12 名前:1/5[] 投稿日:2012/12/08(土) 18:50:51.57 ID:YJ2pwn9u0 [2/10]
『あつっ!!』
「ん? どうした、舞衣?」
『何でもないよ。お兄ちゃんにはあたしの事、気にされたくないから構わないで。さっさ
とラノベに戻って二次元の嫁といちゃいちゃしてればいいのよ』
「表紙はアニメっぽいけど、ちゃんとした推理小説だって。そんな風に痛そうな顔してた
ら、家族なら気にするだろ」
『しかめっ面してるのは、半分以上お兄ちゃんに声掛けられて不快な思いしてるからなの。
一瞬痛かったけど、大したことないし』
「痛がってるの、足か? 何か不自然に浮かしてるけど」
『気にしないでって言ってるでしょ? 人の言ってる事、耳に入らないの?』
「一度気になったらほっとけないのは性分だからな。ほれ、見せてみろ」
『ふぇっ!? ちょ、ちょっとお兄ちゃん!! 引っ張らないでよ。イタッ……』
「いいから、そこ座って、足上げてみせろ」
『ああもうっ!! 強引なんだから。そういうトコ大っ嫌い』
「どれどれ? 何だよ。かかとが思いっきり割れてるじゃん。ちゃんとケアしてなかったろ」
『うるさいなあ。今年はまだ大丈夫かなと思って油断してただけだってば。もういいでしょ。
あんまり興味本位でジロジロ見ないでよね。これでも女の子の足なんだから』
「女の子の足だったら、余計大事にしなきゃダメだろ。何でこんなのほっとくんだよ」
『別にほっといてるわけじゃないわよ。洗濯物干さなきゃいけないから、それ終わってか
ら薬塗ろうと思ってただけだもの。休みになるとずっとダラダラしてるだけのお兄ちゃん
に文句言われる筋合いないし』
「そりゃ、休みくらいゆっくりしたいけどさ。けど、そういう事だったら俺だって手伝い
くらいするぞ。洗濯物干すのくらい、出来ない事じゃないんだから」
『それはそれで、余計な事しないで欲しいんだけど。大体、洗濯物ってあたしの下着も含
まれてるのに、そんなの触らせる訳ないでしょ。それとも、もしかしてそれ目当てとか?
エッチ。変態。死ね』
「妄想膨らませて勝手に俺の欲望捏造させて罵るな。まあ、女の子だから兄妹だろうが男
に下着見られたくないってのは分かるけど、俺は妹の下着に興味ないから安心しろ」
13 名前:2/5[] 投稿日:2012/12/08(土) 18:51:22.72 ID:YJ2pwn9u0 [3/10]
『真顔で興味ないとか言わないでよ。お兄ちゃんのバカ!!』
ドカッ!!
「あいてっ!! 何で蹴っ飛ばすんだよ。無用な心配してるから、誤解晴らそうとしただ
けなのに」
『うるさいわね。乙女心は複雑なのよ。どーせ、お兄ちゃんに言っても理解出来ないだろ
うから、これ以上言わないけど』
「理不尽だって分かってるなら、せめて蹴っ飛ばした事くらい謝ってくれよな。結構痛かっ
たんだぞ、今の」
『お兄ちゃんに理解不能だって言っただけで、理不尽だなんて言ってないし、理不尽でも
ないし。もういいからどいてよ。薬箱取って来るから』
「ちょっと待て。立つなって。下手に歩き回ったら傷口から雑菌入るだろ。俺が取って来
てやるよ」
『え? いいってば。別にかかと浮かせて歩けばいいだけだし。それくらいお兄ちゃんに
面倒見てもらう必要ないから』
「けど、無理して歩いて傷口が開いたら、また痛むだろ? 大人しく座って待っとけって。
すぐ取って来るから」
『あ、お兄ちゃんってば!! もう…… こういう時だけ優しくするんだから』
「ほれ、足出して」
『で、何でお兄ちゃんが傷の手当てまでする流れになってるのよ。自分で出来るからいい
って言うのに』
「まあ、たまには甘えとけって。こんな時でもないと兄妹の触れ合いもないしな」
『別にお兄ちゃんとなんて触れ合いたくないのに……』
「今、水絆創膏付けてやるから。動かすなよ」
『分かってる。本当はお兄ちゃんなんかに、足を触らせたくないけど、何かやらなきゃ気
が済まないみたいだから大人しくしといてあげる。その代わりすぐに済ませてよね』
「言われなくても、ちょっと付けるだけだから。ほれ、チョンっと」
『つっ!! 優しく塗ってよね。今、ちょっと沁みた』
「まあ、傷口につけるものだから、少しは我慢しろよ。でも、これで痛みは治まるはずだから」
14 名前:3/5[] 投稿日:2012/12/08(土) 18:51:54.27 ID:YJ2pwn9u0 [4/10]
『ホントよね? もしまた割れたりしたら、お兄ちゃんのせいだからね』
「そりゃないだろ。せっかく治療してやったのに。大体、こんなカチカチでガサガサのか
かとをほったらかしにしておくお前がそもそも悪いんだろ」
『仕方ないでしょ? あたしの場合、硬くなるのって冬場だけなんだし。今日からちゃん
とお風呂に入ったとき軽石で擦るし、保湿ケアだってするもん』
「けど、それまでにまた割れて俺のせいだって詰られてもたまらんからな。ちょうど薬箱
に尿素クリームも入ってるし、今塗っとくか」
『ちょ、ちょっとお兄ちゃん。もう塗らなくていいってば!! 後で自分でやるから』
「いや。こういうのはやれるうちにやっといた方がいいし、後でとか言いながら結局風呂
から上がるまで忘れてたりするからな。ほれ、足上げて」
『んー、もうっ!! ホント、自分勝手なんだからあっ!!』
「可愛い妹の足を手入れしてあげるんだから、文句言うな。あと、動かすと傷口に当たる
かもしれないから、ジッとしとけよ」
『分かってる。お兄ちゃんこそ、傷口に触って痛くしたら、今度こそ怒るからね』
「心配すんなって。じゃあ、塗るぞ」
『……う、うん……』
ヌリヌリ……
『……そんな、念入りに塗らなくてもいいと思うんだけど……』
「いや。ちゃんと角質層の奥まで染み込ませた方がいいかなって」
『一回でスベスベになる訳じゃないんだし、割れない程度でいいってば』
「……………………」
『どうしたの、お兄ちゃん。人の話、ちゃんと聞いてる?』
「ん? あ、ああ聞いてるよ。まあ、こっちの足はこんなもんか。じゃあ、今度左足出して」
『え? 左足もやるの? こっちはまだそんな硬くなってないからいいってば』
「予防だよ、予防。どうせ塗るならついでにやっといた方がいいだろ」
『もう。何かあたしの足、お兄ちゃんのおもちゃにされてる気分だよ』
「そんなんじゃねーって。なんならくすぐって遊ぶか?」
『それやったら蹴り飛ばす。んでそのまま、顔面踏み付けるから』
「おっそろしい事言うな。よし。じゃあ、こっちも塗るぞ」
『ん。もう、どうでもいいからチャッチャと終わりにして』
15 名前:4/5[] 投稿日:2012/12/08(土) 18:52:29.51 ID:YJ2pwn9u0 [5/10]
「はいよ」
ヌリヌリ……
『…………まだ?』
ヌリヌリヌリ……
『ねえ。ちょっと付け過ぎじゃない?』
「……………………」
『お兄ちゃんっ!!』
「わっ!? な、何だよ。大きな声出して」
『人の話、ちゃんと聞いてた。ボケーッとして。さっきもそうだったじゃない。何考えてたのよ?』
「え? い、いやその……大したことじゃないってば。お前が気にするほどの事じゃないし」
『大したことじゃないんだったら言えるでしょ? 気にする気にしないは聞いてからあた
しが決めるから。ほら、言いなさいよ』
「うーん…… ゴメン。やっぱり気にするほどじゃないっては嘘。ただし、聞かない方が
いいとは思うけど」
『ほら、やっぱり。絶対変な事考えてるとは思ってたんだ。そーいう顔、してたもん』
「つー訳で、勘弁してくれ。話したところで余計嫌な気分にさせるだけだし。なかった事
にしとくのがお互いの為だと思うけど」
『ここまで来た以上、なかった事に出来る訳ないでしょ? じゃあ、教えてくれたら内容
次第では勘弁してあげるけど、教えなかったら妹相手に淫らな事考えてた変態兄として、
一勝軽蔑する』
「何でそうなるんだよ!? いや、そこまで酷い事考えてた訳じゃないって、ホントに」
『でも、言わなかったらそうだって思うから。お兄ちゃんが疑いを晴らすためには、正直
にちゃんと全部言う事だけ。分かった』
「う…… 分かった。じゃあ言うけどさ。普段からそんな事考えてた訳じゃないからな。
今、たまたま初めてそう思っただけだから」
『前置きはいいの。男らしくちゃんと白状しなさい』
「ハァ…… いや、その……お前の足の裏を片手で押さえてクリーム塗ってたらさ。舞衣
の足って結構小さいんだなって。で、そんな事考えて足の指とか見てたり、足の裏も俺の
より柔らかくてプニプニしてるなーとか」
『お兄ちゃんって、もしかして足フェチ? ううん。足の裏フェチなの?』
16 名前:5/5[] 投稿日:2012/12/08(土) 18:53:08.38 ID:YJ2pwn9u0 [6/10]
「いや。そんな属性持ってないって。お前に限らず女の子の足の裏なんてマジマジと眺め
る機会なんて無かったから、あらためて気付かされたってだけで、そこまでご執心だった
訳じゃないし」
『ホントに? それにしては、何か熱心に足の裏にクリーム塗ってなかった?』
「いや。それはその……無意識って言うか、足の指の形見るのに夢中だったから…… こ、
これだけ言えばいいだろ? 不快な想いしただろうし、もうあっち行けよ。クリームも塗
り終わったからさ」
『何その言い方。人の足の裏、散々弄っておいて、追い払うのってなくない?』
「べ、別に追い払うわけじゃないけどさ…… 正直、気まずいし。お前だって居づらくないか?」
『別に。足の裏程度だったら…… 太ももに欲情してたりとか、ショートパンツの隙間か
ら下着見ようとしてたとかなら蹴っ飛ばすけど』
「いや、まあ……もともとそういう目で見てたわけじゃないし、足の裏だってたまたま見
て気付いたってだけだし……」
『で、もういいの? 満足したの? まだ触り足りないとか、思ってない?』
「は? 何でそんな事聞くんだよ? もしかしてお前も、自分の足の裏褒められて嬉しく
なったとかじゃないだろうな?」
『違うわよバカ!! ただ、その……どうせだったら、ついでにマッサージもして貰おう
かなーなんて…… お兄ちゃんがあたしの足の裏好きなら、そっちは触れるし、あたしは
気持ち良くして貰えるし、一石二鳥かなって思っただけよ。お兄ちゃんが思ってるほど、
あたしは別に不愉快でも無かったし……』
「いや。そういう事ならマッサージしてやろうか? たっぷりと念入りに」
『そういう言い方はイヤらしいから止めてよね。あと、痛くするのはダメだから、ツボと
かグリグリするのなしね。ほぐすような感じでやってよ。いい?』
「任せとけ。優しく、丁寧にマッサージしてやるからな」
うん。エロくはないはず。きっと
最終更新:2012年12月26日 01:49