293 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/07/31(日) 16:30:56.65 ID:NUG4wRzK0 [19/43]
 ここはみんな大好き、私も大好き「正義の味方☆ろりぃた仮面」のアジトである。
 研究者を営む別府博士とひょんなことから正義の味方に選ばれてしまった少女まといちゃんは、ここで日々悪の戦いに備えているのだ!
 この日もまといちゃんは悪との熾烈な戦いに辛くも勝利し、アジトに戻って来たんだぞ!

「…纏、話って…なんだ?」
「…うむ、来たか…話というのはほかでもない」
「………」
「儂は、この「正義の味方☆ろりぃた仮面」を…今日こそ辞める!」
「なっ…!?何を言うんだ纏!」
「うるさいっ!なぁにが正義の味方じゃ、この幼女趣味変態メガネ!
 儂も数えで16じゃぞ!?一昔前なら婿を迎えるような年になるというのに、こんなひらひらの服を着て悪と戦っとる場合か!?」
「ち…違うだろう!?正義は年齢で決まるものじゃない、心に正義がある限り、君は立派な正義の味方なんだ!」
「そんな理屈に騙されるか!大体「正義の味方」まではいいわい、なんでその後「ろりぃた」が続く!?
 いくら儂がカタカナが苦手でも流石に理解出来るわいこの陰険科学者!」
「わ、分かった。確かにこの名は、君が幼いころに俺が名付けたものだからな…だけど、新しい名前を考えるから、辞めるのは…っ!」
「不満はそれだけじゃないわい!服、武器、移動手段、全体的にお主の作るものは儂の趣味と逆行しとるんじゃ!
 あのひらひらの服とぴかぴかの武器を持って人前で戦い続ける儂の気持ちになった事あるか!?
 幼いころならまだ似合っとったが、それにしてもあの手の衣装は小学校高学年あたりが限界じゃろうがっ!」
「いや、俺は反則的に可愛いと…」
「…っ!(////) い、いや、その感覚がいかんと言うておるのじゃっ!大体、儂はもっとこう、落ち着いた和様のものが好みだと言うのに…
 こんなひらひらは儂の性に合わん!」
「そんな!せっかくパワードスーツの改良版を作ったと言うのに!」
「…どんなんじゃ」
「こんなんです」(露出40%UP!)
「ふがーーーーっ!」ビリビリビリッ!

295 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/07/31(日) 16:31:45.66 ID:NUG4wRzK0 [20/43]
「ああっ!徹夜三日の結晶がっ!」
「ええいもういいわい!お主と話しても埒が明かん!正義の味方は勝手にやっとれ!」
「ま、待って!待ってくれ、纏!」ギュッ
「ふあっ! …や、やめっ、離さんか馬鹿者っ!」
「…確かに、俺も気遣いが足りなかったかもしれない。正義の看板を一人で背負う纏の事をもっと考えてやるべきだった。
 でも、纏はたった一人しかこの世に居ないんだ!俺の大切なヒロインなんだよ!
 世界を魔の手から守れるのは君しかいないんだ…頼むよ、もう少しだけ、俺に付き合って世界を救ってくれよ…っ!」
「……くっ…」
「…なあ…っ!」
「と、とりあえず離せ…」
「……纏」
「…わ、儂も少し言い過ぎたかもしれん。いきなり「辞める」というのはその、短絡的だったかもしれんな…」
「え…?じゃ、じゃあ!」
「うむ、お主の言う事にも一理ない事はない…今後気をつけてもらえるなら…まあ、続けてやってもよいぞ?」
「纏ぃ…っ!ありがとう!」
「こ、こら、抱きつくなと言うておるじゃろうが!」
「はは、ごめんごめん。…あっ!そうそう、忘れてたけど、新しいアイテムが完成したんだよ!」
「ほほう。一応聞いておくが、また年甲斐もないような造りになっとるのではないだろうな?」
「大丈夫大丈夫。ほら、これ見て」
「どれ、見せてみろ。 ………なっ!?」
「可愛いデザインでしょう。「マジカル☆ステッキ」って言うんだけど、ここのところを押すと光って……」
「……………やっぱり辞めてやるーーーーーーーっ!」
「纏ーーーっ!?」

 この二人がいる限り、世界は平和なのだ!
 …いろんな意味で!
最終更新:2011年08月05日 16:56