23 名前:1/2[] 投稿日:2011/06/19(日) 22:25:46.35 ID:ZRi/Sm6YP [1/2]
占いを信じない委員長

『【今週の乙女座は恋愛運急上昇!!意中のあの人と急接近できるかも!
 週末はショッピングに出かけるといいかも!ラッキーアイテムは・・・】』
突然だが私は占いを信じない性格である。
星座占いもそうであるが、血液型占いなんてもってのほかで、
くだらないという言葉以外に付ける言葉が見つからない。
そんなことを私は学校に不要な物を持ってきた女子を見つけて、取り上げたティーン雑誌を眺めながら思った。
物思いにふけていると肩をトントンと叩かれ、振り返ると誰かの人差し指が頬に突き刺さる。
その誰かとは別府であった。
「うーっす、いいんちょ-・・・ってそんな風に睨むなよ」
『・・・なにか用ですか、別府君。』
「いや、特に用は無いんだけど。いいんちょはどこへ向かってんだ?」
『職員室。』
「俺は化学準備室に用あるから途中まで付いていっていい?」
『別に構いませんが。別府君、今更宿題を提出しに行くのですか。』
「宿題をやってきただけでもすごいと思って欲しいな」
『宿題とは期限内にやってこそ意味があると思うのですが。』
「まぁ確かに・・・ん?手に持ってるいいんちょらしからぬ雑誌は何よ?」
『これですか、これはとある女子から取り上げた物です。』
私は手に持っている雑誌を彼に見せながら言う。
「ふーん、あんまりやりすぎると、またいじめられないか?」
『前にも言いましたが、いじめられるよりも自分を曲げる方が嫌です。』
「そうだったな。その雑誌ってどんなこと書いてんだろ、ちょっと見てもいい?」
『構いませんけど一応借り物ですので汚さないようにお願いします。』

24 名前:2/2[] 投稿日:2011/06/19(日) 22:27:00.37 ID:ZRi/Sm6YP [2/2]
歩きながら私は雑誌を渡し彼はペラペラとページをめくり始める。
中身を見たいという割にはあまり興味がないようで、目を通すぐらいしか読んでなかった。
様子を眺めていると彼は巻末のページに目を走らせていた。おそらく私がさっき読んでいた占いのページだろう。
『別府君は占いが好きなのですか?』
「んーあんまり信じてないなー、なんかくだらないというかなんというか」
彼とは変なところで気が合ったりする。と職員室へ行く階段にさしかかった。
「んじゃ俺こっちだから」
『それではまた。』
階段に足をかけようとすると、後ろから呼び止められた。
「おっとそういや、いいんちょ週末暇?」
『急になんですか?・・・特に用事はありませんが。』
「いやちょっと買い物につきあって欲しくてな」
怪訝そうな顔をしてると彼は理由を話してくれた。なんでも妹さんへの誕生日プレゼントを買いたいらしい。
『そういうことなら付き合いましょう。』
「さんきゅー、詳しいことはまた話すよ。それじゃあな」
そう言って今度こそ本当に別れた。職員室へ向かう途中もう一度あのページを見てみる。
すこしは占いを信じてもいいかなと思ったりした。
最終更新:2011年06月24日 00:53