730 名前:ほんわか名無しさん[sage] 投稿日:2012/11/23(金) 21:50:54.50 0
「はぁ~あ。なんで、こんな仕事しなきゃいけないんだか……」
『ぶつぶつ言ってないで、手を動かしなさいよ。終わらなきゃ帰れないんだから』
「わかってるって……にしたって、明日のHRで配るプリント綴じって、ふつー先生の仕事
じゃないか、これ? 配ったり集めたりするならわかるけど」
『それは、確かにそうだけど……。そんなに、面倒くさいなら、別府くんだけ先に帰って
もいいわよ。後は、私でやっておくから』
「いやいや、そこまでは嫌じゃないって。それに、こんなに可愛い女の子と一緒なんだから、
文句ないし。プラスかマイナスで言えばプラスだし」
『だったら、文句言わないで――って、い、いい、今なんて言ったの!?』
「え、だから、プラスかマイナスかって言ったら」
『その前っ!』
「ああ、委員長みたいに可愛い女の子と一緒なんだから、文句ないってとこ?」
『~~~~っ! そうっ、そこ! か、可愛いとか気安く言わないでよ。別府くんから、
言われたって、ただのお世辞だってわかるんだから、余計嫌な気分になるだけだわ』
「いや、委員長は可愛いよ。俺、お世辞言ったつもりはないし」
『か、可愛くないわよっ! お、オシャレとかよくわかんないし、地味だし……』
「別に、オシャレで派手だったら可愛いってわけじゃないと思うけど。……そうだなぁ、
委員長は、俺にとっては、世界で二番目に可愛いよ」
『~~っ、も、もう、分かったからっ! さっさと作業終わらせるわよ!』
「はーい」
『(うぅ~、嬉しいよぉ……別府くんから可愛いって言われるなんて……。でも、世界で
二番目ってことは、もっと可愛いって思ってる相手がいるってことだよね……。それが、
別府くんの好きな娘なんだろうな……はぁ)』
731 名前:ほんわか名無しさん[sage] 投稿日:2012/11/23(金) 21:51:40.02 0
~翌日~
「はぁー、やっぱ可愛いなー」
「ん? 何見てるんだお、タカシ」
「おお、山田か。ふふん、俺にとって、世界一可愛い女の子の写真さ!」
『!!』
「ふーん、どれどれ……って、これ、赤ちゃんの写真じゃないかお!」
『(えっ!?)』
「おう、今月でちょうど一歳になる俺の従姉妹だ!」
『(えっえっ!?)』
「確かに可愛いけど、あの言い方だと、アイドルの写真か何かだと思ったお……」
「そうか? ……それにしても、こんくらいの赤ちゃんって、やっぱり世界一可愛いよな~」
『(べ、別府くんにとって、一番可愛い女の子が、赤ちゃんだってことは、つまり……つまり……)』ボッ!
「あ、おはよう、委員長。……委員長? あ、頭から湯気出して気絶してる……」
最終更新:2013年04月18日 15:16