100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/07/14(木) 22:50:25.01 ID:UuyfecAJ0 [2/5]
- 私はこいつが嫌いだ-
- 私が一番欲しいものを持っている-
- 私はこいつが嫌いだ-
- 僕は自分が嫌いだ-
- 友人や恋人は素直だと言ってくれるが、その『素直』が嫌いだ-
- その素直は時に相手の心に傷痕を付けて遠ざけ、自分の心に傷痕を付ける-
- その『素直』さを変えようと何度も思ったが変わらなかった-
- 僕は『素直』を自分を変えたい-
- 僕は自分が嫌いだ-
始めはただの好奇心だった。その人は毎日色々な顔をしていた。
怒った顔泣きそうな顔淋しそうな顔困った顔笑った顔。
そんな顔をもっと近くで見たいと思い気がつけば話しかけていた。
そして何かがきっかけだった訳では無いがいつの間にか好きになっていた。
だから……
「どうしたのよ。人の顔見ながらボーっとして……///」
「いや君と出会った時のことを考えていた。君は覚えているか?」
「えーっと確か図書館だったっけ?」
「うむ。君が借りようとしていた本を僕が借りていたのがきっかけだったな。」
「あの頃はあんたいつも本ばっかり読んでたわね、授業中も休み時間も。」
「知っていたのか?嬉しい事実だな。」
「べ、別にあんたが気になって見てたとかじゃないからね!!///」
「いや、気になっていたとは言ってないぞ?だが気にしていてくれたのか、ありがとう。」
「そ、それは……///」
「あの頃は君と恋人になるなんて思ってもいなかった。」
「そうなの?」
「あの頃は君の顔を見れるだけで満足だったからな。」
「君に恋をしているなんて考えもしなかった。」
101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/07/14(木) 22:50:57.78 ID:UuyfecAJ0 [3/5]
「こ、恋!?///」
「君は可愛いな。すぐに表情が変わる。」
「その時はただそんなに表情が変わる人はどんな人なのかと思って話しかけたんだ。」
「君の借りたい本を僕が借りていたのはただの偶然だったがな。」
「その偶然を利用して君に近づいたんだ。」
「その台詞だけ聞くと悪役ね……。」
「そうかもしれないな。さながら君を困らせる悪魔といったところか?」
「もしかしてだけど……いつもわざとやってたの……?」
「どうだろうな?」
「あんたって……。はぁ。その素直さがちょっと羨ましいわ……。」
「そうなのか?僕は嫌いだな。」
「どうして?あんたの良いところじゃない。」
「皆が長所だと言ってくれるが、そんなにいいものじゃないぞ。」
「人の心を土足で踏み込んで傷痕を付けてしまう。こんな自分が僕は嫌いだ。」
「人を傷つけるだけじゃないでしょ?」
「それはそうだが、やはり傷つけることが多いからな。」
「そ、その、私は、き、嫌いじゃ無いわよ///そ、その好きな部類に入るかも……///」
「ありがとう。君は優しいな。」
「い、一応私のか、彼氏なんだからもっと自信を持ちなさいっ!!///」
だから、彼女が良いところだと言ってくれた素直を好きになりたい。
102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/07/14(木) 22:52:06.12 ID:UuyfecAJ0 [4/5]
- 僕は自分が嫌いだ-
- 人に傷痕を残す『素直』が嫌いだ-
- でも彼女が好きだと言ってくれた『素直』を変えたい-
- せめて傷跡じゃなくコンクリートに残った猫の足跡ぐらい柔らかいものに-
「ちょ、ちょっとどうしたのよっ!?いきなり泣き出してっ!?」
「何でもない。少し君の優しさに涙が出ただけだ。」
「やはり君を好きでいて良かったと今心から思えるよ。」
「ちょ、ちょっとっ!!///い、いきなり恥ずかしいこと言わないでよっ!!///」
「ふふっ。すまない。しかし君は可愛いな。」
「やめてって言ってるでしょっ!!///」
- 私はこいつが嫌いだ-
- 私に無く一番欲しいものを持っている-
- 私はこいつが嫌いだ///-
最終更新:2011年07月19日 01:59