405 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/28(土) 19:19:55.93 ID:iCrXxG7kO [11/22]
男「……ん?」スンスン
女「なんだよタカシ。クンクンするなよ、気持ち悪いな」
男「いや、なんかお前いい匂いするなと思って」
女「当然でしょ? ボクは毎朝、牛乳せっけんで洗顔して来てるんだから!」
男「そこで洗顔料を使わないところが非常にお前らしいよ」
女「それは野暮ったいって意味なのかな、うん?」
男「素朴だって言いたいんですよ。だからそんな怖い顔しないで」
女「ふん、誰がなんと言おうと、ボクは牛乳せっけんが好きなんだもん!」プィッ
男「うん。俺も牛乳せっけんの匂い……いや、梓の匂いが好きだな」
女「えー? なんかやだなぁ、それ。タカシって匂いフェチ?」
男「違うわ! 俺は梓の乳臭い匂いが童心に帰れて好きなの!」
女「ボクが乳臭いだってぇ!? それならタカシは爺臭いじゃん!」
男「俺はピッチピチの若者じゃい。どこが爺臭いか言ってみやがれ」
女「ボク知ってるんだぞ。タカシは冬場の寒い時期になると、五本指ソックス愛用してるって!」
男「な、なんでお前がそれを!?」
女「タカシんちのおばさんに教えてもらったんだよ。あーやだやだ、タカシの方から加齢臭がしてきそう」
男「うるさい、お前だってバックプリントにくまさんのパンツを未だに愛用してるクセに」
女「な、なんでタカシがそんなこと知ってるんだよ!?」
男「さーて、なんでですかねー」
女「タカシが人のぱんつを盗み見るような変態だとは思わなかったよ!」
男「おい、人聞きの悪いこと言ってんじゃねーぞ」
……以下、小一時間ほど無意味な口論。
407 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/28(土) 19:34:52.09 ID:iCrXxG7kO [12/22]
男「……」スンスン、スンスン
纏「なんじゃ、鬱陶しい。そんなに顔を近づけるでない」
男「ごめんごめん。なんか纏の方からいい匂いがしてきたからさ」
纏「匂い……あぁ、今日は髪に椿油をつけてきたからかの」
男「また珍しいことを。どうしたんだ?」
纏「父方の祖母から昨日送られてきての。母上が儂にも使えと譲ってくれた故、つけてみたのじゃ」
男「へぇ……いいな、椿油って。初めて嗅ぐけど、下手な香水より好きかもしれん」
纏「儂も、椿油の匂いは好きじゃ。日本人に生まれて良かったと思うわい」
男「こうしてると、なんか纏が椿の花の精霊にでもなったみたいだな」
纏「ずいぶん気障な言い方をしよる。ならば主は、花についた悪い虫じゃな」
男「虫かよ。なんかもっとマシなのはなかったのか?」
纏「そう言うでない。儂もたまには、悪い虫にたぶらかされてみようかと思うておるところなのじゃから」
男「そりゃあまた、酔狂なこって」
纏「初夏に咲く椿が、酔狂でないはずがあるものかえ?」
男「格好いい言い回しだな。さすが纏だぜ」
纏「ふふん。虫に誉められたところで、嬉しくなぞないわい」
男「俺はあくまでも虫ですか、そうですか」
422 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/28(土) 20:13:37.42 ID:iCrXxG7kO [15/22]
男「おいーす」ガチャッ
尊「!!」ババッ
男「あれ? 尊、お前一人か?」
尊「あ、あぁ。他の生徒会の連中は、所用で出かけていったぞ」
男「ふーん。てことは今から尊と二人きりか。なんか面白いハプニングでも起きないかな」
尊「私が冷静でいる限り何も起こらないから、そう思え」
男「なんだ、つまんね……ん?」スンスン
尊「どうした?」
男「なんか甘い匂いしないか?」
尊「(ギクッ)そ、そうか? 貴様の気のせいだろう」
男「いや、するぞ。特に尊の方から強く匂うような……」
尊「よ、よせ。来るな馬鹿!」
男「あっ。お前、机の下に何隠してるんだよ」
尊「……キャラメルだ。文句あるか?」
男「学校に菓子類の持ち込みはしちゃいけないんだぞ?」
尊「それくらい分かってる!」
男「普段素行のいい尊が、こんな地味な校則違反をしでかすなんて……」
尊「地味って言うな! 私だって、お菓子の一つや二つ持ち歩くんだぞ!?」
男「そんなキレなくても……じゃあ、黙っててやるからキャラメル一個くれよ」
尊「……ふん」ポィッ
男「ん、サンキュ」パクッ
尊「……」
男「なんかこうしてると、隠れて悪さしてたガキの頃みたいだな」
尊「私は昔から悪さなんかしなかったから共感できん」
男「でも、今なら出来るだろ? お菓子大好きな尊ちゃん?」
尊「ちゃん付けで呼ぶな!」
男「ははは……あー、キャラメルうめー」
尊「……」ブスッ
429 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/28(土) 20:50:43.46 ID:iCrXxG7kO [17/22]
男「うあー、あぢー……」
女「うるさいですよ、別府くん。作業に集中して下さい」
男「だってー、こうじめじめじめじめしてると、やる気なくなるよ……」
女「別府くんのやる気が無いのは、いつものことでしょうに」
男「こうまで暑いと本当にダレるよなぁ。服も汗ばんで気持ち悪いし」
女「確かに私も、梅雨はあまり好きではないですが」
男「ま、女の子の服が汗ばむのは大歓迎ですがね。ふひひ」
女「そういうことを、女の子自身の前で言うから別府くんはモテないんです」
男「いいもん。いいんちょ以外に好かれなくても平気だもん」
女「言いながら隣に座らないで下さい。暑苦しい」
男「でも、女の子からほんのり漂う体臭が好きなのって、俺だけじゃないと思うんだ」
女「そんなニッチなフェチズムを力説しないで。正直軽く引きますよ?」
男「例えば、いいんちょの体から仄かに立ち上る汗の香りとか、素晴らしいと思う」
女「私は臭くありません。失礼ですよ、別府くん!」
男「汗臭いのとは違うんだよ。なんつーか、美味しそうな匂いというか」
女「知りません! 早く席に戻って、作業して下さい!」
男「あーい。全くいいんちょはお堅いんだから……」
女「……」クンクン、クンクン
男「いいんちょ。今さら匂い気にしなくても」
女「し、してませんっ!!」
436 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/28(土) 21:19:07.59 ID:iCrXxG7kO [19/22]
女「赤ん坊ってさ、可愛いよな」
男「……どうしたんだ、かつみ。熱でもあるのか?」
女「ちげーよ……最近、兄貴夫婦がこっちに遊びに来てさ。俺も赤ん坊あやしたりしたんだよ」
男「なるほど。それで母性本能に目覚めたと」
女「なんつーか、手荒に扱ったらすぐに壊れちまいそうなクセに、ほにゃほにゃ笑ったりして可愛いんだよ」
男「かつみのそんな顔、初めて見るな」
女「お前も一度抱っこしてみろって。人生変わるから」
男「体育会系で乱暴者のかつみにそこまで言わすかね。すごいなぁ」
女「うるせぇ、乱暴は余計だ」
男「だからなのかね。なんかかつみから、赤ちゃんみたいな匂いするんだけど」
女「えっ?……そうか?」クンクン
男「何なんだろうなこれ。甘ったるいというか、なんか一種独特な」
女「あー、天花粉の匂いかねぇ?」
男「天花粉?」
女「ベビーパウダーのことだよ。そんくらい知っとけ無知無芸」
男「お前……そんな口悪いと母親になんかなれないぞ」
女「うるせぇよ。自分のガキより、まずはパパを躾てやらんと駄目だろーが」
男「その理論で行くと、俺がお前のパパになるな」
女「あっ……い、今のは単なる言葉の綾だからな!?」
男「まぁ俺も、良いパパになれるよう頑張りますわー」ハハハ
女「高笑いすんな! ムカつく!」
440 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/28(土) 21:40:34.62 ID:iCrXxG7kO [20/22]
女「……」カチャカチャ
男「おーす。何してんだちなみ」
女「……あ……タカシ……」
男「遊びに来たらガレージの方にいるって聞いたんでな。でも、マジで何してんだ?」
女「……見ての通り……バイクの点検……」
男「お前、そんなでかいバイクどうするつもりだ」
女「……お父さんが……高校卒業したら……くれるっていうから……」
男「乗るのか、そいつに。まず引き起こしとか絶対出来ないだろ、お前」
女「……それはおいおい……覚えればいいの……」
男「ふーん。顔真っ黒にしちゃって、そんなに楽しいか?」
女「……機械いじりは……女の浪漫……」
男「それは男の浪漫だろ。まぁ確かに俺も、機械油の匂いとか嫌いじゃないけど」
女「……中免取ったら……タカシも後ろに……乗せてあげる……」
男「そりゃありがたい。けど女の子の後ろってこっ恥ずかしいな」
女「……私がタカシを……どこにでも連れてってあげるの……」
男「そいつぁ楽しみだ」
女「……ふふ」
男「けどまずは、そのでかいバイクに乗って足がつくようにならなきゃな」
女「……そこに気づくな……馬鹿たれ……」
ここから599スレ
139 名前:【代行スレ549】 1/2[sage] 投稿日:2011/05/30(月) 02:14:14.62 ID:Z478F38F0 [2/9]
昨日の匂いシリーズの続き
男「あ」
女「ん?」
男「お前、朝飯魚だったろ」
女「なんでそんなこと分かるのよ?」
男「服から焼き魚の匂いがすんだよ」
女「あんた、鼻が良すぎでしょ。そんなの普通の人には分からないわよ」
男「いやいや、焼き魚の匂いって落ちにくいからな」スンスン
女「嗅ぐな、変態」パコッ
140 名前:【代行スレ549】 2/2[sage] 投稿日:2011/05/30(月) 02:16:32.82 ID:Z478F38F0 [3/9]
男「あいてっ…」
女「あーあ、ファブリーズでもしてくれば良かった」
男「体操服に着替えたらどうだ? そしたら匂いは回避できるぞ」
女「嫌よ。なんであんたしか分からないような匂いを気にして、一日ジャージで過ごさなきゃいけないのよ?」
男「いいじゃんかよ。持ってきてないなら俺の貸そうか?」
女「え? た、タカシのジャージ?」
男「おう。サイズはちょっと大きいだろうけど」
女「……。い、要りません! なんで私があんたのジャージなんか借りなきゃいけないの?」
男「なんか一瞬間が空いたような」
女「空いてないっ!」
158 名前:匂いシリーズの続き [] 投稿日:2011/05/30(月) 08:50:51.63 ID:MrJ5o5MbO [4/14]
女「こんばんは、タカシ」
男「あれ、リナ。どうした?」
女「別に、どうもしませんわよ。ただ無性にあなたの間抜け面が見たくてしょうがなくなりましたの」
男「会いたかったならそう素直に言えばいいのに」
女「せっかくこんな時間に会いに来てあげたというのに、その言い方はなんですの?」
男「はいはい。まぁ上がれよ」
女「お邪魔して差し上げます」
男「無躾な挨拶だな」
女「……」
男「……」
男「……で?お前何しにきたんだよ」
女「……何か気付きませんこと?」
男「は?」
女「私の違いに、何か気付かないのかと聞いているんです」
男「違い…? いつもと何か違ってるとこあるか?」
女「にぶちんですわね……匂いが違いますでしょう、匂いが」
男「ん……(スンスン)あ、本当だ。仄かに香水の匂いがする」
女「シャネルの五番ですわよ。庶民のタカシには一生涯縁のないものですわね」
男「はぁ。で、それを自慢したいがためにわざわざ家まで来たのか?」
女「自慢じゃありません!……ほら、何か私に言いたいことがあるでしょう?」
男「え? えーと……いい匂いだね?」
女「違います!」
男「似合ってるよ、もなんか違うしなぁ」
女「もう宜しいですわ。タカシなんかに期待した私が間違っていました」ハァ
男「そんな落胆するなよ……」
女(……マリリン・モンローみたいだねって、言って欲しかったんですのに)
206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/30(月) 19:37:12.60 ID:MrJ5o5MbO [11/14]
女「~♪ 出来たでー、タカシー」
男「お、今日の夕飯はお好み焼きか」
女「そやで。おかわりもいっぱい用意したからな?」
男「いい匂いだ。ソースの匂いって男の子だよな」
女「出た、井之頭五郎! ってうちにしか分からんボケかますな」
男「ノリツッコミとは流石だな、いずみ」
女「馬鹿やってんと、はよ食べ」
男「はーい。でもさ、個人的にソースの匂いって、男の子の匂いと言うよりいずみの匂いなんだよな」
女「なんなん、それ? うちが関西もんだからって馬鹿にしてるん?」
男「違う違う。おたふくソースって関東じゃあんまり見ないから、いずみのイメージで固まっちゃったんだよ」
女「まぁね。東のソースじゃうちの味は出せませんし?」
男「粉もの作らせたら日本一だな、いずみは」
女「粉もんだけかい!」
男「違うのか?」
女「気ぃきかんなぁ。『いずみの作る料理はなんでも美味しいよ』くらい言えへんの?」
男「あ、ご飯冷める。早く食っちまわないと」
女「って、なんでやねん!」ビシッ
男「……夫婦間でボケ殺しが通じるのって、俺んちぐらいだろうな」
女「そやな」パクパク
209 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/05/30(月) 20:08:10.92 ID:MrJ5o5MbO [12/14]
山田「……あ」
友「……」スゥ
山「友ちゃん、中庭で寝てたら先生に怒られるよ」
友「クゥ…クゥ…」
山「起きないや……まいっか、昼休みくらい」
友「……」
山「……友ちゃん。隣座るね」ペタン
友「……」
山「学校でこんなことしたら怒るけど、寝てるからいいよね」ナデナデ
友「……」ピクッ
山「友ちゃんの頭、いい匂いだなぁ。日だまりの匂いがする」
友「……」
山「ずっとこのままでいられればいいのに。ね、友ちゃん?」
友「……///」ポッ
山「あれ? もしかして友ちゃん、起きてる?」
友「……寝てます」
山「起きてるね? 絶対起きてるよね?」
友「……山田が恥ずかしい台詞を言っていたので目が覚めた」
山「やっぱり聞かれてたんだ」ポリポリ
友「……ナンパヤロー。キザなんだから、本当に」
山「そのナンパヤローの袖をつかんで離さないのは、どこのどなただろうか」
友「……うるさい」ギュッ
最終更新:2011年07月01日 09:39