13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/19(月) 12:34:43.59 ID:8ju0CeJy0 [6/9]
ピンポイントお題
つ・一人っ子のお嬢が男と付き合ってると聞いて、お嬢の祖父が値踏みしにやって来たら


182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/20(火) 00:05:37.56 ID:mBoe2Umj0 [2/17]
13

「王手」

「ぐぬぬ……! もう一局だ!」

「あはは、いいですよお爺さん。何度でもかかってきなさい」

「ふん! 余裕でいられるのも今なうちだ! 今に見ておれ!」

「期待してますよ。ところでお爺さんどっからきたんですか? 結構いい服着てますけど」

「ん? ああ、儂h」

「タカシー。お夕飯つくりにきましたわ……よ…………」

「ん? おお、リナ。いつもありがとな」

「ほう。いつも作りにきておるのか」

「ええ、まあ。すっごく美味いんですよ?

「ほぉ……」

「おっ…………」

「ん? どうした? あ、ほら、アイスなら買ってあr」

「お祖父様!?」

183 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/20(火) 00:06:17.77 ID:mBoe2Umj0 [3/17]
「え?」

「ようリナ。元気にしとったか?」

「なにしにきたんですの!? なにしにきたんですの!?」

「なに、お前の恋人を見にな」

「なんでそんなコトするんですの!? なんでそんなコトするんですの!?」

「いいじゃないかぁ~、暇なんだよぉ」

「よくないですわ! お帰りください!」

「へぇ……いいのかなー。言っちゃうよ? 宗次郎にこの男のこと言っちゃうよ?」

「なっ……お父様に!? や、やめてください!」

「うーん……どうしよっかなー。リナが晩御飯作ってくれたら考えようかなー」

「わ、わかりました! 今すぐ作りますから待っててください!」 バタバタ

「おー、腹減ったから早くなー」

「……えーっと……」

「ん? おお、自己紹介の途中だったな。儂は神野禅太郎。神野グループの創始者にして現最高顧問。そして、リナの祖父だ」

184 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/20(火) 00:07:17.43 ID:mBoe2Umj0 [4/17]
~~~~~

「…………」 モグモグ

「…………」 モグモグ

「うっひょお美味え! 美味えよリナ! 成長したなぁおい!」 ガツガツ

「…………」 モグモグ

「…………ありがとうございます」 モグモグ

「いやぁ……ウチのキッチン毎日爆破してなにがしてーのかと思ってたが、こいつに食わすためだったんだなぁ……」 シミジミ

「きゃあーーー! 何をカミングアウトしてますのお祖父様!? 帰ってください! 早く帰ってください!」 ガタッ

「あっ、宗次郎に電話したくなってきたなー」

「ぬぐっ……ごちそうさま! 私お風呂をいただきますの! タオルはいつもの場所ですわね!?」

「う、うん」

「覗いてもいいかー?」

「ダメに決まってますの!」

「えー、いいじゃん孫の成長を見たいんだよー」

185 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/20(火) 00:07:55.70 ID:mBoe2Umj0 [5/17]
「お祖父様の馬鹿!」 バタン

「はは、怒らせちまった」 モグモグ

「…………」 モグモグ

「美味えよな、この肉じゃが」 モグモグ

「は、はい」 モグモグ

「ところでよぉ」 モグモグ

「はい?」 モグモグ

「ヤったの?」 モグモグ

「ぶはぁっ!?」 ボフッ‼

「ヤったんか? ええ?」

「げほげほっ! な、なんでそんなこと」

「バカおめー、孫のコトだぞ。知らねーでどうすんだよ」

「くっ…………その……まだ……です」

「ふーん。じゃあ、こっから本題だけどよ」

「は、はい?」

186 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/20(火) 00:08:35.29 ID:mBoe2Umj0 [6/17]
「お前、リナと別れろ」

「…………」

「学生同士の恋愛なんざどうせ長く続かねー。そもそもお前とリナじゃ釣り合わねー」

「…………」

「あいつは生まれた時からのお嬢様だ、我儘だし結構迷惑してんだろ? リナも女の子だしな、恋に恋するって奴なんだろうよ。だからよ、リナの外面に惹かれてなんだかんだで付き合ってるだけなら」

「…………」

「お前、リナと別れろ」

「お断りします」

「……へぇ…… 即答だな」

「いずれこういう日が来ると思ってました。いずれ家族の方にこういうコトを言われるコトも考えていました」

「…………」

「リナと付き合い始めて二年めですけど、まだキスまでしかしてないのは、理由があります」

「はは、そんなに付き合ってんのか。ま、リナはシャイだからな。そういう生殺しになってm」

「いえ、どっちかと言ったら、リナの方がアピールしてくれてます。それを鈍感なふりをして避けてるのは、俺の方です」

「リナに魅力がねぇって?」

188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/20(火) 00:09:15.07 ID:mBoe2Umj0 [7/17]
「いえ、正直毎時毎秒ムラムラしてます」

「ははは、おっぱいでけぇからなぁ」

「それでもそういうコトをしないのは、俺の覚悟を知ってもらうためです」

「…………」

「体が目当てなんじゃなく、リナがリナだから、俺は好きなんだと。神野のお嬢様であるリナを愛する覚悟があるコトを、それを認めてもらうために」

「…………」

「釣り合わないのは百も承知です。俺がリナに愛し続けてもらえるかもわかりません。でも」

「…………」

「俺はリナを愛しています。ですから、リナと別れるコトはできません」

「…………」

「…………」

「あーもう負けた。道理で将棋も勝てねえ訳だわ」

「将棋?」

「ま、そんなコトはどうでもいいや。俺は帰る。こちそうさん」 ガチャ

「えっ……」

189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/20(火) 00:10:05.03 ID:mBoe2Umj0 [8/17]
「俺より、ほれ。そこに隠れてる彼女のコトでも気にしてやんな」 バタン

「!」 ガタンッ

「リナ……?」

「たっ……タカシ……」

「聞いてた?」

「…………」 コクッ

「あー……えーっと……」

「嫌いなのかと……」

「え?」

「嫌われてるのかと……思ってました……」 グスッ

「え、ちょ」

「だって……私がアピールしても……っ……ぜんぜっ……!」 グスグス

「ごめんな……でも、これぐらいしなきゃと思って」 ナデナデ

「だいたい! なんですの! 釣り合うとか釣り合わないとかっ! 私がっ……タカシを捨てるなんてっ……!」 グスグス

「リナ……」

190 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/20(火) 00:10:36.76 ID:mBoe2Umj0 [9/17]
「そんなコトある訳ないですわ……! こんなに大好きなのに……貴方より愛しい人なんてできるわけないのにぃっ……!」 グスグス

「ごめん、リナ……俺も愛してるよ」 ギュッ

「…………しょ、証拠……」 ギュ

「ん?」

「証拠、下さい……」

「ん……ほら、顔上げて……」 クイッ

「ぁ…………タカシ……」

「…………」 ニヤニヤ

「…………」

「…………」

「…………」 ニヤニヤ

「ぎゃあああああ! お祖父様!? 帰ったんじゃないんですの!?」 バッ

「いや、ドア開けて閉めたけど、外には出てなかったんだよなぁ。いつ気付くか見てたんだけど、惜しかったな」 ニヤニヤ

「帰ってください! 帰ってください! せっかくいいところだったのに!」 ベシベシ

「わははははは、結婚式を楽しみにしてるぜお二人さん」 ダッシュ

191 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/09/20(火) 00:11:12.80 ID:mBoe2Umj0 [10/17]
「もう! お祖父様のばかっ!」

「…………はぁ……続き、するか?」

「! ……~~~っ! 今日は帰りますわ! おやすみなさい!」 スタスタ、ガチャ、バタン

「はは、おやすみー……はぁ……しそこねた……」

「…………」 ガチャ、スタスタ

「お? リナ? 忘れm」

「んっ……」 チュウッ

「んむっ!?」 チュウッ

「ぷぁっ……しょ、証拠は貰いましたの!
! おやすみなさい!」 ダダダダ、ガチャ、バタン

「…………はは、やっべー……ウチの嫁可愛すぎる」
最終更新:2011年09月30日 22:53