16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2012/12/01(土) 23:53:36.55 ID:t8flwlEH0
  • あの星を我に

男「おー、こっち来てみろ纏」
纏「なんじゃ、この寒いのに呼びつけおって…」スタスタ
男「見てみろよ、今夜は星がすっげーぞ」
纏「ほぅ、本当じゃのう……」
男「星見上げるのなんて久しぶりだよなぁ。最近寒いから夜外出しないし」
纏「誠じゃのぅ……時にタカシよ。主は星を人に授ける方法というのを知っておるか?」
男「何それ。小噺か?」
纏「ま、そのような物じゃな」
男「聞いたことないねぇ。その心は?」
纏「空を見上げて、星を一つ指差し、『あの星をそなたに授けよう』と、言うだけで良いのじゃ」
男「何それ。とんち話かよ」
纏「要するに、たったそれだけであらゆる物物の間には、簡単に因果が出来てしまうということらしいの」
男「ふーん……じゃあ、あそこに見えるあのちっこい星、あれ纏にやるよ」
纏「ぬ?……どれじゃ?」
男「ほら、あそこだよ。今日からあの星は纏と俺のもんな」
纏「そうかぇ……あれは儂とタカシの星かぇ」パァッ
男(あ、なんかすげぇ嬉しそう)
纏「……まぁ、人から聞いたばかりの話をすぐに模倣するのも、どうかと思うがの」
男「何言ってやがる。子供みたいな顔して喜んでたクセに」
纏「だ、誰がじゃ! 儂は全然喜んでなぞおらぬわい!」
最終更新:2012年12月05日 23:22