72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/06(火) 08:50:25.52 ID:/BZS/mop0 [1/35]
お題
つ・最近男が早く登校するようになったので、一体どういう風の吹き回しかツンデレが聞いてみたら
200 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/07(水) 00:14:21.34 ID:T6bZykXh0 [2/15]
72
ゴーン…ゴーン…ゴーン…ゴーン…ゴーン…
「ふぅ……もう六時ですか」
「おはよー」
「おはようございます兄さん、最近は早起きですね」
「ん? ああ、まあちょっとな。それでもお前より遅いけどな」
「そんなの当たり前です。グータラな兄さんに代わって家事を全部してるんですから。朝ご飯目玉焼きでいいですか?」
「うん。ちょっとシャワー浴びてくるなー」
「はい」
「(最近の兄さんはちょっとおかしいですね。やたらと早起きですし……そういえば必ず朝はシャワーを浴びるようになりました。朝ご飯もきちんと食べてますし……以前のグータラな兄さんに比べると気持ち悪いぐらいちゃんとした生活を……)
「はっ、ま、まさか……!」
201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/07(水) 00:14:57.94 ID:T6bZykXh0 [3/15]
~~脱衣所~~
「(兄さんのケータイ……ありました)」 パカッ
「(まさか……彼女とかでは……一緒に登校するために早起きしてシャワーを浴びて……)」 ポチポチ
「(いや、唐変木の兄さんに限って……)」 ポチポチ
「……ぁっ……」
From:女
明日も交差点で6:40ねー(^▽^)
じゃ、おやすみー(^з^)-☆
~~~~~
202 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/07(水) 00:15:43.95 ID:T6bZykXh0 [4/15]
「ん、ごちそうさまでした。んじゃ、俺もう行くわ」
「…………」 ボー
「? おーい、いってきますってば」
「……えっ、あ、はい。いってらっしゃい……」
「お前も学校早くいけよ? 車に気をつけてな」
「はい。兄さんこそボーッとして交差点で車に轢かれてくださいね」
「ひでぇ……じゃ、いってきまーす」
「…………」
「…………」 ピポパ
「……もしもし、先生ですか? ええ、今日は……ちょっと気分が優れなくて……ええ、はい。いえ、大事をとって今日は一日寝ています……はい……はい……それでは……」 ピッ
「…………はぁ……」 ドサッ
(兄さんに……彼女ですか……)
(当然です、よね……いくら唐変木でも……兄さんは優しいし……かっこいいし…………)
(そもそも妹の私のコトなんて……なんとも思うはずが無いんですから……あたりまえ……あたりまえ……)
(いつかは来ると思ってましたが…………こんなにヘコむとは……我ながらどんだけブラコンなんですか……)
203 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/07(水) 00:16:40.96 ID:T6bZykXh0 [5/15]
(あー……もうなにも考えたくないです。あー……あーあーあー……もう……)
「…………ばーか」 グスッ
~~~~~
(…………)
(……兄さんの……声……)
(大好きな……兄さん)
(遠くへ行ってしまうんですね……)
(私じゃなくて……他の……人のところ……)
(やだなぁ……ずっとそばにいて欲しいなぁ……)
(私じゃ……ダメなんですか……)
(……ダメですよね…………私じゃ……)
(だって……私は……妹で……)
(一番近いのに……一番遠い……)
(好きになるのも……許されない……)
204 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/07(水) 00:17:28.26 ID:T6bZykXh0 [6/15]
「すき」
(声に出すだけなら……簡単なのになぁ……)
「すき」
(どうして……)
「どうして……私は……妹なの……?」 パチッ
「俺がお前の兄貴だからだよ」 ナデナデ
「…………」
「ただいま」
「…………え?」
「? ただいま」
「…………は? な、なんでいるんですか?」
「なんでって……普通に学校から帰ってきただけだけど……」
「ひ、人の部屋に勝手に入って来ないでください!」
「いやここリビングだし」
「え? あ……(あのまま寝ちゃったんだ……)」
205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/07(水) 00:18:09.29 ID:T6bZykXh0 [7/15]
「ところで、今日の晩飯はピザでいいか?」
「は? なんでですか?」
「いや、もう十一時すぎちゃってるし、今から作ってもらうのも悪いしさ。頼んであるから、もうすぐ来るよ」
「え!? じゅ、十一時!? あ、お、お風呂洗ってません!」
「しといた」
「せ、洗濯物」
「取り込んで、干して、畳んでおいた」
「お、お掃除……」
「トイレはやっといた。他はするほど汚れてないし」
「あ、お、お皿を……」
「やっといたよ」
「え、えっと……」
「全部しておいた。ところで、お前学校いかなかったのか?」
「え……い、行きましたよ」
206 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/07(水) 00:18:57.33 ID:T6bZykXh0 [8/15]
「嘘つけ、エプロンしたまんまだぞ」
「こ、これは帰ってきてから……」
「言ってなかったか? 俺は今日午前で学校終わりなんだ。野暮用で時間食ったから帰ってきたのは三時ごろだけどな。お前はその前から寝てた」
「わ、私も学校が早く終わって……」
「て言うか、友子ちゃんがお見舞いに来た」
「あ……う……」
「休んだんだよな?」
「そっ……そう、です」
「そうか……」
「(兄さん……怒っt)」
「なんで今朝言ってくれなかったんだ? お前が具合悪いなら……学校なんか行かなかったのに」
「……え?」
「え、じゃない。体調悪いときはちゃんと言ってくれ」
「…………ぁ(私……ウソ……ついたのに……)」
「頼りないかもしれないけど、ちゃんと看病するから……な?」
207 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/07(水) 00:19:36.86 ID:T6bZykXh0 [9/15]
(やさしくしないでよ…………好きでも無い癖に……)
「熱は無いみたいだけど……うなされてたんだぞ? それにちゃんとベッドで」
「ぅ…………う、うるさい!」 ベシッ
「…………ぇ」
「に、に、兄さんのばかっ! な、なんでそんなコト言うんですか!? わけわかりません!」
「なっ、なにが」
「うるさいうるさい! なにも聞きたくない! 兄さんのお説教なんて聞きたくない! ばかっ!」 タタタタタッ
「な……わ…………わけわからん」
~~部屋~~
「はっ……はっ……はぁっ……はっ……」
「はっ……ぅっ……グスッ…………ぅぁ……なんでぇ……」
「なんでっ…………ばかっ……! ばかばかばかばかばかっ! 死んじゃえっ!」
「(ホントに……もう……死にたい……)」
「うぐっ……ぅ…………なんで……あんなコト…………言うなんて……ばかぁ……!」
208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/07(水) 00:20:16.87 ID:T6bZykXh0 [10/15]
ガチャ
「!」 ビクッ
「…………泣いてんのか」
「ぅっ……ぐすっ……関係ないですっ……」
「…………」
「ばかっ……! 出てって……ください……」
「お前、メール見たろ」
「っ!」 ビクッ
「やっぱりか……」
「ぁ……(嫌われた……嫌われた……兄さんに……嫌われた……嫌われた嫌われた嫌われた嫌われた嫌われた嫌われた嫌われたっ……!)……ご、ごめっ……!」
「ほれ」
「ぇっ……? な、これ……ぬいぐる、み……? ……な、なんで……」
「今日はなーんの日」
「今日……」
218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/07(水) 01:08:34.67 ID:T6bZykXh0 [12/15]
ゴーン…ゴーン…ゴーン…ゴーン…ゴーン…
「誕生日おめでとう」
「ぁ……」
「思ったより大変だったよ。裁縫って難しいな」
「…………」
「朝早く出てたのはな、それ作るためだ。女は、手伝ってくれてただけで、彼女とかじゃない」
「…………」
「思いついたのが遅くてな。時間がなくて、だから朝と放課後、作ってたんだ。家でやるとばれそうだしな」
「ぁ……ぅ…………グスッ……うっ……」
「泣くなよ。嬉しくないのか?」
「ちがっ……ぅ……嬉しくてっ……涙が……」
「ほれ、こっちこい」 ポンポン
「……ん」
「昔はよくこうやって抱っこしてたなぁ」 ギュー
「……そうですね」
220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/07(水) 01:09:07.56 ID:T6bZykXh0 [13/15]
「…………大丈夫だからな」
「…………」
「お前がちゃんと幸せになるまで、どっか行ったりしねーから」
「…………」
「ちゃんと一緒にいるからな」
「…………」
「…………」
「お断りです」
「……は?」
221 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/07(水) 01:09:38.27 ID:T6bZykXh0 [14/15]
「私が幸せになるまで一緒とか、そんなのわけわかりません」
「……えー……」
「兄さんに幸せにしてもらわないと……困ります」 ギュ
「…………え?」
ピンポーン
「おや、ピザが届いたようですね。さ、かなり遅いですが晩御飯にしましょうか」
「ちょっ、お前今」
「なにしてるんですか? 早くしてください。ピザの人を待たせすぎると帰っちゃいますよ?」
「えっ、あ、い、今でまーす!」 ドタドタ
「……えへ」
「(ちゃんと幸せにしてくださいね、兄さん?)」
最終更新:2011年09月08日 16:48