293 名前:1/3[] 投稿日:2011/07/23(土) 13:40:02.54 ID:bNTqzS4g0 [4/10]
『あっつー……ちくしょう……』
「あれ…… カナタ君!! ど、どうしちゃったの? その右ひじ。真っ赤になっちゃっ
てるじゃん」
『お前はどっからでも現れるな…… ちょっと体育の授業で転んで擦りむいただけだっ
て。気にすんな』
「そんな事言われても、カナタ君の体の事だもん。気になっちゃうよ」
『いーから。お前が絡むとどっちかっつーと、ロクな事になんねーからさ。ほっといてくれよ』
「ダメだってば、ほっといちゃ。傷口からばい菌が入ったら、化膿して膿んじゃったり
するかもしれないじゃん。ちゃんと手当てしないと」
『いや。話かみ合ってないし。お前に構うなって言ってるだけで、別に傷口をほっとく
訳じゃねーし。今から保健室行くんだから、心配すんな。お前はさっさと教室戻れ』
「転んで擦りむいちゃったなら、もしかして傷口に砂とか入ってるかもしれないから、
ちゃんと洗った方がいいよ」
『分かってるよ。いちいちうるせーな。一応、こけてからすぐに水道で洗ったって。後
は保健室で手当てして貰うから』
「ね。傷口、私にもちょっと見せて」
『バカ。お前なあ。見せもんじゃないんだから、興味本位で見ようとすんなよ』
「興味本位なんかじゃないよ。ちゃんと心配して言ってるんだから。ほら」
グイッ!!
『イテッ!! 無理矢理見ようとすんじゃねーよ』
「うっわー……物の見事に赤く皮膚が見えちゃってるね。血はほとんど出てないみたい
だけど、痛そー……」
『そんなジロジロ見んなよ。こっちは迷惑なだけなんだからな』
「あ、やっぱりちゃんと洗った方がいいよ。少しだけど、砂粒付いてるもん。水だけじゃ
流し切れてないんだよ」
『マジかよ。結構流したんだけどな。まあ、でも見て確認した訳じゃないから、ちょっ
と残ってたのかも知れないけど。あとは消毒液つける時でも拭い取るしかねーか』
294 名前:2/3[] 投稿日:2011/07/23(土) 13:40:23.06 ID:bNTqzS4g0 [5/10]
「ね。私が傷口を綺麗にしてあげようか?」
『お前が? いや、いーよ。何かロクでもない事しでかしそうだし』
「大丈夫だって。変な事しないからジッとしてて。はむっ!!」
『あいてっ!? ちょ……おまっ!! 何してんだよ? いててっ……』
「ちゅばっ……ちゅ……ん……」
『止めろってバカ。汚ねーし、それにその……人に見られたらどうすんだよ』
「…………ん…………ちゅ……」
『お前な。人の話をちょっとは聞けってば。おい』
「ぷはっ!! 何か緊張しちゃって、鼻呼吸まで止めちゃったから苦しかったぁ……」
『孝美っ!! お前、いきなり何やってんだよ? 人の傷口に口つけるとか、何考えて
んだっての』
「言ったじゃん。綺麗にしてあげるって。ちょっと待って。今、確認するから」
『綺麗にって……あのな。だからって、別に口で舐める必要なんてないだろが』
「うん。よし、ちゃんと取れてる。多分、皮膚に張り付いちゃって水じゃ洗い流せなかっ
たんだね」
『だから、無視すんなよ。俺の話をちゃんと聞けって言ってるだろ?』
「聞いてるよ。だって、唾液って殺菌とか消毒もするんでしょ? だったら、普通の水
より、舐めて綺麗にした方がいいかなって。カナタ君、自分じゃ届かないでしょ?」
『いや。そうだけどさ。だからって人に断りもなくいきなりやるなよ』
「だって、断ったら絶対カナタ君嫌だって言うもん。言うだけじゃなくて抵抗するし」
『分かってんなら、何で俺が嫌がることをすんだよ?』
「カナタ君が本気で嫌がってるなら、しないよ。でもカナタ君の場合はそうじゃないと思うから」
『バ、バカッ!! 俺が本気で嫌かどうかなんて、お前が勝手に決めんなよな。そんな
のお前に分かるわけねーだろが』
「分かるよ。本気で嫌なら、あんな風に大人しくしてないもん。それと、今、ちょっと
照れてるって事も」
『誰が照れてるって言うんだよ!! ふざけた事ばかり言ってると叩くぞ』
295 名前:3/3[] 投稿日:2011/07/23(土) 13:41:44.74 ID:bNTqzS4g0 [6/10]
「暴力はんたーい。カナタ君って、いっつもポンポンポンポン叩くんだから。手加減し
てくれてるのは分かるけど、それでも結構痛いんだよ? 私だって女の子なんだから、
もっと優しく扱ってくれなきゃ」
『あー。俺だってそうしたいけどな。お前がふざけた態度ばっか取るから、ついつい手
が出るんだよ。叩かれたくないなら、まずは自分の日頃の行いを見直せ。大体、女の子
だって言うなら、いきなり男の傷口に口付けたりすんな』
「それはカナタ君だからだってば。大丈夫。私、カナタ君の為だったら、何でもするから」
『そういう事を軽々しく口にすんなって。お前のような頭の軽い女が、盲目的に男に夢
中になってだな。挙句の果てに金も体も良いように使い捨てられるんだからな』
「カナタ君はそういう事しないって、信じてるもん。だから大丈夫」
『ああ、もうっ!! と、とにかく俺は保健室行くから、お前はさっさと授業行け。も
う始まってるだろ』
「待ってよ。私も一緒に保健室行くから!!」
『ついてくんなって。うっとうしいから』
「ヤダ!! 行く!! カナタ君がダメだって言っても絶対ついてくもん!!」
『あー……もう、勝手にしろよ。後で怒られてもしらねーからな。俺は』
~一方、教室では~
先生「おい。誰か別府の奴知らんか……? 係だから、授業に使う資料を取りにやらせ
たんだが……(怒)」
終わり
最終更新:2011年07月24日 23:12