24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/07(日) 13:43:09.75 ID:RKybwYaB0 [1/10]
前スレで途中まで投下したやつ、また最初から投下します
「勝美との出会い」
その1
俺のクラスには勝美という女がいる、といっても話したことすらない、というか話せない
理由はそう…怖いから、いやもう超有名な不良らしくてですね、他校の生徒とケンカするの
なんて日常茶飯事、このあたりじゃもはや敵なしのつわものだ
そんなのに目をつけられたら命がいくつあっても足りないので、なるべく関わらないようにしている、いや…してた
どういうことかと言うと俺は生徒会の庶務でして、庶務といえば俗にいう雑用でして、うちの生徒会長はえらく真面目でして、
もっというと不良が大嫌いという性格の会長でして、ついに先日…
尊「おまえのクラスのあの不良をなんとかしてこい」
とか言うんですよ、もちろん俺は死にたくないから
タ「俺にできるわけないだろ、みk…会長がなんとかしてくださいよ」
と剣道の達人である会長に言うんだけど
尊「すぐにわたしを頼るのが貴様の悪い癖だ、自分のクラスの面倒くらい自分で見ろ!」
タ「そんな無茶な…俺が死んでもいいって言うんですか!」
尊「いいわけないだろ!わたしだっておまえにこんな危険なことはさせたくない!!」
タ「へ?」
尊「あっ…いやそのなんでもない!忘れろバカ!!」
なんか超顔真っ赤なんですけどこのお方
25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/07(日) 13:46:56.23 ID:RKybwYaB0 [2/10]
「勝美との出会い」
その2
タ「じゃあなんだって俺にそんなさせたくないことを?」
尊「……最近のやつの暴れっぷりは知ってるな?そのせいで他校の不良どもがうちの学校の
周りをうろうろしているらしい、いわゆるお礼参りというやつだ」
タ「マジかよ、怖すぎんだろ…」
尊「しかも先日、「あの女を連れてこーい!!」と他校の生徒が殴り込みを仕掛けてきてな…
うちの生徒が何名か軽いケガをうけている」
タ「ええ!?俺そんなの知らないぞ!」
尊「当然だ、つい昨日のことだし、貴様は仮病で学校をサボッただろう」
仮病バレてるし…いやだって生徒会の仕事って大変なんだもん…
尊「そういうわけで、また昨日みたいに不良が来たときのために、わたしは学校から
離れられん、だがあの勝美とかいう女を止めない限り事態は収まらんだろう。
そこで貴様の出番だ、動けんわたしに代わってあの女を尾行し、ケンカの現場を抑えろ。
携帯の写メでもカメラでもなんでもいい、物的証拠さえあれば生徒会の権限でやつを取り押さえ
査問委員会にけけることができるからな」
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/07(日) 13:50:26.12 ID:RKybwYaB0 [3/10]
「勝美との出会い」
その3
タ「なるほど、査問にかけて学校に処分してもらうわけか。まあ確かに隠れて写真を撮るくらいならなんとかやれそうだ」
尊「察しの通りだ、少々危険な役だが、逆に貴様が学校に残っても不良どもの相手はできまい?」
恥ずかしながらその通りです
尊「本当はこの尾行も危ないからしてほしくないんだ…だけど…」
タ「生徒会は俺たち二人だけ、他に頼める人もいない、か…」
尊「(コクン)」
なんだ、尊のやつ俺のことをちゃんと考えてくれてたんだ
タ「ありがとな、尊。無茶のことを言う酷いやつだなんて思っちまって悪かった。
必ず現場は抑えてみせる、でもおまえも無茶するなよ、いくら強くても女の子なんだからな」
尊「ふん、貴様は自分の心配だけしてろ、……無理するなよ」
タ「ああ、じゃあ行ってくる、心配してくれてマジでサンキュ、尊のそういうところ…大好きだぜ」
尊「なっ…!!い、いいからさっさと行けえっ!!それとわたしのことはちゃんと会長と呼べえ!!!」
そんな赤い顔の会長を見てやる気MAX!そして放課後…いざ尾行開始っ…!
勝美「……」
目の前を歩く不良少女の後をこっそりついてく、電車通学らしく気づけば駅に着いていた
タ「(俺も電車に乗るか…とりあえず自宅まではついていこう)」
切符を買って電車に乗り込み、すかさず雑誌で顔を隠す、刑事みたいだな俺
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/07(日) 13:53:43.71 ID:RKybwYaB0 [4/10]
「勝美との出会い」
その4
勝美「……」
彼女はいつも両手をポケットに突っ込み、目を伏せて、「近づくな」という雰囲気を周りに与えてる
電車の中でも席についてからは常にそんな感じだ
勝美はこの駅でも降りる気配はなく、おばあさんが一人乗っただけで電車は出発した
タ「(ん?おばあさん席に座んないのかな、普通の席は満席だがお年寄りは他にいないし、優先席が空いてるだろうに…あっ)」
見るといかにもギャルっぽい女子が二人で優先席を占領して談笑していた
タ「あいつら…しゃあねえ俺が席を譲っt」
そういって立ち上がろうとした瞬間…
勝「おばあちゃん、この席空いてるぜ、座んなよ」
勝美が立ち上がって、自分の席を譲っていた
おばあちゃんは「ありがとうねえ」と礼を言ってその席に腰かけた
一方勝美は立ったまま目を伏せてまたいつもの感じに戻ってる
タ「……あいつ…」
それからしばらくして勝美は電車を降り、俺もそのあとを追った
勝「……」
駅から出た直後だった
男「待ってたぜ、ツラかせや」
いかにもな不良の二人組が勝美を路地裏に連れていった、俺もあわてて後を追う
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/07(日) 13:56:10.93 ID:RKybwYaB0 [5/10]
「勝美との出会い」
その5
勝「なんだてめえら、俺になんか用か」
男A「お礼参りってやつだよ、てめえにやられた傷がうずいてしょうがねえ」
タ「……」
電車でのやりとり、ちょっとはいいやつかもと思ったけど、やっぱり不良か…
男B「こいつか?おまえのカツアゲの邪魔したのって」
タ「!」
男A「ああ、もう少しであの中防から財布ごと巻き上げられそうだったのによ」
男B「こいつ知ってるぜ、噂じゃここらでカツアゲとかしてる不良を全員シメちまったって話だ」
タ「…!」
ああ、そうか…
男A「マジで?他校のやつらがやられたってあれも?」
男B「らしいな」
そういうことかよ…っ!
男A「へえ、そいつはすげえな、正義の味方きどりかy」ドゴオ!!男A「ぶべら!!!」
まさに一瞬、話していた男Aの顔に鉄拳が炸裂した!
勝「話がなげえんだよ、俺は早く家に帰ってゲームやるんだよ」
男B「てめえ!!!」
そういって男Bは拳を振り上げた、勝美はすぐにガードの体制を取る!だが…
タ「なっ!」
男Bの振り上げた拳にはスタンガンが握られていた、それが勝美のガードに直撃する!!
29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/07(日) 13:58:20.09 ID:RKybwYaB0 [6/10]
「勝美との出会い」
その6
勝「きゃあっ!!」
男B「はっ!相手がてめえかもしれねえと思って用意しといてよかったぜ」
勝「あ…うぅ」
男B「けっこうかわいい顔してんな、気絶させたらやっちまうか?」
その光景、その言葉、目と耳で状況を捉えた瞬間、体が勝手に動いてた
タ「やめろっ!」
その場に飛び出し、目の前の男を睨む
男B「なんだてめえ?こいつの仲間か?なら…一緒にくたばれえ!!」
正直俺は尊ほど強くない、だけど
タ「そんじょそこらのやつより弱いつもりもねえよ!!」ドガア!!!
男B「ぶべら!!?」
右の頬にクリーンヒットした我が鉄拳、男Bは宙を半回転ほどして景気よく地に落ちた
勝「て、てめえ…確かクラスの…」ガク
タ「お、おい!しっかりしろ!!おい!!!」
一時間後…
勝「ぅ…ううん」
タ「お、目を覚ましたか」
勝「なっ!て、てめえ何してやがる!!」
タ「何って、ひざまくらだが?」
そう、気絶した勝美を介抱するため絶賛ひざまくら中です
勝「ど、どけ!今すぐに!」
タ「おっと、それだけ元気なら安心だ」
勝「はあ…はあ…つーかなんでてめえがいやがる!?家こっちじゃねえだろ!?」
タ「ああ、そのことなんだが」
俺はこれまでのいきさつを勝美に話した
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/07(日) 14:01:28.84 ID:RKybwYaB0 [7/10]
「勝美との出会い」
その7
タ「つーわけだ、いろいろと失礼な勘違いをしてたみたいで悪かった」
勝「そーいうわけかよ…でも俺のせいでケガしたやつがいたなんて…」
タ「知らなかったのか?」
勝「ああ、昨日は妹が風邪ひいて学校休んで…」
なにこの娘すげえいいやつ
勝「あとで謝りに行かねえと…おい、後でそいつらの連絡先教えてくれ」
タ「……」
なんというか、不器用な形で誰かを守った結果、噂に尾ひれがつきまくったってところか
勝「ん?おいてめえ、何ニヤニヤしてやがる」
タ「ああいや、おまえ良いやつだなと思って、うん、俺おまえみたいなやつ好きだな、かわいいし」
勝「!!!!!?????」ボン!!
タ「おお、顔真っ赤」
勝「ててててめえ!いいいきなり何言ってやがる!!!!」
めちゃくちゃ焦ってる、褒められ慣れてないのかな?
33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/07(日) 14:06:04.61 ID:RKybwYaB0 [9/10]
「勝美との出会い」
その8
タ「何って、俺は正直な気持ちを言っただけだ」
勝「な…」カアアア
なんかさらに顔が赤くなった
勝「で、でも俺そんなこと言われたの初めてで…、ど、どうしたら…」カアアアアア
また赤くなった、褒められ慣れてないにしても赤くなりすぎじゃないか?
まさか熱でもあるんじゃ!?
タ「ちょっと失礼」(おでこにピト)
勝「!!!!!!?!?!?!??!?!?」ボン!!!!!!!!!!
タ「お、おい、ほんとに大丈夫か?」
勝「へ…」
タ「へ?」
勝「返事は明日するからあああああああああああああ!!!!」ピュー!
タ「あ、おい!」
なんか猛ダッシュで走って行った…
32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/08/07(日) 14:03:33.39 ID:RKybwYaB0 [8/10]
「勝美との出会い」
その9
翌日
尊「なるほど、そういうことか…」
タ「ああ、あいつは悪い奴じゃない」
尊「そうか…、いやしかし不器用ながらも正義に燃える心を持っているとは気に入った!
やつとは仲良くなれそうだ!今日あたり生徒会室に招待しよう!!」ガラッ!!
タ・尊「ん?」
勝「よ、よう」
なんか勝美がやってきた
尊「おお!ちょうどいいところに、まあまずはお茶でもどうz」
勝「タ、タカシとか言ったな!お、おれこーいうの経験ないからよくわかんねえけど…
家に帰っても飯ものどを通らねえし、寝るときもてめえの顔が頭に浮かぶし、気づけば
てめえのこと考えてるし…」
タ「へ?」
尊「…おい」
勝「こ、こんな俺でよかったらおまえのか、彼女に…」
タ「ええええええええええ!!??」
尊「ちょっとまてえええええええええええええい!!!!」
俺よりでかい声で尊が吠えた
なんだかこれから騒がしくなりそうだ…
最終更新:2011年08月19日 08:52