326 名前:ほんわか名無しさん[sage] 投稿日:2012/07/15(日) 17:43:59.98 0
『全く持って人前でようやるのう、羞恥心という物は無いのかの?』
「んー、恋人同士ならあれくらい普通なんじゃねぇの?」
『そんな訳なかろうが! 男女交際というものはじゃな……もっと付かず離れずの距離を持ってのう……
あの様にベタベタするのは、儂は誠実さに欠けると――』
「まぁまぁ許してやれよ。それに纏、あまり文句ばっかり言ってるとひがんでるみたいだぞ?」
『ひっ、ひがんでなどおらぬわ!! 儂が二人を羨ましがって見ていると!? ふんっ、勘違いもはなはだしいわ!』
「……つまり纏は、ああいう事を俺にもして欲しかった訳じゃなくて、決して羨ましくて見てた訳じゃないと?」
『そう言っておろうが、この戯けめが!』
「うんうん、覚えとく」
『……何の話じゃ?』
「何って、そりゃ決まってるだろ? 俺だって自分の彼女が嫌がる事はしたくないしさ。
だから、ああいう事は絶対にしない様に覚えておこうかなと」
『…………別に覚えんくとも』ボソボソ
「ん? 纏、何って?」
『べっ、別に何も言っとらんわ! …………はぁ』
「纏ー、溜息つくと幸せが逃げちゃうぞー」
『煩いわ、構うでない! ……もう逃げた後じゃから問題ないわ……まさに身から出た錆じゃったのう……』
「ふむ、テンションだだ下がりだな。纏、ちょっと内緒で話したい事あるから耳貸してくれ」
『……つまらぬ事じゃったら容赦せぬぞ』
「纏…………ああいう事は、二人っきりの時にじっくりしてやるからな?」
『――っ! ――なっ――えっ――そ、そんにゃっ!?』
「はっはっはー、顔真っ赤だぞー。纏ちゃん、かーわいー」
『うぬ? …………おっ、御主! さては儂を担ぎおったな!!』
「しゅんとなった纏も、あれはあれで捨て難い物がありますねぇ」
『……後でどうされるのか……勿論覚悟あっての行動じゃろうな?』
「おうよ! 何時間もぎゅっと抱き締めてやろう!」
『んなっ!? ち、違うわい! 御主に待っておるのは説教じゃ!』
――説教1時間、ハグ3時間。
最終更新:2012年09月10日 21:57