108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/11/18(日) 02:54:52.81 ID:yBU/52od0
「ん?」
『雪か』
「お、纏。今帰りか? 今日は随分ゆっくりなんだな」
『無意味に教室で駄弁っておるお主とは違って儂は忙しいのでな。帰りも遅くなるというもんじゃ』
「はいはい……っと、纏、傘は?」
『お主は相変わらずわかっとらんのう。初雪に傘さして歩くなど無粋というのんじゃ』
「素直に傘持ってきてないって言えよ」
『ぐっ……喧しい! 実際傘がないんじゃから仕方なかろう!』
「ほれ」
『む?』
「傘、さしてけよ」
『な!? そ、そんなことできるか恥ずかしい!』
「まあ確かにさっきああいった手前恥ずかしいってのはわかるけどさ」
『それ以前の問題じゃ! 大体相合傘など破廉恥なコトを』
「ん?」
『え?』
「……相合傘?」
『む、ぅ? では、ない……のか?』
109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/11/18(日) 02:55:58.83 ID:yBU/52od0
「いや、俺置き傘と折り畳み傘と二本あるから……」
『…………』
「…………」
『ぬ……』
「ぬ?」
『ぬわぁぁああああああ!!』
「うわっ!? お、落ち着け纏!?」
『落ち着いていられるか! 恥ずかしい! 恥ずかしい! 穴があったら入りたい!』 ジタバタ
「落ち着けって!」 ガシッ
『ぬぎぎぎぎぎ』 グググググ…
「こんの……纏っ!」 ギュッ
『ひゃぁっ……!』
「取り敢えず落ち着け、な?」 ギュゥ…
『ぬ……ぅ……』
「……落ち着いた?」
『も、もともと取り乱してなどおらんわ』
「はいはい。んで、傘いるのか、いらねーのか?」
『…………』
「纏?」
『お、お主が……』
「俺が?」
『お主がどうしてもと言うなら……同じ傘に入ってやらんでもないぞ?』
「いやだから」
『どうしてもと言うならじゃ! 入ってやらんでも無いと言うとる!』
「だから……いや……うん。どうしても、纏のコト、家まで送らせてくれないか?」
『しょっ、しょーがないのぉ。そこまで言われては、こ、この寒空の下傘もささずにいては、風邪を引いてしまうしのー(棒』
「んじゃあ、ほれ」
『ん。お邪魔するのじゃ』
「おうよ」
『うむっ♪』 ギュッ
110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2012/11/18(日) 02:56:29.66 ID:yBU/52od0
おわり
相合傘とかしたことない
最終更新:2012年12月02日 01:02