222 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/09/09(金) 11:44:18.18 ID:O10TH7x20
犬。
あいつがうちに来た。
私が飼ってる犬はかわいいと自慢話をしたら、勝手に約束にして犬に会いに来たのだ。
しかし、犬好きだというのは本当らしく、見た途端に目の色を変え、うまく撫でながらニヤけた顔で「かわいい!」と連呼をしている。
(当然のことを言うな。世界一かわいいに決まっているだろう。)
こんなうるさい上に貴重な休日の時間とかわいいペットまで占領するバカでも客人には違いない。
仕方なくお茶をいれに台所にたつ。
リビングからは依然としてバカの一つ覚えのように「かわいいなぁ、お前は」と何度も聞こえてくる。
最初はいい気分になった言葉も、何度も聞いているとなんだか微妙な気分になってくる。
「・・・私だってかわいいもん」
不意に自分の口からでた言葉に自分で驚く。
顔が熱くなるのを自覚しながらリビングを確認して、変わった様子がないことに安堵する。
よかった。バカで。
今日はなんだか変だ。早くこのバカを帰らせよう。
お茶をだしながらそう考えていると、急に頭を撫でられた。
「・・・お前の方がかわいいけどな」
落ち着こうとしてお茶を一気に飲んだ。
「顔が真っ赤だぞ」
「・・・お茶が熱かったせいです」
というか、お前も真っ赤じゃないか。バカ。
最終更新:2011年09月14日 01:00