初心者コース:ほぼ点源の連続波電波源
VLBAを用いて、構造の単純な電波源 DA 193 を観測したデータの解析をします。観測周波数は15 GHzです。VLBA 10局を用いて、観測時間はほんの20分ほどです。こんな観測でも、ダイナミックレンジは1000を超えます。まずは先に結果から見てもらいましょう。
(u, v)プロット 最終的なマップ
拡大図(左)
拡大図(右)
データの諸元
観測日 2001年8月17日
VLBIアレイ VLBA (10局)
観測天体 DA 193(注:本来、この観測はNGC 1052を狙ったもので、DA 193は較正天体として観測したものです)
観測周波数 15.4 GHz
帯域幅 16 MHz × 2 IF, 64分光点/IF
データのサイズ 97.3 MB
解析に要する時間 慣れた人:3時間以内, 初心者:6時間
解析の手順
解析にはAIPSとDifmapを併用します。AIPSで主にデータの較正を, Difmapでイメージングとself calibrationを行います。
なお、AIPSによる較正済みの
データ (2 MB binary) も用意してありますので、Difmapによるイメージング処理だけを学びたい人やAIPSでくじけた人は下記のAをスキップして、Bから始めても構いません(お料理番組方式)。
A.
AIPSによる処理
- データをダウンロードして手に入れる。
- AIPSにデータをロードする。
- データの内容を確認します。
- ビジビリティ振幅の較正をします。
- フリンジフィット(遅廷・遅廷時間の補正)をします。
- バンドパス(帯域通過特性)の補正をします。
- 周波数方向の積分をしてデータのサイズを小さくします。
- DifmapでイメージングするためにFITSファイルを出力します.
B.Difmapniによる処理
- Difmapにデータをロードします。
- ビジビリティを時間積分します。
- ゴミのビジビリティをフラッギング(規格外のため廃棄)します。
- ダーティマップを描きます。
- CLEANします。
- 位相のSELFCALをします。
- 振幅のSELFCALをします。
- 最終的なマップを作ります。
最終更新:2007年10月04日 20:49