84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/26(木) 15:17:30.04 ID:KIdabiJeO [6/24]
女「ここをこうしてこうして……よし、出来た」
男「……」
女「なかなか可愛いじゃないの、タカシ」
男「可愛い訳あるかぁ! なんで俺女装なんかさせられてんの!?」
女「私が興味あったんだから、あんたが被験者になるのはとーぜんよ」
男「突然呼び出して人に女の格好させた理由がそれかいっ」
女「そうよ。あんたは私のおもちゃなんだから」
男「おもちゃになった覚えはねぇ。帰るぞ」
女「えっ、その格好のままで?」
男「着替えてからに決まってるだろ!!」
女「あら、そう。残念ね」
男「全っ然残念じゃねぇ……」スル
女「あ、待った。着替える前に写真撮らせなさいよ」
男「嫌だよ! 死んでも撮らせるか!」
女「じゃあ、あと五分で網膜と記憶に焼き付けるから、それまで我慢なさい」
男「……まぁ、記録に残らないだけマシか。早くしろよ」
女「うん……」ジーッ
男「ハァ……」
女「……んふふ」ニコ~
男「何ニヤニヤしてやがる」
女「ううん、ただ単に可愛いなぁと思っただけ」ツンツン
男「お前、変な趣味に目覚めちゃいないだろうな……」
その後、物陰待機していた友ちゃんに写真を撮られていたことを知り、愕然とするタカシであった…。
86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/26(木) 15:38:47.61 ID:KIdabiJeO [7/24]
女「……」パフパフ
男「あの、ちなみさん。まだすか?」
女「うるさい……気が散る……黙って……」
男「はい……」
女「……出来た……はい、鏡……」
男「うわ、これが俺かよ。化粧とかそれっぽくなってんのが逆にムカつくわ」
女「……遊びに行く約束破った……タカシが悪いんだからね……」ポカポカ
男「だからって女装はないんじゃ……」
女「……自業自得……タカシはここまでしないと……反省しない……」
男「そりゃ今回のことは俺が悪かったけどさ」
女「……なんか……私より可愛くなってる気がする……」
男「ねーよ。いやマジで勘弁して」
女「……タカシに……嫉妬する日がこようとは……」
男「お前それ、自分で勝手に女装させて勝手に言ってるだけだからな?」
女「……許せない……罰としてタカシは……その格好で一緒にお出かけすること……」
男「しねーよ!?」
女「……しかし……すでにタカシの服は……どこかへ隠されている……」
男「え?(キョロキョロ)……うわマジだ。こいつ何しやがる」
女「……さぁ……私の要求を呑むのだ……タカシ……」ニヤリ
男「くっ……この悪魔めが」
その後、出かけた先でタカシだけナンパされて余計にむくれるちなみさんであった…。
88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/26(木) 16:01:44.60 ID:KIdabiJeO [8/24]
男「入っていいぞ……」
女「ん。どれどれ?」ガチャッ
男「……」
女「ぎゃははははっ、なんだよタカシ。お前けっこう女の格好似合うじゃん」
男「超屈辱的だ。いっそ死にたいぜ……」
女「まぁまぁ、ただの罰ゲームなんだから深く思い悩むな」
男「うぅ……こんな姿、他の奴には見せられねぇよ」
女「しょうがねぇ、そこまで言うなら家の中だけで許してやっから」
男「本当だろうなぁ? 映像に残したり、写真撮ったりするのも禁止だぞ?」
女「俺は今だけ楽しけりゃそれでいいんだよ!」
男「わーったよ、信用するよ……けど、よくこんなフリフリの服すぐに用意できたな」
女「え? あー、っと……う、うちの母ちゃんが昔買ってきてよぉ」
男「あぁ、なるほど。つまりこれはお前の所有物なのか」
女「ち、ちげーよ!! 私が自分でそんなフリフリした服買う訳ないだろ!?」
男「別にそういうつもりで言ったんじゃないけど……もしかして本当は、自分で買ったのか」
女「……うるせぇな。私が女っぽい服買っちゃ悪いかよ」
男「ならこれは、俺が着るよりかつみが着た方がいいだろ」
女「だから似合わないんだってば。私みたいに線が太いのが着たら、せっかくの可愛い服が台無しだ」
男「そうか? むしろ骨太でも線が隠れるから、お前向きだと思うけど」
女「……そう、かな?」
男「本当は着てみたいから買ったんだろ? 素直になれよ」
女「その格好で格好つけても全然締まらないな」
男「うるせぇ、自覚しとるわ」
その後、フリフリキラキラした服をタカシに着させられ、真っ赤になりながら満更でもなさそうなかつみさんであった…。
91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/26(木) 17:08:58.90 ID:KIdabiJeO [9/24]
女「なんて素敵なのかしら! よく似合っていてよ、タカシ」
男「……あの、これは?」
女「私、以前から宝塚に興味がありましたの。ですからタカ
シも、私に協力して然るべきではありませんこと?」
男「ヅカと女装は180度違うからな!? あっちは男装だから!」
女「そんな細かいことを気にしていては始まりませんわよ?」
男「俺から言わせりゃ始まる前にすでに終わってる気分だけどな!」
女「さて、タカシの着付けも終わったことですし、そろそろ本番と参りましょうか」
男「本番? まだなんかやんのか……?」
女「そう。私の本命は女装に非ず。これを見て瞠目なさい!」バッ
男「それは……黒タキシード?」
女「そうですわ! これを着て出かけるのが私の最終目標でしたの!」フンス
男「じゃあ一人でやれよ! 俺を巻き込むな!」
女「あら、私先ほど、『宝塚に興味がある』と仰いましたわよね?
男型一人で宝塚を演出出来ると、思っておいでなのかしら?」
男「……まさか、自分がその格好したいがために俺に女装を強要したのか?」
女「もちろんですわ!」
男「お前馬鹿だろ! いや、誰がなんと言おうと俺がお前を馬鹿だと呼んでやるよ!」
女「なんですって!? タカシのクセに私を馬鹿呼ばわりなんて、生意気ですわ!」
その後、自宅から勝手に父のタキシードを持ち出したのがバレて、大目玉を食らうお嬢であった…。
96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/26(木) 17:51:58.43 ID:KIdabiJeO [10/24]
女「……ふむ、これでよいかの」
男「……げぇ」
女「主、なかなか和装が似合うておるではないか。白粉も肌に映えておる」
男「こんなん俺じゃねぇ……ゲロゲロだぜ」
女「ほほほ、儂に借りた本を汚したからじゃ。次からは気をつけねば、女装では済まさぬぞ」
男「はぁ……けどやっぱり和服って通気性良くないな。よく毎日こんなん着てられるわ」
女「慣れじゃよ、慣れ。儂は主のような軟弱者と違うて、鍛えられておるからの」
男「あっちい~……」パタパタ
女「これ。大和撫子たる者が、胸元をさらけ出すような真似をするでない」
男「俺は大和撫子じゃねぇし。立派な日本男児だし」
女「主のどこが日本男児なんじゃか。よし、良い機会じゃ。主のその怠惰な心根、儂が正してくれよう」
男「いいよそこまでしなくて。早くいつもの格好に戻らせてくれ」
女「ぐだぐだ言うでない。背筋はしゃんと伸ばさぬか!」ピシッ
男「いてっ……」
その後、纏さんの大和撫子講座は一時間ほど続き、帰るころにはすっかりしゃなしゃなしたタカシの姿が見られたそうな…。
最終更新:2011年05月29日 11:11