224 名前:・ツンデレに夏休みなのにどこにも行かないの?って聞いたら[] 投稿日:2011/08/08(月) 12:40:30.45 ID:9ACegosO0 [1/5]
「夏休みなのにどこにも行かないの?」
蝉の鳴き声が、環境雑音のメインになって久しい昼下がり。なぜか俺の部屋に入り浸っているちなみさんに、訪ねてみた。
『行かない……。めんど……い』
彼女は人のベッドに勝手に寝転がり、人の漫画を読みながら答えた。
何がめんどいって、お前の質問に応えるのが一番めんどいよ、と言わんばかりだ。
……癪に障ったので、俺もベッドの縁を背もたれ替わりに、続けてやることにする。
「ほら、夏と言ったら海」
『……紫外線が、強い。日焼けしない体質の私が行ったら、大変。まさか、人を皮膚癌にするつもりか……むしろ前がなれ、なって死ね』
物凄い言いがかりだ。恐ろしいので話題を変えよう。
「じゃ、じゃあ山とか!」
『暑い。疲れる。何故ド糞暑い時期に山に……。まさか、私を埋めるつもりか……むしろお前が埋まれ、そして死ね』
もはや意味が分からない。
しかもこれだけ言って視線は全く漫画から外さないとは……。片手間に罵られた俺の立場とは一体。
「んならどこがいいって言うんだよ」
ちなみさんに向き返り、そう尋ねる俺。
『どこにも行かない、と……さっきから言ってる』
ぐだぐだと横たわりながら漫画を読む彼女の姿は、ヒトデか何かのようだ。
と、そう思っていたところで彼女もこちらに向き返り……いや、ごろごろと転がり返り、上目遣いで尋ねてきた。
『なんでそんなに……何処かへ行かせようとする……の?』
「いや、なんでつったって……」
『……私は、これでいい』
一瞬ためらったように見えたのは気のせいだろうか。
すぐにぷいと(寝転んだままだが)体を翻し、元の状態で読書に戻るちなみさん。
俺はというと、暑さで呆けた脳みそを更に呆けさせ、ぼおっと彼女の表情を反芻させることしかできなかった。
『JESUS砂塵航路面白い……。……これ読めればいいや』
「なんとなんと」
ぶち切れた俺に拉致られて海水浴に連れだされるお話は省略されました。すべて読むにはここをクリック!
最終更新:2011年08月19日 09:30