220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/07/04(月) 18:54:46.31 ID:GGfUg87+0 [1/2]
下校時刻、昇降口。
『む……』
「どうした?」
『雨……』
「降ってるな。朝の予報じゃ50~60%って言ってたし、可笑しか無いと思うけど。まぁ、賢明な千奈美が傘を持ってないなんてことが……」
『ある……』
「マジで? なんでまた。天気予報見忘れたとか?」
『見た……。見た上で、持って来なかった……だけ。……迷いは、した』
「そ、そっか。まぁ邪魔だしな。そんでどうすんのさ」
『……?』
「いや、どうやって帰るのかなと」
『……一つだけ、濡れずに帰る方法がある』
「……そ、それは?」
『じぃ~……』
「口で言うな口で! 分かったよ、入れてけばいいんだろ?」
『勿論。……悪い、ね……。無理やりみたいで……』
「ホントな! お前の家が途中で良かったよ! ……もし逆方向でも確実に同じだろうけど」
『……何か?』
「い~え別に! ほれ、さっさと入ってくれ。恥ずかしいなクソ」
『こっちは……恥ずかしいを通り越して…………死にそう』
「し~ましぇ~んねっ!」
『(死にそうなくらい……どきどきする。……迷ったけど……これで、良かった)』
「あ~もう、明日から周りの目が怖いぞ」
『周りの…………。……っ!?』
「なんだよ今更か」
『う、ぐ……! し、仕方ない……。選択に、犠牲はつきもの……』
「不精するからそうなるの」
『ぶ、不精じゃない……!』
「だったらなんなのよ」
『そ、それは………………。う、うるさい……! 君は、黙って傘を持ってればいい……の……!』
最終更新:2011年07月07日 15:52