670 名前:1/2[sage] 投稿日:2012/08/25(土) 22:13:24.37 0
【ツンデレが女豹だったら】

 昨今は夏休みなので学校の級友たちと会う機会もめっきりと減り、何かと寂しい。
「とか言いてえ」
「いきなり何を言っているのか。今日もタカシは意味不明だ」
 人の頭をぺしぺし叩きながら、ほぼ毎日のように俺の家に入り浸っているちなみが馬鹿にした様子で言う。
「いやね、聞いてくださいよちなみさん。なんか知り合いが毎日俺の家に来るんですよ」
「ほほう。それは実に興味深い」
「なんで来るんでしょうかね?」
「私の勘によると、嫌がらせではないだろうか」
「やっぱりか」
 悔しいのでちなみのほっぺをぐにーっと引っ張る。
「ひはひ」
 全くの無表情で痛いと言われても、信用ならない。とはいえ、あまり女性の頬を引っ張るのもなんなんで、適当なところで離してあげる。
「……傷物にされた」
「人聞きが悪い」
「膜を貫かれ」
「違う! してない! ほっぺ引っ張っただけ!」
「言葉に誘導された。そういえばまだ処女だった。てへ、しっぱい☆」
「あら可愛い」(なでなで)
「…………」(嬉しい)
「何を普通に喜んでいるか」
「よ、喜んでなどいない。いないが、もう少しなでなでを続けてみると面白くなること請け合い」
「ほう、それは興味深い。では早速やってみよう」(なでなで)
「…………」(嬉しい)
「もういいか?」
「まだ」
「…………」(なでなでしているが、少し疲れてきた)
「…………」(嬉しい)
「そろそろいいか?」
「まだ」

671 名前:2/2[sage] 投稿日:2012/08/25(土) 22:14:02.12 0
「…………」(頑張ってなでてるが、いい加減疲れた)
「…………」(嬉しい)
「もう十分だろ」
「まだ」
「もう十分!」
「ぶー……」
 ぶーたれられたが、なでなでを終える。単純なこととはいえ、数をこなすと結構疲れる。
「で、面白くなることとは一体如何様なことで?」
「タカシの腕が疲れる」
「はぁ」
「おしまい」
「ええっ!?」
「ああ愉快愉快。愉快なのでもっとなでろ」
「いや、ちっとも愉快じゃねえ」
「じゃあ不愉快でもいいからなでろ」
「嫌です」
「…………」
「…………」
「…………」(じわーっ)
「んなことで泣くなッ! ああもう、ああもう!」(なでなでなで)
「な、泣いてない。泣いてないが、そのまま続けるように」
「この娘はすぐに女の武器を使うから厄介だ」(なでなで)
「女豹なので。あと、抱っことかもしろ」
「……何故?」
「女豹なので」
「女豹なら仕方ない」(むぎゅー)
「がおーがおー」(むぎゅー)
 そんなわけで、女豹を抱っこしたりなでなでしたりしてました。あと、よく考えると女豹だから抱っこしないといけないとか超意味分からん。
「その辺りどうお考えでしょうか」
「がおがお」(すりすり)
 問い質しても、この女豹は人の頬に自分の匂いをなすりつけるのに夢中なようで答えてくれない。残念。
最終更新:2012年09月10日 22:38