33 名前:みこちんに料理を教わったら 1/3[] 投稿日:2011/05/01(日) 23:52:24.14 ID:4sH2s8OJO
『なんだその適当な切り方は。大きさがてんでバラバラじゃないか!!』
「そう言われてもなぁ。今まで包丁なんて握ったことないし」
『甘ったれるな!!だからこの私がっ、わざわざ休日を使ってっ、教えに来てやっているんだろう!』
「その気持ちは有り難いんだけどさぁ、別に料理なんてできなくても世の中にはインスタントとかレトルト食品もあるわけだし…」
『お前の考えなど関係ない。私はただ、おば様に頼まれたことを実行してるだけだ。いいから早く作業に戻れ!!』
「へーいへい、分かりましたよー……ホント厳しいなぁ尊は」

(ザクッ、ザクッ)
「う~ん、上手く切れないなぁ」
『……』
「うわ、大きさ全然違うし。料理ってマジ難しいぜ」
『………(イライラ)』
「ギャッ~包丁抜けなくなったー助けて尊~」
『……ああもう見てられん!!私が手本を見せてやる!!』

35 名前:みこちんに料理を教わったら 2/3[] 投稿日:2011/05/02(月) 00:00:49.17 ID:ER0FaiuxO [1/7]
「へっ……(ぴとっ)おわぁぁぁ、み、みみ尊!?」
『うるさい、お前は目の前の野菜に集中してろ!』
「は、はいぃっ!!!」
『バカ、無駄な力を入れすぎだ。食材はリズムよく切るんだ。ほら、こんな風に…』
「(う、うわぁ、尊の奴、身体密着させすぎだろ!?
せ、背中に何だか柔らかい感触が……
……だ、ダメだ、コイツだって真剣に教えてくれてるんだから!?)」
『いいぞ、私の補助があるとはいえいいかんじだ……うん……』
「(……お、おいおいおい、耳元で喋るとか勘弁してくれよ!?
こ、このままじゃ俺の理性がもたない…)」
『……あっ、ば、バカ者、包丁を扱ってる時によそ見をするな!?』

36 名前:みこちんに料理を教わったら 3/4[] 投稿日:2011/05/02(月) 00:03:10.74 ID:ER0FaiuxO [2/7]
「えっ……(サクッ)いってぇぇぇっ!?」
『……はぁ、言わんこっちゃない…ほら、傷見せてみろ』
「いてて、血出てるし…」
『ふん、この程度なら傷は浅い。消毒して絆創膏貼っておけばすぐに治るさ』
「はぁ……優しい言葉をどうも。消毒液どこやったかなぁ…」

(かぷっ、ちゅーっ)

「!!!??」
『ほふぁ、ほぉれれほんらいはるまい……んっ』
「……み、尊……お前……」
『?なんだそんなとぼけた顔して。ほら、絆創膏持って来てやるからちょっと待ってろ』
「……あ、あいつ……気づいて……ない……?」

37 名前:みこちんに料理を教わったら 4/4[] 投稿日:2011/05/02(月) 00:05:22.61 ID:ER0FaiuxO [3/7]
(モグモグ)
「あー美味しい!やっぱ自分で作った料理っていいもんだな!!」
『お前は野菜を切っただけだろうが。挙げ句ケガまでしおって!』
「あーそれは面目ない…」
『……まったく、おかげでお前と二人で料理を作る計画が台なしじゃないか』
「えっ、今なんて?」
『……ふん、お前に料理を教えるという計画が狂ったと言っただけだ』
「そいつはすみませんでした。……そういや、今日のお前凄い大胆だったよな~」
『大胆?何の話だ?』
『だって俺がケガした時さ~』


みこちんが自分のしでかしたことに気付くまであと30秒
最終更新:2011年05月05日 00:36