325 名前:ほんわか名無しさん[sage] 投稿日:2012/07/15(日) 13:36:25.65 0
お題
つ・ツンデレと一週間だけ恋人同士になれる契約を勝ち取ったら(延長オプション付き)
・ツンデレが友人から一週間だけでいいから男を貸してくれと言われたら
368 名前:4/1[sage] 投稿日:2012/07/18(水) 23:09:20.45 0
325
- ツンデレと一週間だけ恋人同士になれる契約を勝ち取ったら(延長オプション付き)
【第一回! 神野リナの恋人ポジション争奪戦! 心のセンターは誰だ!? 万を辞して開幕だぁあああ!!】
ワーワー! コノボッタクリー ワーワー!
【司会は勿論私……皆のアイドル、巴ちゃんがさせて頂きます! きゃぴっ☆】
ワーワー! ハラグロー ワーワー!
【……腹黒って言った奴……後で体育館裏な? ――おっと失礼。早速ですがルールを説明させて頂きます!
ただの……トーナメント式じゃんけん大会です!】
ワーワー! モウスコシコレヨ ワーワー!
【そして、たった一人の勝者だけが……リナちゃんとの恋人契約書が手に入るのです!】
ワーワー! イヨッマッテマシター ワーワー!
【ただし! この契約書には注意事項が一つあります……有効期限が一週間しか無いのです! ですが我々は――】
ワーワー! ナンダトコノペテンシ! カネカエセー! ワーワー!
【……ちっ……黙れよ、このゴミクズ共……私がありがたい御言葉を発してる途中だろうが……】
…シズカニシテマスー
369 名前:4/2[sage] 投稿日:2012/07/18(水) 23:10:13.99 0
【いえーい! ですが我々は、このままでは参加者に申し訳が立たないと思い、
契約書にこっそりとある項目を付け加えたのです……それが延長オプション!
一週間経過しても希望さえすれば、契約期間は延長されるのです!】
ワーワー! モウキゲンナンテ! カンケイナイジャナイカ! ワーワー! サスガアクドイ!
【せんきゅー。では最後にリナちゃんから皆に激励の一言を、どぞ】
『――んなっ! 何故、私がそのような事を!?』
【……これも作戦の為です】ボソボソ
『……み、皆さん……今日は頑張って下さいませ』ニコッ
ウオオオー! カンノサマー! イマアナタノオソバニー!
【それでは! 第一回戦を開始します! トーナメント表に書かれた対戦相手と向かい合って下さい!】
『……巴さん、全て終わったら起こして下さい』
【あれぇ? リナちゃんに恋い焦がれる男達の戦いは、見なくて良いんですか? さすが女王と呼ばれるだけはありますねぇ】
『……好きでそう呼ばれてる訳ではありませんわ』
――間。
【――ついに決着ぅううう! 幸運の女神は彼に味方したぁあああ! ささ、こちらへどうぞ。リナちゃん、起きて下さいー】
『……んー……はふぅ……終わりましたの?』
ワーワー! ノビトトモニユガムオッパイ! アノヤロウガウラヤマシー!
『……で、どなたですの?』
【はいー、この人ですー!】
「……えーっと、神野さん……どうも」
370 名前:4/3[sage] 投稿日:2012/07/18(水) 23:11:08.59 0
『………………なっ! なっなっなっ、何であなたが参加していますの!?
だっ、だってこの戦いは…………わ、私と恋人同士になる権利を……賭けているのですわよ?』
「うん、知ってる」
『……そ、それでは、あなたは私の事を――』
「うん、神野さんが思ってる通り…………心配してた」
『……わ、私も…………はい?』
「前に神野さんは、取り巻きの人達とは付き合う気はないって言ってたよね?
これの企画者が例の巴さんだって聞いて、僕はきっと何か弱味を握られてるんじゃないかなって思ったんだ。
だから僕は優勝して、契約書が使われないようにしようと……」
『……つまりあなたは……私と恋人になりたくて参加した訳じゃないと申しますのね?』
「ええぇ!? ……う、うん……友達として心配で――」
『全く、余計な事をしてくれましたわ』
「……え?」
『巴さん、説明して下さいます?』
【あいよー。そもそもこの企画はリナちゃんの意向に沿ったものなんですよ】
「……どういう事ですか?」
【先日、取り巻きの方々を何とかして欲しいと依頼されましてね。私は付き纏われる原因を色々調べたんですよ。
で、リナちゃんがここまで人気な理由の第一位は、誰とも付き合った事がないって所なんです。
高嶺の花の方がやっぱり燃えるんですねぇ。そこで私は一度誰かと付き合う事を提案したんです】
「……それでこれを?」
【ええ、そうです。優勝者には一週間を無難に付き合って貰う予定でした。
勿論、その間にリナちゃんに触れようとしたならば、私の部隊が粛清を加えます】
「で、でも延長オプションがあるじゃないですか、それを使われたら――」
【あれはちょっとした仕掛けがあるんですよ、上手く機能なんてしませんよ】
「……それじゃあ……余りにも優勝者が可哀想じゃないですか……」
【何を言ってるんです? この企画で多額に集まった、参加費の一部が貰えるんですよ? どこが可哀想なんです?】
「うわぁ……神野さん、この人……」
『皆まで言わなくて良いですわよ、周知の事実ですわ』
371 名前:4/4[sage] 投稿日:2012/07/18(水) 23:12:09.71 0
【ですが、このままでは不味いですねぇ。計画を完遂しないと、取り巻きが居るせいで、
リナちゃんと距離を取っている例の彼の件が解決出来ま――】
『も、もう良いですわ、巴さん! 私に一つ考えがあります……責任を取って貰えば良いのですわ』
「……えーっと……これは……僕に言ってる?」
『あなた以外に誰が居るって言うのかしら? あなたは責任を取って…………契約を行使しなさい』
【ふんふん、なるほど。それなら計画通りに事が進みますねぇ】
「ま、待ってよ、神野さん! そ、それって僕達が恋人同士になるって事だよ!?」
『…………嫌なら断っても結構ですわよ。その場合は、あなたは辞退した事にして準優勝の方と……付き合うだけですわ』
「……神野さん……」
ワーワー! イツマデサンニンデ! ナイショバナシシテンダー! ワーワー!
「……それは……僕は…………や、やっぱり! …………契約書を使わせて貰っても……良いかな?」
『……あなたから良い返事が聞けて、嬉しいですわ。これからよろしくお願いしますわね……私の初めての彼氏さん』ニコッ
「あっ……う、うん……よろしく」
【今ぁあああ、ここにぃいいい! 一組のカップルが誕生しました! 盛大な拍手を!!
……拍手しろって言ってんだろ? ぶーたれてないで、さっさと拍手しろよ、潰すぞ?】
パチパチパチ! コワイヨー パチパチパチ!
――、一ヵ月後。
【……はぁ……最近は面白そうなネタが無いですねぇ】
アイツマダツキアッテンダッテヨー! ケイヤクショガアルカラッテ フテブテシイヤツダゼー!
【……あの契約書の延長オプションは――神野リナが希望さえすれば――そんな内容だったはずですけどねぇ】
最終更新:2012年09月10日 22:03