33 名前:1/5[] 投稿日:2011/04/15(金) 02:12:49.60 ID:qzdIiGij0 [6/10]
  • 外ではツンツンだけど家に帰るとお兄ちゃん大好きっ子になるツン妹

[あれ? 敬ちゃんじゃん]
『友子? どうしたんですか、こんな所で』
[えーっと、あたしは家の用事でおつかい頼まれただけなんだけどね。敬ちゃんは何? お
買い物デート?]
『は? 何で私がデートしてるなんて思うんですか?』
[だって、男の人と一緒だからてっきりそうだとばかり…… 違うの?]
『無論です。だって、これは私の兄ですから。兄妹でデートなんてあり得ません』
[ありゃま。お兄様でしたか。初めまして。私、敬ちゃんのクラスメートで友子って言います]
「あ、初めまして。敬子の兄のタカシです。宜しく」
[よろしくお願いします。そっか。彼氏じゃなかったか。でもいいな。お兄さんと一緒に
お買い物とか、ちょっと憧れちゃう]
『は? 何バカな事言ってるんですか。兄さんと買い物なんて、何にもいい事ないですよ。
すぐに飽きたとか音を上げるし、無駄に付いて来ていろいろと話し掛けて来るし、かといっ
て必要な時にはどこかに行ってしまうし、ホント、最悪もいい所です』
[フーン? じゃあ何で、仲良く一緒に買い物とかしてんの?]
『兄さんが車の免許持ってて、便利だからってだけです。でなきゃ絶対、こんなのとお出
かけなんてゴメンですから』
[あはは。キッツイなー、敬ちゃんは。いいんですかお兄さん。こんなのとか言われてますけど……]
「ああ、別にいいよ。慣れてるから」
[へー、スゴイ。大人なんですねー]
『友子。兄さんなんかと話してると、変な病気に感染するから止めた方がいいですよ』
[お? なになになに? ヤキモチですかぁ? 何だかんだ言って、お兄さんが他の女に
取られるのは嫌だとか]
『ハァ…… ホント、ゴシップ好きですね。バカも大概にして下さい。私は真面目に友子
の身を案じているんであって、こんなのにヤキモチなんて焼く訳ないじゃないですか。そ
もそも兄さんの事を好きになる女性がいるとも思えませんけど』
[ほう? 私の身を案じてくれるとはお優しいじゃないですか。いつもいろいろと文句ば
かりのクセには]

34 名前:2/5[] 投稿日:2011/04/15(金) 02:13:56.19 ID:qzdIiGij0 [7/10]
『そ、それは曲がりなりにも友子は女の子ですからね。かなりおバカでお調子乗りではあっ
ても、兄さん程はどうしようもない存在じゃないです』
[アハハ。褒められてんだか貶されてんだか……]
『別に。私は事実を率直に、ありのままに言ってるだけです。特に褒めてるわけでも貶し
てる訳でもないですけど』
[それはまたキツイな。まあいいか。あんまりお二人の邪魔しちゃ悪いし、そろそろあた
しは退散するとしますかね]
『ほら。またバカな事を。お邪魔も何も、兄さんと二人きりで辟易してた所ですから、ガ
ス抜き程度にはちょうど良かったですよ』
[う~ん。これまた微妙な表現だなあ。あたしってば、お兄さんよりちょっと評価高いだけなん?]
『私の知り合いの人間と言う意味では最低ランクですね。兄さんは人の域に入ってません
から。ゴキブリと同ラインです』
[ひっど~い。こんなにも敬ちゃんの事を心配している友子さんですよ? 友達として、
もうちょっと評価してくれてもいいんじゃないかなあ]
『人の事からかうだけからかって、都合のいい時だけ利用する人が何言ってるんですか。
私に評価を上げて欲しかったら、もう少し友達らしい事をして下さい』
[聞きました? お兄さんも、兄として友人を大切にするように妹さんに言ってあげて下さい]
「ハハハ。まあ、でも兄として言えば、口は悪いけどそれだけ気軽に物が言える仲だって
言う事だと思うんで、多分口で言うほど悪くは思ってないはずですけどね」
[ホントですかねぇ?]
『兄さんの適当な言葉に騙されちゃダメですからね。友子』
[いや。いっそお兄さんの言う事の方が真実であって欲しいなーなんて]
『それはあり得ません。友子が友子であり続ける限り』
[うはははは。きっつー。ま、それが敬ちゃんらしいんだけどね。じゃあ、私はここいら
で。それじゃあお兄さん。失礼します]
「あ、それじゃあ。これに懲りずに、妹と仲良くしてあげて下さい。お願いします」
[はい。それはもう。なんせ、敬ちゃんと一緒にいると楽しいですから]
『私は迷惑ばかりですけどね』
[またそんな事を。じゃ、また学校でね]
『はいはい。どうせ嫌でも会うんですから』

35 名前:3/5[] 投稿日:2011/04/15(金) 02:14:37.59 ID:qzdIiGij0 [8/10]
「ふーん。結構可愛い子だな。お前の友達も」
『何言ってるんですか兄さんは。ホント、ちょっと可愛い子なら誰にでも目が行くなんて、
変態なんですから』
「いや。男としてはむしろ普通だろ」
『兄さんは特別です。いいですか? もし、友子に声を掛けでもしたら、許しませんからね』
「はいはい。まあ、心配しなさんなって。な?」
『一応言っときますけど、私が心配してるのは、兄さんじゃなくて友子ですからね? 勘
違いしないで下さいよ?』
「はいはい。じゃあ、とっとと買い物済ませて帰ろうぜ」

~そして、家~

「ただいま~っと。ハァ……疲れたぁ……」
『兄さん……』
 ギュッ……
「おいおい。まだ玄関だぞ。抱きつくにはちょっと早いだろ」
『だって……ずっと兄さんの傍にいたのに、全く触れなかったんですよ? もう、我慢の
限界です……』
「やれやれ。いつもの事だけどさ。どうして敬子って、家と外でこんなにも態度違うんだろうなあ」
『そ、それは……外でこんな事したら、絶対おかしいじゃないですか。私達、兄妹なのに。
こういう時って、大抵は男の人が悪者になりますから。私、兄さんが他人から変態だと思
われるなんて嫌です』
「自分では思いっきり言ってたじゃん」
『私は、心の中ではたっぷり愛情込めてますよ。こんな風に』
 スリスリ……
「分かったから、頬を背中でスリスリすんなって。というか、後ろから抱き締められてた
ら、玄関に上がれないだろ? そろそろ離れてくれよ」
『嫌です。まだ兄さん分が満喫出来ていませんから、離れたくありません』
「ハァ…… やれやれ。家で甘えてくるのは嬉しいけどさ。外でも、この十分の一くらい
は甘えを見せてくれてもいいんじゃないか? それくらいなら、変な目で見られないだろ」

36 名前:4/5[] 投稿日:2011/04/15(金) 02:15:18.81 ID:qzdIiGij0 [9/10]
『いやでーす』
「また明るく否定したな」
『だって……第一に、私が恥ずかしいんですから…… その代わり、家では私は兄さんの
モノですから。それじゃダメですか?』
「全くしょうがないな…… とにかく、ちょっとでいいから離れてくれ。これじゃあ、休
もうにも休めん」
『どうして兄さんは私に冷たいんですか? 外で冷たくしたから、その仕返しですか』
「違うって。じゃあ、ほんのちょっとだけ。向き変えるからさ。お前も、背中より向かい
合いの方がいいだろ?」
『う…… じゃあ、ちょっとだけですよ?』
「ああ。それと、ヒールは脱いどいてな」
『え? まあいいですけど…… 何でですか?』
「それは、こうするから――よっと」
『キャッ……キャアッ!?』
「どした? 抱っこは嫌か?」
『嫌なわけないじゃないですか。でも、いきなりだなんて酷いです。ビックリしたじゃな
いですか、もう』
「ハハハ。ゴメンゴメン。さっきの姿勢じゃ埒が明かないからさ。これなら、敬子をリビ
ングまで連れて行けるだろ?」
『ダメです。リビングは』
「え? だって、一旦荷物も片付けなくちゃいけないし。その間に、敬子にお茶でも淹れ
て貰いたいなーなんて思ってたんだけど」
『そんなの後ででもいいじゃないですか。最初は、私の部屋で、その……』
「マジか? 帰って来てすぐなのに?」
『だってもう……兄さんを一度抱き締めちゃったら、最後までしないと……満足出来ませんから』
「全く、しょうがない甘えっ子だな、敬子は。じゃあ、部屋まで行くぞ」
『はい、兄さん』
「ところで、さっきのお前の友達……友子さんだっけ?」
『友子ですか? どうしたんですか兄さん。もしかして本当にちょっと気になったりしてません?』

37 名前:5/5[] 投稿日:2011/04/15(金) 02:16:02.73 ID:qzdIiGij0 [10/10]
「ああ、いや。心配になってさ。せっかく友達なのに、あんなに言って良かったのかって」
『ええ。それは、兄さんがさっき言った通りです。分かり合えてる親友だからこそ、ああ
して悪口も言えるんです』
「でも、本当にいいのか? お前はそう思ってても、向こうに伝わってなかったら……」
『大丈夫ですよ。何度言っても、懲りずにいっつも絡んで来るんですから。私も楽しんでますし』
「そっか。まあ、それなら安心だな」
『それより兄さん。友子は大切なお友達なんですから、くれぐれも浮気とかしないで下さ
いね。私は友子と兄さんを取り合うなんてしたくないですから』
「それは大丈夫だよ。俺は敬子以上に美人でしかも甘えん坊の女の子はいないって思ってるからな」
『あぅ……甘えん坊とか、言わないで下さい……』
「こんなにしっかりしがみ付いてきてるのに、甘えん坊じゃないわけないだろ? さ、部
屋に着いたぞ。ベッドに下ろすからな」
『はい、兄さん』
「よいしょっと。全く、大きな子供だったなあ」
『兄さん……』
「ん? どうした、敬子」
『チュッ……』
「ん……んんっ……」
『プハッ…… ふう……兄さん……もっと……キス……いっぱいして下さい……口だけじゃ
なくて……体中……いっぱい……』
「おいおい。まだ着替えてもいないじゃん。化粧もしたままだし」
『ダメなんです……もう、体が火照って……我慢出来ません……』
「しょうがないなあ。じゃ、いっぱい可愛がってやるとするか」
『はい、兄さん。いっぱい……愛して下さい……』


終わり
うん。どう見てもデレ分強過ぎです。
最終更新:2011年04月24日 20:23