63 名前:1/2[] 投稿日:2011/08/10(水) 23:50:14.74 ID:Dv4a3MuB0 [7/8]
『おい、起きろよ。グータラ亭主』
「えー…… 今日、休みじゃんか……あと一時間……いや、三十分……十五分でもいいや。
寝かせてくれよ……」
『ふざけんじゃねーぞ。十五分も経ったら、せっかく作ってやった朝飯が冷めちまうだろ?
テメーの飯なんぞ、作りたくもねーんだが、一人分より二人分の方が楽だから、準備して
やってるってのによ。どうせなら、温かいうちに食っちまえよ』
「むぅ……勝美の飯の誘惑は凄まじいが……このベッドに宿る眠りの誘惑もまた凄まじい
んだよな…… ご飯はまた温めればいいし……」
『ざけんじゃねーぞ。あたしの飯より寝る方がいいとか、許されねーぞ』
ドカドカ!!
「痛い……蹴るのなしだってば……」
『クソ。こうなったら、意地でも起こしてやるぞ。てやっ!!』
「わ!? バカ、勝美!! ちょっとまっ……」
バサッ!!
『おらよ。こうやって布団引っぺがせば、睡魔の誘惑も半減だろが。大人しく抵抗を諦め
て起きやがれ。ほら』
「いや。それはまあ、そうなんだけどさ……」
『何だよ? その持って回ったような言い方は』
「いやその……勝美さん。気付いてます? その……」
『何の事だよ。言葉濁すところをみると、もしかしてこれの事か?』
ゲシッ!!
「あいてっ!! やめてやめて!! 踏まないで!! 折れる折れる」
『全く……アホか。新婚早々じゃねーんだぞ? 誰がテメーの粗末なモンでギャーギャー
騒ぐかっての』
「ちょっ……お願いだから足どけて。足コキなら嬉しいけど、これはただ踏ん付けてるだ
けだから。気持ち良さゼロどころか、むしろ、これ以上力入れられたら折れそうなんですけど」
『そういう風にしてんだから当たり前だろ? 起きたらどけてやるよ。ほれほれほれ』
64 名前:2/2[] 投稿日:2011/08/10(水) 23:51:16.29 ID:Dv4a3MuB0 [8/8]
「イテテ!! 痛いってば!! 分かったから、もう踏むの止めてくれって」
『全く、しょーがねえなあ。たかがこれしきの事で、だらしねーぞ』
「フゥ…… 全く。でも、たかがこれしきというけど、昔は勝美だって、朝立ち見て、真っ
赤になって怒りながら照れて、暴力振るってたじゃん」
『そ、そりゃまあその……あの頃は、まだウブだったし……』
「そうは言っても、まだ結婚して一年ちょっとじゃん。つい先月記念日を迎えたばっかり
だろ? 一体どうやって克服出来たの?」
『そっ……それをテメーが言うか!! 免疫ついたのは、全部お前のせいだかんな!!』
「俺の? 何で?」
『そっ……そりゃあ、その……テメーの、その……粗チンをだな……毎晩口に咥えてりゃ、
その……朝立ちくらいで動揺するわけねーだろこのバカ野郎っ!!』
終わり
最終更新:2011年08月19日 09:46