54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2013/03/03(日) 21:36:08.96 ID:MR6KqpdRO [27/28]
  • 戀と云う字を

女「タカシに一つ聞きたいことがあるのですけれど」
男「何でしょう」
女「恋とは一体、いかような物なんですの?」
男「恋ねぇ……真鯉緋鯉に錦鯉、ってか?」
女「冗談で濁さないで。私、これでも真面目に聞いておりますのよ?」
男「どうした、好きな男でも出来たか?」
女「そんなんじゃありません! ただ……私も恋という物を知っても良い歳だと思いましたのよ」
男「そうだねぇ……恋というのは糸し糸しと云う心、って言葉はあるな」
女「……どういう意味ですの?」
男「都々逸の一つだよ。恋の旧字体って『戀』って書くんだけどさ」
男「これをバラすと、糸二つに心と言うって構成になってるんだってよ」
女「なるほど……つまり恋とは、愛しい思いを言葉にしてこそ、ということですのね?」
男「ん……あぁまぁそういうことじゃね?」
女「ようく分かりました。私もこれから愛しい気持ちは、言葉にすることにしますわ」
男「……あーそうかい、せいぜい頑張ってくれぃ」
女「……なぜ不機嫌になってますの?」
男「いんや、別に? あーあ、片思いはつれぇなーっと」
女「……?」

ドにぶちんなお嬢のお話。
最終更新:2013年03月16日 16:53