328 名前:1/4[sage] 投稿日:2012/07/15(日) 18:37:39.33 0
お題作成機より:双子、同窓会、浴衣(前編)
[おー、山田。久しぶりー]
〔えー、英子ってば彼氏出来たのー〕
[あれ? 荒巻。お前、ちょっと太ったんじゃね?]
〔美衣ってば、何か前より大人っぽくなったよね~〕
「よう、委員長。ご無沙汰」
『……何で、一番に声掛けて来るのが貴方なのよ』
「そんなうんざりした顔すんなよ。卒業以来……だから、4ヶ月ぶりに会うってのにさ」
『4ヶ月ぶりだろうが何だろうが、貴方の声聞くとそういう気分になるのよ。あと、もう委
員長じゃないんだからね。私は』
「おっと、そうか。でも、ずっとそう呼んでたしなあ…… 何て呼べばいい? 音無さん……
って何か他人行儀過ぎるしなあ。かといって呼び捨ては上から目線過ぎるし。静ちゃんとか?」
『止めてよね。ちゃん付けとか気持ち悪い。貴方にそんな呼び方されるなんて吐き気がするわ』
「うーん…… じゃあ、委員長とてはどう呼んで欲しい? その呼び方が嫌だっては俺に
対してだけじゃないんだろ? 何かいい呼び名とかあるんだったら、それに従うからさ」
『そんな急に言われたって思い付かないわよ。むしろ貴方には声すら掛けて欲しくないく
らいだし。あと、律花にも』
「俺だけじゃなく律花もかよ。何も俺ら双子だからって、ひとくくりにして邪険にする事
ないと思うんだけど」
『……だって、遺伝子レベルで二人ともどうしようもないし。むしろ同性なだけに、ウザ
さは向こうの方が上ね』
【久しぶりに会ったってのに、ウザい呼ばわりとか……】
『え?』
【そういう冷たい人にはお仕置きだよ。えいっ!!】
ムギュッ!!
『――っっっきゃああっ!!』
【委員長こんばんわっ!! 元気してた?】
329 名前:2/4[sage] 投稿日:2012/07/15(日) 18:38:22.37 0
『元気してた?じゃないわよこのバカ!! いきなり後ろから胸揉む人がどこにいるの
よ!! 離しなさいってば!!』
【だって委員長ってば、卒業以来だってのに、すんごい冷たい事言ってるからさ。ここは
一つ、罰を与えなきゃなーって】
『何が罰よ。こういう事するからうっとうしいって言ってんのに。ていうか別府君。見て
ないで責任持って止めなさいよ。貴方の妹でしょ?』
【あはっ。孝史ってば、女の子同士の絡みって何かエッチっぽいって見とれてるんだよね。
だったら、もうちょっと見せ付けてあげよっか?】
『なっ……!? な、何考えてるのよ。別府君のスケベ!!』
「ア、アホ!! 勝手に人の考え捏造してんなって。つか、いい加減離してやれよ」
【いやー。委員長の胸ってちょうど手の平サイズで揉み心地いいんだよね。何なら孝史も
揉んでみる? へっへへー】
『なっ……ちょっといい加減にしないと本気で怒るわよ』
「揉めるかバカ!! 痴漢で警察に逮捕されるわ。お前は身内を犯罪者にしたいのか」
【大丈夫だって。委員長だって、ホントはちょっと期待して――あいったあっ!!】
『全く……調子に乗るのもいい加減にしなさいよね。律花のバカ』
【あうううう……委員長に脛蹴られたぁ……】
「大丈夫かよ? だからいい加減止めとけって言ったのに」
【だってあの委員長が浴衣着て立ってるんだよ? 髪アップにして。高校時代、化石とい
われたロングスカートに三つ編で、全く一部の隙も見せない真面目少女だったあの委員長
がこんな可愛い姿してたら襲うしかないでしょ!!】
『だからって背後からいきなり胸揉む必要ある? あと私もう委員長じゃないから!!
さっき貴女の分身にも言ったけど』
「分身ってあのな……双子だけど、俺ら二卵生だから別段別れた訳じゃなくって……」
【委員長は委員長だよ。だって他にどう呼ぶの? 音無さん? 静ちゃん? 似合わないってば】
『それってどう考えても失礼じゃない? 勝手に人のキャラクター固定しないでよ』
〔あ、いいんちょだ〕
[おー。委員長ひさしぶりー]
〔元気してた委員長?〕
『……………………』
330 名前:3/4[sage] 投稿日:2012/07/15(日) 18:38:55.35 0
【ほら。やっぱり委員長は委員長じゃん】
『勝ち誇って言わないでよ。全く……もういいわ。諦めた。けど、さっきの化石ってのは
撤回なさい』
【アッハハハ。それは冗談。だけど、委員長の浴衣姿ってボク、初めて見るからさ。だっ
て、今まで委員長って祭りとか誘っても来なかったじゃん】
『だって私、人込みとか嫌いだもの。だけどさすがに、同窓会兼ねてみんなで七夕祭りで
会いましょうって誘われたら、そんな我がまま言えないわよ』
【いや、それはいいんだけどさ。ただ、委員長の浴衣姿可愛いねーって。孝史もそう思うでしょ?】
『ちょっと!! そこで何で別府君に振るのよ!!』
【いーじゃんいーじゃん。男の子の感想も聞きたいでしょ? ほら、孝史。委員長の浴衣
姿、どう?】
「え? いや、どうって言われても……まあ、その……よく似合ってるなって思うよ。大
人っぽくて、涼やかな印象でさ」
『えっ……』
【ほらほら。褒められてるよ、委員長。どうするどうする?】
『ど、どうするって……別にどうもしないわよ!! 別府君なんかに褒められたって……
その……嬉しくないし……』
【まーたまたぁ。照れない照れない。褒められた時くらい、素直になっちゃおうよ】
『てっ…… だから照れてもいないわよ。褒められ慣れてないから、戸惑ってはいるけど、
嬉しくないのは、その……本当だし……』
【ふーん。そなんだ。ボクは、孝史に褒められると嬉しいけどなぁ】ボソッ……
『――――えっ……?』
【ね、ね。孝史。それじゃあ、ボクの浴衣姿はどう? 似合ってる?】
「お前のはもう家で散々見たじゃんか。今更感想なんてねーよ」
【もーっ!! またそういう事言うんだから。大体、家にいた時だってロクに感想言って
無いじゃん。ちゃんと聞かせてよね】
「だって、お前が散々迷ってなかなか決められないから、結局俺が一番似合うと思うのに
したんじゃねーか。それで似合ってない訳無いだろ」
【それって、自分のセンス褒めてるだけじゃん。じゃあ聞くけど、ボクと委員長の浴衣姿
見比べて、どっちが綺麗?】
331 名前:4/5[sage] 投稿日:2012/07/15(日) 18:39:42.92 0
『ちょ、ちょっと!! そこに私を巻き込まないでよね』
「うーん。お前と委員長じゃ、そりゃ委員長だろ」
【ちょっと!! 即答? それ、どーいうこと? ボクと委員長ってそんな大差付いてんの?】
『え……? い、いいわよそんなの。えっと、その……私に気を遣う必要なんてないし……』
「いやいやいや。気遣ってるとかじゃなくて、見比べてみるっていうならさ。その……委
員長の方が見た時ドキッとするっていうか、ハッとさせられるって言うか……そんな印象
があってさ」
【それって単にボクがいっつも一緒だから見慣れてるってだけじゃないの? そんなのが
評価基準なんて、何かズルいよ】
「いや。双子の兄妹だからとかそういうのは抜きにして、出来るだけ客観的に見比べても
さ。委員長の方が美人ってイメージが…… お前のは何ていうか可愛いけど、まだちょっ
と子供っぽいって言うか……」
『や、止めてよ。別府君にそういう事言われても、気持ち悪いだけだわ』
「えー…… ちゃんと褒めたつもりなのに。気持ち悪いって言われるの、何かショックだなあ」
『当たり前でしょ。そんな……その……別府君に褒められて嬉しく思う訳なんてないじゃない』
【ボクは孝史に褒められれば嬉しいけどなあ。ていうか、子供っぽいってどーいう事? ボ
クだって一応、女子大生なんだけど。もう十分大人なんですけど】
「分かってるよ。そうムキになんなって。あくまで委員長との相対比較での話だから」
【で、どこが委員長と比べて子供っぽいって? 分かってるんだから。どーせ、おっぱい
が小さいって言いたいんでしょ? 女の子の優劣を胸の大きさで判断するって、そういう
のどーよ? 失礼じゃない?】
「いやいや。誰もそんな、胸がどうこう言ってる訳じゃないって。ただ、委員長って高校
時代は地味な印象しかなかったからさ。やっぱり浴衣着た時のギャップはでかいっていう
か、こんなに色香があるとは思わなかったし」
【ほーら。やっぱり体つきばっかり見てるんじゃん。孝史はいっつもバカにするけどさ。
ボクだって、高校の時より成長してるんだからね】
「そんなしな作ってアピールしても意味ねーって。お前の体なんて毎日見てんだから、成
長具合なんて大体分かってるし」
332 名前:5/5[sage] 投稿日:2012/07/15(日) 18:41:11.57 0
【毎日見てるからこそ、気付いてないって事もあるの。何だったら、試しに触ってみる?
ほらほら】
「いーって。何が悲しくて妹の体触んなくちゃいけないんだよ。つか、お前も年頃の女な
ら、むやみやたらに男に体触らせようとすんな。これだから、ガキっぽいって言われんだよ」
【孝史こそ、もしかして妹相手に照れてんじゃないの? それってもしかして、ボクがちゃ
んと大人の女だって、認めてるって事】
「アホ。それとこれとは別だって――って、抱きついてくんなバカ!! 離せ暑っ苦しい」
【ほーれほれ。やっぱり照れてる。アハハ。孝史ってば、もう。ウブなんだからぁ】
〔あいっかわらず仲良いわねー。二人とも〕
[ワハハ。孝史、羨ましーぞー!!]
『…………ハァ…………』
〔あれ? 委員長、どうしたの?〕
『ごめんなさい。ちょっと人込みの熱気に当てられたみたいだから、少し休んでくるわ。
悪いけど智恵ちゃん、みんなに言っといて。少し休んだら合流するからって』
〔大丈夫? 具合悪いんだったら、救護所があるから、そっち行った方が良くない?〕
『ううん。平気よ。少し涼めば直るから。また、携帯に連絡するわ』
〔うん。じゃ、また後でね〕
続いてみたり
最終更新:2012年09月10日 21:58