299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/19(火) 01:56:04.69 ID:GuMtqBdpO [3/15]
女「……」ギューッ
男「どうした。今日のハグはやたら強めだな」
女「……タカシに……私の疲労を……移そうかと……」
男「要するに疲れてんだな?」
女「……そう……疲れたの……人生に……」
男「人生に疲れるような歳かよ」
女「……タカシの相手をすると……気力を激しく消耗する……」
女「……だから……タカシには私の疲れを癒す……義務がある……」
男「屁理屈こねてるけど、要は俺に抱っこされたいんだな?」
女「……なんで……そうなる……?」
男「だってお前、俺にすり寄ってきた後は元気出たーって顔してるじゃん」
女「……それは……タカシの……気のせい……」
男「そうか。じゃあもう俺が抱っこしてやらなくてもいいな?」
女「……そうは……言ってない……タカシの……屁理屈屋……」
男「俺が屁理屈屋ならお前は頑固者だよ」ギューッ
女「……んっ」
300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/04/19(火) 02:15:45.11 ID:GuMtqBdpO [4/15]
女「だぁー、疲れたー!」
男「どうだった、結果は?」
女「個人一位、団体二位の総合優勝だ」
男「マジでか、やったな!」
女「ま、俺が出るからには当然だけどよ。さすがに終日動きっぱで疲れたぜ」
男「お疲れさん。先に風呂入るか?」
女「の前に、やることあんだろ?」
男「おう、飯の用意も出来てるぞ」
女「じゃなくて!!」
男「ん? あと他になんかあるか?」
女「……今度のインハイで優勝したら、ギュッてしてくれるって約束したじゃねーか。忘れやがったのか?」
男「ははは、本当は覚えてたけど、かつみの口から言うまで黙ってたんだよ」
女「テメッ……」
男「あー、許せ許せ。ほら、お待ちかねのギューッ」
女「ふぁっ……」
―――むぎゅっ
男「どうだ。疲れ取れたか?」
女「……この程度で取れる疲れじゃねーよ」
男「じゃあもっとか?」
女「当たり前だ」
男「当たり前、か。かつみは甘えん坊だな」
女「気持ち悪い言い方すんな、馬鹿」ギュッ
361 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/19(火) 21:12:13.77 ID:GuMtqBdpO [10/15]
尊「はぁ……」
男「どうした。ため息なんかついて」
尊「別に……」
男「別にって感じじゃねーぞ。なんかあったのか?」
尊「大したことはない。春の陽気にやる気が削がれてるだけだ……」
男「あぁ、分かる分かる。こうまで温かいと何に対してもやる気出ないよな」
尊「貴様と話す気力もない……ほっておいてくれ……」
男「重症だな、それなら尊に元気が出るおまじないかけてやろっか?」
尊「おまじない……?」
男「うん、ほら」ギュッ
尊「!?」
男「元気出たか?」
尊「や、止めろ! 何をする!」ドンッ
男「いってぇ!」
尊「どこが元気になるおまじないだ!
お前はただ私に触りたいだけだろうが!」
男「元気になってんじゃん。それでこそいつもの尊だ」
尊「あ……ふ、ふん! これは貴様の馬鹿さに呆れただけだ!」
男「頑固だなぁ」
尊「……だが、気の入らない私に渇を入れてくれたという意味では、礼を言ってやる」
男「そんな礼いらんわ」
363 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/19(火) 21:38:13.47 ID:GuMtqBdpO [11/15]
纏「ふにゃ……」
男「おぉ、なんだこれ。纏がふにゃふにゃになっとる」
纏「何か知らんが力が入らぬ……」
男「酒でも飲んだのか……ん?」
【マタタビ粉】
男「まさか、これが原因か?」
纏「さっき興味本意で匂いを嗅いだが、それかの……」
男「これしかないだろ。お前は猫か?」ナデクリナデクリ
纏「あうぅ……ぐりぐりするなぁ……」
男「弱ってる纏なんて珍しいんだろうよ。そりゃぐりぐりもするわ」
纏「儂は主のぺっとではない……うぅ……」
男「抵抗する力もか弱い……いつもこうだったらいいのに」
371 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/19(火) 22:33:15.40 ID:GuMtqBdpO [13/15]
女「はぁ……最近なんだか疲れが取れませんわ」
男「なんでだ? なんか忙しいのか?」
女「つまらない用事ですわ。父の友人の息子様と、度々顔合わせさせられますの」
女「おかげで気疲れするやら、体力を消耗するやらでもう……」
男「そんなもん、断っちまえよ」
女「父の体面を潰す訳には参りませんもの。それに……どうやら父は、
ゆくゆくはお互いの子供同士で、お家の跡取りをさせたいようですわね」
男「マジかよ。それって、許嫁って奴か?」
女「そうなりますわね」
男「……そっか。でも、そこにリナの意思がないなら、俺は断固反対すべきだと思う」
女「心配しなくても、あんな空気の読めないお坊ちゃまは私もお断りですわ」
男「あ、そう……なんか心配して損した」
女「それに……私の心は、何年も前からたった一人の殿方のものですもの」
男「えっ……」
女「何を呆気に取られておいでかしら。それがタカシとは、一言も言っていなくてよ?」
男「いや、でも話の流れ的に……」
女「これだから自意識過剰な一般市民は嫌ですわ。もっと自分の器を知りなさいな」
男「はぁ……まぁ、言うほど疲れてなさそうで良かったわ」
374 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/19(火) 22:56:29.77 ID:GuMtqBdpO [14/15]
女「タカシー、疲れたよー! もう歩きたくなーい!」
男「お前が一緒に出かけるって言ってきたんだろが。ワガママ言うな」
女「だって、こんな遠出するとは思わなかったんだもん! タカシだって、
ボクが一緒に来るって分かってたんだから、行き先くらい考えろよな!」
男「なんでお前の都合に合わせて俺の予定を変えにゃならん」
女「ねー、今ならおんぶしてくれたら許してあげるからー」
男「許されなきゃならんことなんかしてない」
女「ケチ! いいもん、おんぶしてくれなきゃここから動かないから!」
男「どうしたらそんか子供じみたワガママ言えるんだか。分かったよ、ほら来い」
女「やった!」ピョン
男「軽っ! お前体重軽過ぎるだろ」
女「えへへ……タカシの背中おっきー」
男「これでお前にもう少し胸がありゃ、役得なんだけどなぁ」
女「そう言うなって。十年後には超グラマーな美人になっててやるからさ」
男「お前は十年後も俺におぶわれてるつもりか」
376 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/19(火) 23:09:07.07 ID:GuMtqBdpO [15/15]
女「あ……」フラッ
男「おっと。大丈夫か? かなみ」
女「うん、平気……軽い貧血……」
男「無理するな。保健室つれていこか?」
女「平気だってば……いつまで私にひっついてるつもりよ」
男「かなみの体調が戻るまでは、こうしてるつもりだけど」
女「……あ、なんか心臓までバクバクしてきた……」
男「動悸までするのかよ。こりゃいよいよ保健室だな」
女「……ううん、こっちの原因は分かってる」
男「へ?」
女「あんたが離れてくれたら、すぐに治るわ」
男「……? そこまで言うなら無理に支えはしないが」
女「待って。やっぱり保健室までつれてって」
男「おいおい、俺は着くか離れるか、どうすればいいんだよ」
女「どっちかと言うと、今は離れてほしくない……かな」
男「なんだそりゃ」
406 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/04/20(水) 02:13:18.17 ID:6r22bTubO [1/23]
女「ふぅ……」コシコシ
男「お、委員長が眼鏡とってる。珍しい」
女「少し細かい字を見すぎたみたいです。目がショボショボしてそろそろ限界です」
男「疲れ目か。休憩でもしたらどうだ?」
女「別府くんに言われなくても、そうするところですよ」
男「そうか……隙あり!」
女「あ!」
男「委員長の眼鏡いただき!」
女「こら、イタズラは止めなさい!」
男「うわ、この眼鏡度がきっつ! なんも見えねー」
女「当たり前でしょ! 早く返してください」
男「やだ。だって委員長、眼鏡外した方が可愛いんだもん」
女「そんなはずないじゃないですか。冗談は顔だけにしてください」
男「本当だよ。委員長可愛いよ可愛いよ」ナデナデ
女「おでこを触らないで! どうして別府くんはそうやって、
人のコンプレックスにばっかり触れるんですか!?」
男「おでこも眼鏡もコンプレックスなのか? 似合うのにもったいない」
女「たった今眼鏡を外した方がいいと言ったのに、前言を翻すのが早すぎです!」
男「眼鏡をつけても外しても可愛いんだから、別に矛盾してないよ?」
女「う……べ、別府くんに可愛いなんて言われても、嬉しくもなんともありません!」
男「へぇ、何度言われても平気なら何度でも言っちゃお。委員長可愛いよ可愛いよ大好きだ」
女「う、うぅぅ~……何ですかこの羞恥プレイは……」
男「~♪」ナデナデ
最終更新:2011年04月24日 20:46