29 名前:1/4[] 投稿日:2011/09/10(土) 15:58:45.80 ID:Dj8Oz7kT0 [12/17]
  • ツンデレが暑い暑い言うので、そんなに暑かったら水着で過ごせば?って言ったら

『ふぅ……暑い…… ウチも全館冷房とか出来ればなあ…… もっとも、そんなの夢のま
た夢ですけど』
「あっちいなぁ…… このクソ暑い中、洗濯か。お疲れ」
『に、兄さん!! 何ですかその格好はっ!!』
「何ですかって……この格好に、何か文句あるのかよ?」
『大ありですっ!! そんな……短パン一枚の格好で家の中をウロウロしないで下さいっ!!
みっともないじゃないですかっ!!』
「みっともないって……別に誰か他所の人に見られるわけじゃないんだからいいだろが」
『私がいるじゃないですかっ!! 私だって年頃の女の子なんですからねっ!! もう少
し節度を持った行動をしてもらわないと困ります』
「何だ。お前、俺の半裸姿に動揺してんのか。全く……ここまで男に免疫がないのも、逆
に困り者だぞ?」
『だっ……誰が動揺なんてしますかっ!! 私はただ、兄さんにもう少し常識を持って行
動して貰いたいだけですっ!!』
「常識って、アホか。自分の家だからこそ、だらしない格好でも許されるんじゃねーか。
むしろお前が堅苦し過ぎるんだよ。服装だってよそ行きと大して変わらない感じだし。よ
くそんな格好で過ごせるよな。暑くねーのかよ」
『冗談言わないで下さい。私だって暑いものは暑いんです。不感症じゃないんですから。
おまけに兄さんと違って家事だってしなくちゃならないんですよ? だらだらしている兄
さんよりよっぽど汗だって掻くんですから』
「なら、お前ももうちょっとラフな格好してもいいんじゃねーの? 誰に見られるって訳
でもないんだからさ」
『兄さんがいるじゃないですか。例え兄妹であろうと、私は兄さんと違ってデリカシーが
ありますから、変な格好をする訳には行きません。それに、私はそもそも、露出度の高い
服も持っていませんし』
『(兄さんの前だからこそ、ちゃんとした格好してるって言うのに、兄さんのバカ……)』
「だったらいっそ、突き抜けて水着で過ごすとかしてみたらどうよ?」


30 名前:2/4[] 投稿日:2011/09/10(土) 15:59:08.72 ID:Dj8Oz7kT0 [13/17]
『へっ!?』
「いや。それだったら涼しいし動きやすいかなって? 汗掻いてもそのままシャワー浴び
れるじゃん。Tシャツとショートパンツでも準備しとけば、来客にも対応出来るし」
『なっ……バ、バカ言わないで下さいっ!! そんなっ……兄さんの前でそんな格好出来
る訳ないじゃないですかっ!!』
「何でだよ? 水着ってもともと人前で着るもんじゃねーか。別に家で着たっていいんじゃ
ねーの? それに、別に俺は気にしないし」
『なっ……!? い、今何て言いました? 兄さん』
「いや。別に俺は気にしないからって言っただけだけど。何か、敬子がさっきから俺を気
にしてるように見えたからさ。俺は別に敬子がどんな格好したって全然かまわ――」
『分かりました兄さんっ!!』
「な、何だよ。急にでかい声出して……」
『兄さんがそう言うなら、お言葉に甘えて水着に着替えさせて頂きます。兄さんに構わず、
私も好きな格好をしますからっ!!』
「あ、ああ…… 何怒ってんだよ、お前?」
『別に怒ってなんていませんっ!! 失礼しますっ!!』
「……は? 何か俺……悪い事言ったかなあ?」
『(気にしない……気にしないって…… こうなったら、意地でも、兄さんに私の事を意識
させてやるんだから……)』


『兄さんっ!!』
「何だよ、敬子。大声出し……て……」
『どうしました? 兄さん。ポカンとした顔して。兄さんの言葉通り、水着に着替えて来
ましたけど』
「あー…… ああ、そうだな。その方が、その……涼しいだろ?」
「(やっべぇな…… 普段、敬子って露出の高い服着てなかったから、そんなに意識してな
かったけど、結構スタイルいいじゃねーか…… てか、妹相手に何やってんだ俺は……)」
『ええ、おかげさまで。ちょっと派手かなとも思ったんですけど、兄さんも、気にしない
との事ですから思い切って露出度の高いのを着てみましたし』

31 名前:3/4[] 投稿日:2011/09/10(土) 15:59:29.36 ID:Dj8Oz7kT0 [14/17]
「っと……あ、ああ。そんな事も言ったっけな」
「(つか、まともに見れねーな。変なトコ凝視しちゃいそうで……)」
『ええ、言いました。それより、何で横を向いているんですか。人と話す時は、ちゃんと
相手を見て話して下さい。失礼だと思わないんですか』
「え、いや。それはその……なあ。ちょっと……」
『気にしてないんだったら、こっちを向けるはずですよね? ほら。早く見て下さい』
 グイッ!!
「イテッ!! む、無理矢理捻るなってば」
『兄さんがちゃんと私を見ないのが悪いんです。で、どうですか? 私の水着姿は』
「へ? な、何でその……感想まで言わなくちゃいけないんだよ」
『兄さんが水着になれって言ったんじゃないですか。だったらその、責任持って、感想く
らい言って下さい。男の人でこんな格好見せたの……兄さんだけなんですから……』
「え? あ、そ、その……感想ね。えっと、その……」
『考えてないで、早く言って下さい。私だってその、いつまでも兄さんの前に立って、こ
んな姿を晒すのは、はず……い、嫌なんですから……』
「いや、その……可愛いと思うよ。その水着……淡いブルーのストライプにフリルが付いててさ」
『水着単体じゃなくて、ちゃんと私がどうか言って下さい!! 兄さんのヘタレ』
「お前な。言うに事欠いてヘタレはないだろ」
『だって、さっきから視線をあっちこっちに動かして、まともに見てくれてないじゃない
ですか。兄さんのせいでこんな格好をするハメになったのに』
「べ、別に勧めたのは俺だけど、無理強いはしてないだろ。最後に決めたのはお前なんだ
から、俺のせいって訳じゃ……」
『ゴチャゴチャうるさいです。私の水着姿なんて気にしないんでしょう? だったら、し
っかり見て感想言ってくれればそれで済む話じゃないですか。さあ』
「いや、ゴメン。それは謝る。失言だった」
『どういう意味ですか?』
「どういう意味っつーか……つ、つまりだな。それはその……何ていうか、せいぜい露出
の少ないワンピースとかだろうって思ってたから、その……」
『私がビキニなんて着ちゃいけませんか? こんな派手なのは似合いませんか?』


32 名前:4/4[] 投稿日:2011/09/10(土) 16:00:05.14 ID:Dj8Oz7kT0 [15/17]
「そ、そんな事ねーよ。むしろ、その逆っていうか……似合ってるし、それにその……色っ
ぽくてさ。まともに見てられないんだよ。色々と、その……ヤバくてさ……」
『もしかして、妹に……よ、欲情してるとか言うんじゃ、ない……ですよね?』
「えーと……その……ゴメン……」
『本当なんですか? だとしたら、兄さんは変態です。妹にそんな感情を持つなんて……』
「悪い。それに関しては、返す言葉もないな。いや、俺もちゃんと良識は持ってるからさ。
出来る限り見ないようにするから」
『嫌です』
「え?」
『ちゃんと、見て下さい。兄さんが、私を挑発したんですから。責任を持って』
「いや。でもその、見たらその、視線がどうしてもだな。だから……って、目の前に立つなって」
『どうしても見ないって言うなら、どうしても見るようにするだけです。言っておきます
けど、これはその、単なる意地ですから。べ、別に私は兄さんが好きだから……愛してる
からって訳じゃ、ないんですから……』
「ちょ、ちょっと待て。敬子。落ち着け。な?」
『私は冷静です。兄さんが……しっかりと私を目に焼き付けてくれるまで……許しませんからね……』


終わり
最終更新:2011年09月14日 01:12