに毛色の違う一冊の本が加わったという。
最終更新:2011年04月03日 20:20