18 名前:2/1[] 投稿日:2012/05/17(木) 23:04:19.01 ID:xQ4S3wuO0 [2/3]
『タカシー? これは一体……どういう事なのかしら?』
『…………説明……しろ』
「ふ、二人とも、何で怒ってるの?」
『へぇー……この状況でとぼけるつもりなんだ。だーかーらー……何でちなみがいるのよ!』
『……それ……私の台詞……でもある』
「あれ? 三人で遊びに行くんじゃないの? 二人から別々にメールは来てたけど、内容がほとんど同じだったし、
集まる場所と時間が一緒だったから、僕はてっきり――」
『ちなみ……抜け駆けしようとしたわね?』
『……そっち……こそ』
「ん? 抜け駆けって何の事――って、二人とも睨み合わないでよ! 姉妹なんだから仲良く――」
『タカシは黙ってて。これは私とちなみの問題なんだからっ』
『……そう……昔からの……』
「昔からって言われても……子供の頃は二人とも仲良かったよ?」
『…………いつの話をしてるのよ……とにかくっ、ちなみと話したい事があるから、ここで待ってて』スタスタ
『……すぐ……終わらせる』スタスタ
「ちょっと待っ――ケンカは――――ん?」
『――で、どっちがタカ兄ぃとデートするの? もちろん私は譲るつもりないけど』
『……私も……絶対に……譲るつもり……ない』
『どうせ、ちなみの事だからタカ兄ぃを図書館とか博物館とか、やたら静かな所に連れ回す気なんでしょ?』
『……そっちこそ……いかがわしい所に……引きずり込む……つもりでしょ?』
『なっっ――そ、そんな事する訳ないわよ!!』
『……動揺……してる……怪しい』
『な、何をバカな事言ってんのよ……今は私とちなみのどちらがタカ兄ぃとデートをするか、さっさと決めるべきでしょ?』
『……同意……時間は……有限』
『じゃあ……じゃんけん良いわよ』
『……ふっふっふっ……じゃんけんとは……良い度胸』
『よーしっ、一回勝負だからね? いくわよ! じゃーんっ、けーんっ――』
19 名前:2/2[] 投稿日:2012/05/17(木) 23:06:24.55 ID:xQ4S3wuO0 [3/3]
『タカシ、お待たせっ!』ニコニコ
「あっ、かなみちゃん。機嫌良さそうだね、仲直り出来――」
『…………う゛ー……』ショボーン
「……ねぇ? 何でちなみちゃんは落ち込んでるの?」
『うん、それがねー、ちなみは急な用事が出来ちゃって、帰らないといけなくなっちゃったらしいのー』
「そっか、そういう事ね。ちなみちゃん、また今度遊ぼうね」
『…………うん……』ショボーン
『んっ、それじゃあ、さっそく行きましょ! まずは映画を見に――』
「かなみちゃん、ちょっと待って。ちなみちゃんが来ないなら、ホテルの予約を取り消さないと」
『…………へ? 何を言って――えぇっ! そ、それ! 私の手帳!!』
「多分、二人が話し合いをしに行った時に、落としたんじゃないかな?」
『た、タカ兄ぃ! 返して! ――――な、中身…………見た?』
「ごめんね? 誰のか分からなかったから、少しだけ」
『――っ! …………見られた……そんな……あぅぅ……』
「本当にごめんね?」
『……タカ兄ぃ』チョイチョイ
「ん? ちなみちゃん、どうしたの?」
『……ホテルの予約に……ついて……言わなくて……良いの?』
「あっ、本当だ。かなみちゃん、僕が見てしまったのは、今日の予定が書かれた所だったんだけど――」
『……うぅぅ…………今日の予定? …………あぁっっ!! た、タカ兄ぃ、ちょっと待っ――』
「観覧車で夜景を見た後、ホテルに泊まるってなってたけど、ちなみちゃんが泊まる分の予約を取り消さないと」
『…………』アセアセ
『…………やっぱり……いかがわしい所に……』
『ち、違うのよ、ちなみ! 私はっ……ただっ…………えーっと……』
『……再度……話し合いを……要求する』ガシッ
『え? えぇ? そ、そんなぁ……せっかく、じゃんけんに勝てたのにー……ぐすんっ……』ズルズル
「また、行っちゃった……僕はいつまで待てば良いんだろう……」
最終更新:2012年05月27日 11:44