64 名前:1/3[sage] 投稿日:2012/06/16(土) 10:38:03.74 0
(自炊)お口の匂いが気になるツンデレ
『ねえ、タカシ。ちょっといい?』
「何、かなみちゃん? って、何かすごくニンニク臭くない?」
『やっぱりいいいいいっ!! あああ、お昼に餃子なんて食べるんじゃなかった……』
「分かってるなら食べなきゃいいのに……」
『だって、友子が餃子の超美味しい中華屋さんがあるからって誘うんだもん。それでも我
慢しようと思ったのよ? 二人で一皿なら、大して臭いもしないだろうからって』
「でも美味し過ぎて、結局食べ過ぎちゃったんだ」
『うるさいっ!! アンタだって、あそこ行けば絶対二個や三個じゃ済まないんだから』
「そんな美味しいんだ。じゃあ、今度連れて行ってくれる?」
『夜だったら……って、何でアンタと一緒に行かなくちゃ行けないのよ!! 一人で行き
なさいよね。場所なら教えたげるから』
「ちぇっ。つれないよなあ。別にご馳走してって言ってる訳じゃないのに」
『当たり前でしょそんなの。むしろ連れてくなら金払えって感じよ』
「フーン。なら、ゴチしてあげるなら付き合ってくれるの?」
『ま、まあ、奢ってくれるなら……って、そんなのますますデートっぽくなるじゃないの
よ!! ダメダメダメ!! 絶対ダメなんだから!!』
「うわっ!! 顔近付けて怒鳴らないでよね。ホント、臭いスゴイから」
『そんなに臭いの? 顔しかめるくらい?』
「うん。しゃべるたびにモワッとする」
『えええええ~っ!! ど、どうしよう…… こんなんじゃみっともなくて人前出れない
じゃない……』
「女の子なんだし、口臭対策の薬とか持ってないの?」
『持ってたらすぐ食べてるわよ。友子の奴は午前中で授業終わりだからって帰っちゃうし
さ。もう、ホント使えないんだから』
「しょうがないな。はい、これ。噛むブレスケア」
『え? 何でアンタがこんなの持ってるのよ。用意良過ぎじゃない?』
「男だって口臭には気をつけないとね。女の子に嫌われちゃうし」
『なっ……何バカな事言ってんのよ。たかが口臭予防してるくらいでアンタ好きになる女
の子なんているはずないじゃない』
65 名前:2/3[sage] 投稿日:2012/06/16(土) 10:38:24.79 0
「あれ? もしかして、ちょっと不安になっちゃった? 僕がかなみちゃん意外の子に好
かれようとしてるんじゃないかって」
『何であたしがそんな事心配しなくちゃいけないのよっ!! ホントバカよねアンタって。
あたしは単にアンタの楽観主義を打ち砕きたかっただけだもん。ホントなんだから』
「はいはい。心配しなくても、僕が好かれたいのはかなみちゃんだけだからね」
『だから心配なんてしてないって言ってるでしょうが、このドアホッ!!』
「(すぐにムキになる所が可愛いなあ。ホントに)」
~一時間後~
『どう? まだ臭いしてるかしら?』
「うーん。とりあえず、今しゃべっただけだと、ニンニク臭くはないみたいだけど」
『そんな離れた距離で分かるわけないじゃない。もっと真面目に、ちゃんと臭い嗅ぎなさいよね』
「う~ん。いい匂いなら喜んで嗅ぐけど、口臭ってのはちょっとなあ」
『つべこべ言うんじゃないわよっ!! ほら、もうちょっとこっち寄って』
「ちぇっ。こういう時だけ都合がいいよなあ。いつもだったら、ちょっと髪の匂いとか褒
めただけでも変態だのフェチだの文句言うのにさ」
『きょ、今日のは仕方ないじゃない。ほ、他の子に嫌な臭い嗅がせるわけに行かないんだし……』
「僕だったら良いって言うんだ。酷いなあ」
『るさいっ!! もう、とっとと済ましちゃうから、ちゃんとしっかり嗅いでよね?』
「分かったよ。ていうか、しっかり嗅がないと分からないほどの臭いだったら気にしなく
てもいいと思うんだけどな」
『だからごちゃごちゃと、余計な事言うなっての。ほら、準備いい?』
「はいはい。いつでもどうぞ」
『よし。じゃあ、行くわよ』
ハァーッ……
「フンフン……」
『いちいち口で擬音いらないっ!! で、どう?』
「うん。大丈夫みたい。少なくとも、僕には気になるような臭いはしなかったよ」
『良かったぁ…… これでもう、口押さえずに済むわ』
「もしかして、あれからずっと口押さえてたの? 授業中も?」
66 名前:3/3[] 投稿日:2012/06/16(土) 10:38:49.35 0
『当たり前でしょ? 口臭い女だなんて思われたくないもの。アンタだってあたしが周り
からそう思われたら嫌でしょ?』
「いや、別に――っていふぁふぁふぁふぁふぁ!!」
『何で即座に否定すんのよこのバカ!!』
「いったいなあ…… いきなりほっぺたつねるなんて、乱暴な子は嫌われるよ?」
『い、いーのよ。だって、こんな事するのアンタだけなんだから』
「うん。このシチュエーションで言われても、全然嬉しくないよね」
『別にアンタを喜ばせようなんてしてないっ!! もう用は済んだんだから、さっさとどっ
か行きなさいよね』
「つれないなあ、かなみちゃんは。お礼にこれからデートでも誘ってくれればいいのに」
『だっ……誰がそんな事するかっ!! あ、あたしだってこれから授業あるんだし……』
「そうだったね。じゃあ、この埋め合わせは今度って事で」
『今度もないっ!! ああ、もうあたしも行くからね。時間ないし』
「あ、その前に一つ聞きたいことがあるんだけど、いいかな? ちょっと気になることがあって」
『な、何よ? 一つだけだったらさっさと言いなさいよね』
「うん。じゃあ聞くけど、さっき僕、かなみちゃんの息を思いっきり吸い込んだよね?」
『その表現、何か嫌だけど、まあそうと言えばそうよね。で、それが何?』
「うん。それでさ。鼻と口って、繋がってるって知ってるよね?」
『当たり前でしょそんなの。で、それが何なのよ!! じれったいわね、もう!!』
「だからさ。そうなると、これって間接キスって事にならないかな? かなみちゃんの口
から吐き出したものを思いっきり吸い込んだんだから」
『――――っ!!(///////////) な、ななな……何言ってんのよアンタわ!! な、な……
なる訳ないでしょこのバカ!! バカバカバカ!!(///////////////)』
「なーんだ。違うんだ。残念だなあ」
「(すぐ真っ赤になっちゃって、かなみちゃんって分かりやすいなあ)」
『そうよっ!! 違うに決まってんでしょうが!! な、何でニヨニヨイヤらしい笑い方
してんのよ!! 死ねこの変態っ!!』
終わり
最終更新:2012年09月10日 21:22