143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/05/16(水) 23:16:06.59 ID:gYR7hpSx0 [15/16]
『のう、兄上よ』
「ん? どうした、纏?」
『今週の土曜なのじゃが、わしゅ――わ、わすっ――わわわっ――』
「儂、な? 無理して家の婆ちゃんみたいな喋り方、しない方が良いんじゃないか?」
『む、無理などしておらんわ! わっ……儂はこの喋りかりゃの方が落ち着くのじゃ!』
「今度は噛んだか。でも儂って言えたな、よしよし」ナデリナデリ
『むふー…………はっ! 勝手に撫でりゅでないわ!』
「とは言ったものの手を振り解こうとしない、纏萌え。
そして、婆ちゃんが好き過ぎて喋り方を真似しちゃう、纏萌え。ほんっと、俺と同じで婆ちゃんが好きなんだなー」
『…………』
「で、話の続きは?」
『ぬぅ、そうじゃった。土曜なのじゃが、儂の友達が家に遊びに来るのじゃ』
「纏の友達……って事は、幼女か……ゴクリ」
『兄上よ、その「ようじょ」とは、どういう意味を持っておるのじゃ?
儂は毎度聞く度に不吉な気分にさせられるのじゃが……』
「はっはっはっ、とても夢溢れる意味を持っているんだよー?」
『ふむ、後で母上に聞いてみるかのう――』
「絶対にやめて!! いつか意味を教えるから! 今は二人だけの秘密の言葉って事にして下さい!」
『…………二人だけ……そ、そうじゃにゃ、秘密にしといてやるかのう』
「ふぅ……それで俺は幼女達を、どのようにおもてなしすれば良いんだい?」
『兄上、何を言っておる? 儂は兄上には友達が来ている間、自分の部屋から出てくるなと伝えるつもりじゃったが?』
「何っ、そんな殺生な! 俺の幼女を喜ばせるレパートリーが披露させて貰えないと!?
あっ……喜ばせるって言っても、変な意味じゃないよ? 信じて?」
『母上ー!! ようじょとは――』
「ノウッノウッ! 纏ストーーーーップ! …………大人しく部屋にいます」
『分かれば良いのじゃ。兄上、土曜はしっかり頼むぞ? ではのう――』
「…………あぁ……神はいないのか……」
『――ふぅ、これで大丈夫かのう……もし、儂の友達が兄上を見て…………惚れでもしたら事じゃからのう』
最終更新:2012年05月27日 11:38