186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/12(月) 23:36:23.30 ID:HU5b2wUJ0 [2/10]
(H.R)
山「あみだくじの結果…、ヒロインはちなみんにけってーい!」パチパチ
友「わー、おめでとうー」パチパチ
ち「……え?」
タ「おー…、見事にちなみがメインヒロインだな」
ち「……タカシ…代わりなさい」
タ「あほ言うなちなみさん、俺みたいなナイスガイの女装が見たいのか」
ち「…………見たいわけ無いじゃない」
タ「言葉が出るのが何時もより遅いぞ?」
ち「…ふんっ…まぁ良いわ…私がヒロインをやる中……、タカシは木の役でもやれば良いじゃない…」
タ「あぁ、せいぜい脇役を頑張らせて貰うよ」
山「所がどっこい、タカシは主役なのだよ」
タ「山田表出ろ、そのにやけた面ふっとばしてやるよ」ガタッ


187 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/12(月) 23:37:37.22 ID:HU5b2wUJ0 [3/10]


山「あみだくじに文句言われても…なぁ?」ニヤニヤ
友「公平な結果よねぇ?」ニヤニヤ
タ「(うぜぇ……)」ガタン
ち「…プッ」
タ「ちなみさん、一人二役やる気無い?」
ち「…いいえ…ククッ……遠慮…プッ……しとくわ…」
タ「……言っとくけど、お前も同じくらい大変な役だからな?」
ち「…まぁ……考え様によっては裏方とかより楽かもしれないわね……」
タ「もやしちなみんには丁度良いかもなww」
ち「……(それに、タカシと一緒に台詞合わせとか…///)」ギリギリギリ
タ「がぁぁぁぁぁぁっ!」
山「やめて!それ以上は、いけない!」
友「はいはい、じゃれてないで、他にも決める事有るんだからっ!」



188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/12(月) 23:39:40.00 ID:HU5b2wUJ0 [4/10]
(帰り道)
ち「……はぁ…」
タ「元気ないな、ちなみ」
ち「……劇の内容…ラブロマンスじゃない…」
タ「あー……」
ち「……まぁ、そこは別に構わないわ……(主役がタカシ以外だったら絶対嫌だけど)」
タ「構わないなら、なんでそんなにでかいため息吐いてるんだよ」
ち「……タカシは……、やっぱり良いわ……」
タ「???」
ち「……今日はちょっと…そんな気分なだけ…」
タ「ふーん…、あ、台本の読みあわせとかやるか?」
ち「………やらない」



189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/12(月) 23:41:17.63 ID:HU5b2wUJ0 [5/10]
タ「はい?」
ち「………もう少し…、各自で練習してからにしましょう…」
タ「あ、あぁ、そう言う事なら、そうするか」
ち「……タカシのヘタクソに合わせるの……大変そうだし…」
タ「はいはい……、じゃあちなみ、また明日」
ち「……えぇ、また明日……」ヒラヒラ
(ちなみの家)
ち「……はぁ……」ゴソゴソ
ち「……あった、台本……」パラパラ
ち「…『ヒロインはかなしそうに笑って、大好きな彼に言葉を紡ぎました』」
ちち「大好きだけど…、愛しているけど…、お別れです……」
ち「…さよなら…、愛しい人…」
ち「………」パタン
ち「……ハッピーエンドなら…いくらでも読み合わせ…するのに…」ハァ

結局本番まで、私たちは読み合わせをしなかった。

191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/12(月) 23:43:01.73 ID:HU5b2wUJ0 [6/10]

(本番)
ち『クスクス…、貴方の話はいつも愉快ね……、もっと聞かせて下さいな…』
タ『えぇ、まだまだ貴女にお話したい事が沢山あります』

山「息ぴったりだよなぁ…すげぇー…」
友「そりゃタカシはアンタと、ちなみは私と、かなり読み合わせしたんでしょう?」
山「まぁ、それもあるだろうけどさぁ…やっぱ幼馴染すげぇよなぁ」

ち『いけない…そろそろ人が見回りに来る時間だわ…、さぁ…窓から飛び降りて』
タ『それは遠まわしに僕に死ねと?』
ち『…間違えました、ベットの下に隠れて…』
タ『色々気になりますが、そうさせてもらいます』

山「アドリブもお手の物だ」
友「あれ多分ちなみの素がでただけだけどね」


193 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/12(月) 23:44:57.95 ID:HU5b2wUJ0 [7/10]

(終盤)
友『お嬢様、あのような物を部屋に入れてはなりません』
ち『そんな…、彼はとても優しいわ…』

タ「…………」
山「……最後か?」
タ「ブフォッ!」
山「うわっ!きたねぇ!何しやがる」
タ「…お前がいきなり変な事言うからだろ」
山「お前が変になってるからだろ」
タ「……」
山「好きにやって良いって」
タ「は?」
山「劇の最後、好きにやって良いのお許しが出たー」パチパチ
タ「いや、駄目だろ…」
山「良いんだよ、原作者の文芸部さんが良いって言ってんだから」

(ラスト)
山「お、最後だ、行って来い!」グィッ
タ「お、おい!」



194 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/12(月) 23:47:48.93 ID:HU5b2wUJ0 [8/10]
ち『…………』
タ『……お嬢様』
ち『…今日も、来てくださったのですね…』
タ『……えぇ、もちろん、今日はとびっきりの話を持って来ましたよ』
ち『……最後だから…、ですか…?』
タ『……』
ち『…聞かれたのでしょう…?メイドから』
タ『…えぇ、貴女が明日、結婚すると』
ち『フフッ…一回りも歳が違うのですよ…?知っているのは…それだけ…』
ち『遠い遠い所へ行って……、見た事も無い人と結婚する……」
ち『考えただけで……胸が……張り裂けそうなのです…』ポロポロ
タ『…お嬢様…』
ち『仕方の無い……、事なのです…』ポロポロ

彼女はかなしそうに笑って、大好きな彼は言葉を紡ぎました
ち『大好きだけど…、愛しているけど…、お別れです……』ポロポロ
ち『…さよなら…、愛しい人…』


タ「…ならば……一緒に逃げましょう」
ち「………え?」
タ「私も貴女を愛しています、別れるのは嫌です」
ち「…え?……えっ?」
タ「大好きです…、愛しています…」ギュ
ち「え……?あっ///」
タ「共に生きましょう……愛しい人」

チュッ

195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/12(月) 23:49:21.18 ID:HU5b2wUJ0 [9/10]

(打ち上げ)


ち「……変態…変態タカシ」
タ「すみませんちなみさん、海より深く反省しております」フカブカ
ち「……いきなりアドリブ始めるし……あ、有ろう事か…き、キキキ……キススルシ…///」モニョモニョ
タ「……反省してます…」
ち「……変態…変態タカシの変態…」ポカポカ
友「まぁまぁちなみー、満更でもないんじゃないのー?」ダキッ
ち「ひゃ……友」
友「あーんな情熱的に口説かれて、内心にやけっ放しでしょー、コノコノ」プニプニ
ち「…そ、そんな事…無い///……それに、クラスの人や、文芸さんに迷惑かけたし…」
タ「あー、本当にすみません、クラスの方々にも迷惑かけました」フカブカ
イイヨー
キニシテナイヨー
友「そうそう、山田が頑張ってるから無問題っ!」
タ「は?山田が?」
友「そーそー、今頃一人で買出し頑張ってるんじゃないのー?」ニヤニヤ


山「ヘックシッ!んぁ…、今確実に誰かが『山田君…抱いてっ!』って言ったなっ!」




196 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/12(月) 23:51:44.44 ID:HU5b2wUJ0 [10/10]


(帰り道)
ち「………」
タ「……(気まずい)」
ち「……ねぇ」
タ「はい、なんですかちなみさん」
ち「……一緒に…その…」
タ「は?」
ち「だから…、タカシは私と……その…ケッコン…///」モニョモニョ
タ「聞こえないんだが…」
ち「…もう良いっ…///…とにかく…、キスまでしたんだから…責任取りなさいよ…」
タ「お…おう、なんでもするぞ」
ち「…取り敢えず…てぇ…手…繋いで…///」スッ
タ「……おう…、なんか昔みたいだな、手を繋いで帰るなんて」ギュ
ち「……んっ///」
最終更新:2011年09月14日 01:43