28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/04/19(木) 21:52:42.35 ID:Z04MOGF40 [1/3]
何スレか前の勝気のTバックで脳味噌のいけない部分のスイッチが入った。
「くそっ、どうしてこんなことに……」
「ふふふ、勝負は時の運というじゃないか」
「それにしたって……あぁ、もういい、くそっ」
顔を赤くして通学路を専攻して歩く勝美だったが、その足取りはいささか内股、落ち着きがなさそうに視線を周囲へ走らせている。
ことの起こりはと言えば非常にありきたりなもので、小テストの点数で勝った方が負けた方に何でも言うことを聞かせられるという、
他愛もない賭けだった。
学年トップの秀才達が繰り広げる熾烈な争いといったものとは無縁の、至って牧歌的な賭けである。ただ、彼女が自信の敗北の他に
誤算だったのは、俺が下した命令――もっと言う明け透けにいうなら、俺の性癖である。
「くそ、この変態野郎……」
毒づくその口調も、どこか勢いが足りない。
見慣れた冬物のセーラー服のスカートを気にしつつ、勝美は学校への道を歩いていく。
「おやおや、勝美さん? なにか落ち着かなさそうですね? どこか具合でも悪いのかな?」
「うっせぇ! もうしゃべんな!」
「そうは言うけどねぇ、マジで履いてんの?」
「あぁ? お前がやれっていったんだろうが!」
「いやぁ、でも本当にやってるかどうかってのは、見えないわけだし、ねぇ?」
ぷるぷると肩を震わせる勝美さん。俯きながらも前髪の隙間からこちらを睨む視線には、ものっそい憤怒がむき出しになっている。
と思う間もなく、襟首を掴まれて路地裏へ引きずり込まれる私。
「ま、待て勝美! 暴力はよくない!!」
「……」
勝美は俺を路地裏の壁に叩きつけるように突き飛ばすと、無言で、くるり、と背中を向けた。
――助かった、のか?
と思ったのもつかの間、勝美は制服のスカートを摘み、するするとたくし上げていく。
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/04/19(木) 21:55:22.68 ID:Z04MOGF40 [2/3]
「え……」
「……てめぇが言い出したんだかんな? 見えねぇなら、こ、こうするしか、ねぇだろが」
ゆっくりと、スカートの裾が膝の裏から太ももへあがって行く。
日焼けした肌は、かすかに汗を帯びてしっとりと艶かしい。引き締まった太もものラインが酷くいかがわしく、隠微に路地裏の暗がり
に浮かび上がる。
と、太ももの中ほどで、スカートを上げる手がぴたりと止まった。
俺らが立っている場所からほんの10メートル。そこは通勤通学の人ごみが、いつもと変わらない様子で行きかう日常の場所だ。
その喧騒が弱弱しく俺の鼓膜を叩き、奪われた現実感をほんの少しだけ取り戻した。
「なぁ、やっぱり……」
俺は口に出して止めた。軽々しくあんな罰ゲームなど課すのではなかったと、後悔すらした。
――Tバックで一日過ごせ、などと、言うべきではなかったのだ。
だが、俺が発した気遣うような声音が、かえって勝美の意地に火をつけてしまったらしい。
「もう喋んな、変態野郎! これ終わったら絶交だかんな! 犯罪者予備軍が」
肩越しに真っ赤な顔でこちらを睨みつけると、歯を食いしばって一気に両手を持ち上げた。
瞬く間に太ももが露になり、あと1センチで尻が見える。制服のプリーツスカートがその丸みを透かして、網膜に淫猥な印象を残しな
がらたくし上げられていく。
やがて、桃のようなまろみを帯びた曲線が現れると同時に俺の理性は吹き飛んでしまったわけだが――――
「――と言う夢を見たという話をしたら、うちの嫁がセーラー服着てるわけだが」
「え、ネタ振りじゃなかったのか?」
勝美はきょとんとした顔で、玄関口に立っている。どこから引っ張り出してきたのか、高校の時のセーラー姿である。
少々俺の嫁は思いこみで突っ走りがちな部分があるようで、なんというかその――高校のときからしたらやはり多少は成長しているわけで
ややきつめのセーラー服に浮き上がるシルエットが卑猥に過ぎる。
言葉を失っている俺に、勝美を口を尖らせて詰まらなさそうに言った。
「なんだ、違うのかよ。せっかく下着まで再現したのに」
「え、マジで?」
「……ほれ」
ぴら、と勝美はスカートの裾を摘んで、見えそうで見えない、でももしかしたら見えたかも、という絶妙な角度だった。
「うおぉっ!?」
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2012/04/19(木) 21:57:49.37 ID:Z04MOGF40 [3/3]
「うおぉっ!?」
思わず前屈みになってのぞき込んでしまったのは、男の本能としてやむを得ないことだろう。
「甘い」
「あ……」
途端に手を下ろして隠してしまう。
「うわぁ、なんかすごい情けない顔だなぁ、うちの旦那様は。パンツ見れないくらいで」
「くそぅ……」
がっくりとうなだれる俺に勝美はくるりと背中を向けて、
「ったく……ほら」
と再びスカートをめくった。
――こうかはばつぐんだ!
夢のままの光景が、目の前に展開されていた。黒い紐とレースで構成され、布と呼べる部分がほとんど無い下着。そして健康的な褐色の
肌で形作られ、高校のときよりもたっぷりとした質量を伺わせる二つの半球。それが左右にゆったりと、誘うように揺れている。
「ふふん、夢とどっちがいい?」
「こっち!」
即答ですが、何か? その答えに勝美は底意地の悪い笑みを浮かべた横顔を向ける。
なんか、結婚してからこっち、勝美さんデレデレなんすよ。
「へぇー、そうなんだー。じゃぁ、うちの旦那様はどうすんのかなー」
言いながら、尻を右へ振る。俺の目線も右へ。
「現実の奥さんほっといて、夢に出てきた奥さんの若い頃でマスかいてる方がいいのかなー」
尻が左へ。俺の目線も迷わず左へ。
「……目の前にこんなにおいしそうなものがあるのになー。好きにして良いのになー。今ならサービスしちゃうのにきゃぁっ!?」
言葉を遮って、俺は勝美を後ろから抱え上げた。いわゆるお姫様抱っこである。
「ふふふ、俺を挑発するとは……後悔させてやるからな。主に睡眠時間と腰痛的な意味で」
「へへ、いんだよ。お前として後悔したことなんてねぇっつーの」
「よっしゃあぁぁぁぁ! 今夜は俺らのベイビーの誕生日じゃぁぁぁ!!」
「やーん、酷いことされちゃうー♪」
寝室に駆け込む俺の腕の中で、勝美はキャラ崩壊して叫ぶのだった。
終り
最終更新:2012年04月30日 18:15