408 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/17(土) 21:00:23.38 ID:QRlGPZuAO [9/15]
纏「今宵の月は良い月じゃの……」
男「あぁ、でかくて綺麗だな」
纏「たまにはこうして月光浴というのも悪くないのぅ」
男「……なぁ、纏?」
纏「なんじゃ? 今夜は月が綺麗ですね、とでも言うつもりかえ」
男「ぐ。なぜバレたし」
纏「その台詞にはもう飽き飽きじゃ。ちょっと良い台詞じゃからというて使いすぎなんじゃ」
男「それだけ纏を愛してるってことなんだけどなぁ」
纏「……今夜は月が暗くて、あなたの顔が見えない」
男「ん? なんだそれ」
纏「ちょうどその台詞の反対にあたる言葉かの。何が出典だったかは忘れたが」
男「聞いたことないぞ? 良ければ詳しく教えてくれ」
纏「まぁ簡単に言うと、昔は栄華を誇っていたもののことを、
満ちた月に例えることが多かったんじゃな」
男「あぁ、欠けたる月も無しと思えば、とかか」
纏「そうじゃ。その月が翳って、好いた相手の顔も見えぬ。
そんな栄枯盛衰を唄った詩なんじゃなこれは」
男「ふーん……でもなんでこのタイミングでその詩を?」
纏「深い意味はないわい。主のワンパターンに釘を刺しただけじゃ!」ポフッ
男「あ、おい……」
纏「……今宵は満月で、主の顔もよう見える。それだけで充分じゃ。のう?」
男「……今日は大胆っすね、纏さん」
纏「月がそうさせるんじゃ、月が」
最終更新:2011年09月19日 15:43