25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/07/29(金) 10:36:22.29 ID:u/bJWgz60 [1/2]
「…あら兄さん、帰ってたんですか」

「ヘイ妹、実の兄がご帰宅したんだ。せめて玄関まで出向いて「お帰りなさい」の一言くらい欲しいもんだがね」

「なに自惚れてんですか気持ち悪い。そんなことするくらいなら自害しますよ、私」

「年頃の女の子が自害とか言うんじゃない。…ん、何見てんだ?」

「昔のホームビデオです。探し物してたらたくさん出てきたので、つい」

「おお、お前が小学校上がった頃のか。懐かしいな…」

 ~~

『おかーさん!おかーさーん!』

『はいはい、どうしたの?』

『あのね、おにーちゃんまだ帰ってこないの?』

『そうねぇ。お兄ちゃんは上級生だから、もう少しで帰ってくるわよ』

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/07/29(金) 10:37:11.58 ID:u/bJWgz60 [2/2]
『あたしねー、おにーちゃんに「おかえりなさい」っていいたくて、ずっと待ってるのー!』

『あらあら、さっきから玄関から動かないと思ったら…本当に、あなたはお兄ちゃんが好きなのね』

『うん!あたしね、おおきくなったらおにいちゃんのおよめさんに』ブツッ

~~

「………停止ボタンを押す手が早いな、妹よ。俺は続きが見たいんだが」

「嫌です、駄目です、絶対に許しません。このテープは私が責任を持って燃やします。なかったことにします。
 ええそうですとも、あんな悪夢のような思い出は無かったのです。私が兄さんのお嫁さんになりたいとか全ては電波の妖精さんのイタズラなのです」

「ヘ、ヘイ妹よ、時に落ち着け」

「……兄さん」

「なんだ」

「いままで、お世話になりました」

「…っ!?ちょ、待て妹!自害すんなーーーっ!」
最終更新:2011年08月05日 16:38