623 名前:1/5[] 投稿日:2012/08/19(日) 12:26:06.26 0
  • ツンデレにお前……その格好、結構色っぽいなって言ったら

『タカにぃっ!!』
「どわっ!?」
『全くもう。休みだからってゴロゴロしてたら豚になっちゃうよ。ホント、タカにぃって
怠け者なんだから』
「……休みの最終日くらいゆっくりさせろよ。あと、いい加減俺の体の上にダイブしてく
るの止めろ。ガキじゃないんだから、こっちの体が持たん」
『むっ? それってボクの体重が重いって言ってるの? 失礼しちゃうよね、女の子に向
かって。こう見えても48キロ台はちゃんとキープしてますから』
「別に太ってるだなんて言ってないだろ? それでも勢いつけて飛び乗って来られると、
結構キツいんだよ」
『鍛えてないからダメなんだって。ほら、このお腹。プニプニしてるし。ちゃんと腹筋と
かしてる? 痩せてても脱いだ時引き締まった体してないと、女の子にモテないよ? た
だのガリガリ君なんてみっともないだけだからね』
「大きなお世話だよ。つか、お前は俺にモテて欲しいのか?」
『べ、別にっ!! まあ、妹としてはそりゃあ、その……女の子にモテる兄の方がいいに
決まってますよ? ただ、タカにぃが腹筋鍛えたくらいでモテるとも思えないけどさ。少
しでも努力くらいはして欲しい訳じゃん。分かる?』
「言ってる意味は分からんでもないがな。ただ、彼氏いない歴17年のお前に言われても、
説得力ないなーって、そう思っただけで」
『うるさいなあっ!! 女子高なんだからしょーがないじゃん。出会いだってロクにないし』
「でも、彼氏いる奴はいるんだろ? 俺の高校の友達でも、女子高の女の子彼女にしてた
奴いたし、そこは言い訳にならなんじゃねーの?」
『それこそタカにぃに言われたくないよっ!! そりゃ、友達にも彼氏いる子いるけど、
やっぱり共学よりハードル高いし。だからボク、大学は絶対共学にして、素敵な彼氏見つ
けるんだもん』
「確か、受験めんどくさいから中高大まで一貫の所がいいって、今の女子校の中学受けた
んじゃなかったっけ。お前」

624 名前:2/5[] 投稿日:2012/08/19(日) 12:26:49.86 0
『そうだけど、だからって大学他のトコ受けちゃいけないって訳じゃないし。女心なんて、
日替わりで変わっていくんだから、小学校の頃の考えなんて変わって当然だよ』
「それって単なる思い付きってだけじゃんか。自分の進路くらいもっと真面目に考えろよ
な。彼氏との出会いどーのじゃなくて」
『うわ。タカにぃのクセに偉そうに。ちょっとお金稼ぐ身になったからってさ。偉そうに
説教すんなっての。バカじゃない?』
「一応こっちは、超氷河期の就活乗り越えてっからな。お前よりは人生長く生きてる分、
偉そうなこと言えると思うぜ」
『ふーんだ。就職出来たからって安心してグータラグータラしてたら、すぐに落ちこぼれ
ちゃうんだからね。それで首になってニートになっても、ボク知らないんだから』
「お前はニートの意味をもう少し勉強しろ。つか、ネットで流行った言葉をよく理解もせ
ずに日常会話とかで使っちゃう痛い子なんだろ。お前って」
『酷いっ!! いくらなんでも痛い子扱いはないよ。しかもタカにぃなんかに。謝罪と賠
償を要求するよ』
「ほら、これだよ。俺の前ではいいけど、学校とか公の場で言うなよ。世間様に私はバカ
ですって貼り紙して歩き回ってるようなものだからな」
『だからバカとか言うなっ!! タカにぃごときにバカにされると、自分がもの凄くおバ
カな子に思えて落ち込んじゃうんだから』
「お前、今さり気なく俺の事バカにしてるって気付いて言ってるか? それ」
『当たり前でしょ? タカにぃなんてバカだしだらしないしお調子者だしで、いいトコな
し男子だもん。そんな人にバカにされるボクの気持ちを少しは汲んでくれたっていいのに。
もう……』
「こりゃ、言っても処置無しだな。で、お前はそんな兄の所に何しに来たんだ? ただの
安眠妨害か?」
『あ、そうそう思い出した。暇だしどっか連れてってよ。ドライブとかショッピングとか。
映画とか遊園地でもいいよ』
「断わる。つか、ノープランかよ」
『だって考えるのは二人で一緒にしようと思ってたから。って、今何て言った? 断る?』

625 名前:3/5[] 投稿日:2012/08/19(日) 12:27:27.20 0
「ああ。だって明日から仕事なんだぜ? 何だかんだでこっち帰って来た友達と飲み会や
ら、お盆に家族みんなで墓参り行ったりやらでのんびり出来る日少なかったしさ。だから
せめて最終日くらい休養させてくれ」
『ダメだよ、そんなの。最終日だからこそ、体を動かすモードにしないと明日から動こう
としたって体が錆び付いちゃってまともに仕事出来ないよ?』
「これは錆び付かせてるんじゃなくて、体のメンテしてんの。つか、何で急に俺を誘って
出掛けようなんて思ったんだよ。珍しい」
『え? それはね。これこれ。じゃーん』
「――!? こ……これって、そのサマーセーターがどうかしたのかよ?」
『ちゃんとこっち見て。昨日美代ちゃんたちと最終バーゲンで買って来たんだから。可愛
いでしょ?』
「……ま、まーな。お前らしくていいとは思うよ」
『だからちゃんと見てって。ほら』
「いで、いでででで。首捻るなって。分かったよ。ちゃんと見るから」
『そんな事言って、視線逸らしてるし。ボク、ちゃんと見てるんだからね。何でまっすぐ
こっち見てくれないの?』
「……いや。だからさ。その……」
『何? ちゃんとハッキリしてよね。ボク、優柔不断な人とかなよなよしてる人は嫌いな
んだから』
「分かったよ。まあ、あんま妹相手にこんな事言いたくないんだけどさ。その格好……結
構、色っぽいなって思って……」
『へっ……? どっ……どどどどど、どこがどこが? 何で何で?』
「いやその……セーターの丈がちょうど股上のすぐ下くらいじゃん。で、そこから白い生
足がスッと二本伸びてる辺りが」
『………… ななななな……何言ってんの、タカにぃ。だって、ちゃ、ちゃんと下にデニ
ムのショート履いてるし。ほらほら』
「誰も何も履いてないなんて思ってねーよ。ただ、下に何履いてようが、見えそうで見え
ない格好って色っぽいなって……」
『バ……バカじゃないの? 妹に欲情とか。変態?』

626 名前:4/5[] 投稿日:2012/08/19(日) 12:27:58.31 0
「欲情までは行ってねーよ。ただまあ、妹とはいえさ。客観的に見れば、お前だって可愛
い普通の女の子なんだし、そりゃ色っぽい格好の一つもすりゃ、ドキッとくらいはするさ」
『ううううう~…… か、可愛いとか言わないでよ…… タカにぃに言われたって嬉しく
なんて無いんだから……』
「照れて真っ赤になった顔で否定されても説得力ないぞ」
『う、うるさいな、もう!! 女の子なんて、別に好きでも何でもない男の人からでも、
可愛いって言われれば嬉しくなっちゃう生き物なの!! (それがましてやタカにぃなん
て……もう……)』
「ん? 最後、何て言ったか聞き取れなかったから、ワンモア」
『きっ……聞き取れなくていいのっ!! 変態バカにぃ!! ほら、さっさと準備してよ。
出掛ける時間、無くなっちゃうでしょ?』
「しゃーねーな。めんどくさいけど、可愛くて色っぽい妹の為に、デートに付きあったるか」
『デッ……デデデデデッ……デートぉ? ななななな、何でそうなっちゃうんだよっ!!
ボ、ボクはタカにぃとお出掛けしたいとは言ったけど、デートだなんて一言も言ってないよ?』
「気分だよ、気分。まあ暑いしさ。何かくだらないB級映画でも見て、冷たいものでも飲
みながら反省会とかやろうぜ。久しぶりにさ」
『いーよ。タカにぃのおごりだったら、それで』
「はい? 何で俺のおごりなんだよ。お前から誘って来たのに、意味わかんねーぞ」
『だって、デートなんでしょ? だったら男の方がおごるの、当然だよねー』
「うっ…… しまった。墓穴掘ったか」
『いーじゃん。大体、給料泥棒なんだし、その汚いお金の一部をボクに貢いでくれたってさ』
「初任給の時に、色々買ってやったろが。あと、汚いお金じゃねーよ。ちゃんとした労働
で得た清らかなお金だって」
『まだ初心者マークのクセに偉そうに。ほら、立って立って。ボクが服を見繕ってあげる
からさ』
「分かったから引っ張るなって。自分で立てるから」

627 名前:5/5[] 投稿日:2012/08/19(日) 12:31:04.61 0
『(タカにぃがボクの事、色っぽいって。嬉しいな、エヘヘ。自然に顔がニヤけちゃうよ。
今度は、超ミニのスカートとか履いてみようかな。もちろん、下はスパッツとか履くけど、
それでもきっと、タカにぃなら褒めてくれるよね。ウフフ……)』







「何、ニヤニヤしてるんだよお前? 服選ぶんじゃなかったのか?」
『なっ……何でもないってば!! このバカにぃっ!!』



終わり
何が言いたいかと言うと、ショートパンツを隠す程度の丈の長いセーターから真っ直ぐに伸びる素足はエロいとだけ
そしてそれをツンデレが着れば言う事なしと
最終更新:2012年09月10日 22:35