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「あなたの本名は美柳ちなみ!行方不明と見せかけて生きていた、昔の事件の被害者です!」
大逆転!……と思いきや、御剣検事はあっさりそれを認め、証人保護のためにあえて偽名を認めたと発言。 

予想以上に狡猾な御剣の弁論に舌を巻く千尋だが、ここで退くこともできない。千尋はさらに攻める。
「過去の誘拐事件は尾並田の犯罪ではなく彼女によるものです!彼女は身代金代わりのダイヤを持ったまま
 川に転落して死んだ風を装い、罪を尾並田に被せて身代金の独占を図った!
 しかし今回、尾並田が勇希に接近し、罪の意識に耐えかねた勇希が真相を暴露しようと考えていると知って
 彼女は義姉を殺し、その罪を尾並田に被せて二人の口を同時に封じようと企んだのです!」
千尋、怒涛の反撃だが、証拠品は無くその論拠は乏しい。ここで千尋は、尾並田自身の証言を希望する。
千尋の推理によるなら、ちなみは尾並田と待ち合わせていた勇希を殺し、自分が勇希になりすまして
尾並田と対面したはず。尾並田が会った女がちなみだとの証言が得られれば弁護側に有利となる。
だが、証言台に立った尾並田は、かすかに微笑んだ後、突然血を吐いて倒れた。
…尾並田は優しすぎたのだ。恋人だったちなみをあくまで信じようとした尾並田は、それが難しいと気付いたとき
ちなみから託されていた毒を自らあおり、自らの口を封じたのである。
法廷が騒然となる中、ちなみは微笑んで、法廷から去っていった。
自分の弁護が尾並田を死に追い込んでしまったと泣く千尋を、神乃木は初めて「コネコちゃん」ではなく名前で呼ぶ。
「泣くな、千尋。オトコが泣いていいのは…全てを終えたときだけ、だぜ」
そう呟く神乃木の拳は、握りつぶしたマグカップの破片で流血しているのに気付かぬほど硬く握られていた…。

この事件から半年後、美柳ちなみを追い詰めた神乃木は、ちなみに毒を盛られて倒れる。そして5年間仮死状態ですごす。
そしてその半年後、〔3-1〕の事件で、千尋はちなみを有罪判決に追い込み、悲願を果たした。
…だが、5年前に決着したはずの事件がまだ終わっていないことを、間もなく成歩堂は知ることになる…。 
 
事件発生日時:2月7日午後11時頃(検死・目撃証言により推定)
現場:霊場「葉桜院」境内
被害者:天流斎(テンリュウサイ)エリス 年齢不詳。癒し系の作風で知られる絵本作家。デビュー前の経歴が一切不明。
死因:刺殺。背後から胴を貫通するほど深く刺されている。死後、3mほどの高さから落ちたらしき打撲傷あり。
容疑者:あやめ 25歳。葉桜院を住職と二人で切り盛りする尼僧。なぜか成歩堂を知っているらしいが…?

2月7日、成歩堂は真宵、春美と共に山奥の霊場「葉桜院」へ修行ツアーでやって来た。
霊力修行に付き合う気など無かった成歩堂だが、ある事情で動向を承諾する。春美が持ってきたオカルト雑誌、
霊場を紹介する記事の写真には霊場の管理者として、美柳ちなみそっくりの尼僧が写っていたのだ。
葉桜院で一行を待っていたのは、院の住職、毘忌尼(ビキニ)、そして宿泊客の作家、天流斎エリスと
その弟子、天流斎マシスこと矢張政志(〔3-2〕の後も失恋を重ね、生き方を変えるべくエリスに弟子入りしたらしい)。
写真に写っていた尼僧あやめは、本堂から離れた「奥の院」にいるらしい。吊り橋を渡って
(つり橋の名はおぼろ橋。勘のいい人は気付くが、〔3-4〕の現場だ!)奥の院であやめと対面。
あやめは成歩堂を見てうろたえるが、彼女と成歩堂の接点については口をつぐんで語らない。
やがて夜になり、真宵は奥の院の修行へ。成歩堂たちは本堂に残る。
そして11時、突然の悲鳴を聞きつけた成歩堂が見たのは、境内の黄金像が持つ七支刀に貫かれる形で
地面に横たわるエリスの死体だった。
本堂には電話が無いため、つり橋のたもとの公衆電話に向かった成歩堂が見たものは
落雷で火がつき、燃え落ちたおぼろ橋の姿。真宵の身を案じて、無理に向こう岸へ渡ろうとした成歩堂は
転落して、吾童川へと落ちていった…。

ここで視点が切り替わる。矢張から緊急の電話を受けて、外国に居た御剣怜侍は緊急帰国する。
そこで待っていた成歩堂が御剣に手渡したのは、成歩堂の弁護士バッジ。
葉桜院の事件で、あやめがエリス殺害犯として逮捕された。成歩堂は彼女が犯人ではないと考えているが
川に落ちて風邪を引いた彼は、とても出廷できない。代わりに御剣に弁護を頼むということらしい。
無茶もいいところだが、親友の頼みを無碍にもできない。御剣は身分を偽り、捜査を開始する。
御剣に心酔するイトノコ刑事の協力で捜査は進展するが、出てくるのは不利な証拠ばかり。
毘忌尼の目撃証言、そして現場の凶器にあやめの指紋が残っていた事実。
だが、御剣はあやめの証言と他の人の証言の食い違いから、そこに手がかりを見出す。
あやめは事件当夜、謎の脅迫状を送り付けられ、おびえて本堂の自室から出なかったらしい。
脅迫状の送り主が矢張だと見抜き、御剣はおぼろ橋近くの山小屋に隠れていた矢張を問いただす。
矢張いわく「脅迫状じゃねえ!あれはラブレターだ!」とのこと、この男、まだ懲りていないらしい。
さらに詰問しているうち、事件当夜もここにいた矢張が何か目撃したらしいことが分るが
彼はそれを話そうとしない。御剣は、矢張を法廷に引き出して尋問することを決意する。
もうひとつ気になるのは、おぼろ橋の焼失によって外界と切り離されてしまった奥の院。
吊り橋の修理は明日まで掛かり、それまでは向こう岸に居るはずの真宵の安否は確認できない。
さらに、春美も行方不明であるとの報告が入る。あの夜、奥の院に入って取り残されたか、それとも…?
2月9日、あやめの第一回法廷。担当裁判官は、いつもの裁判長とは違う、御剣との面識が少ない裁判官。
そして、なぜか行方不明のゴドー検事に代わって検察側に立つのは、御剣の要請に応えた狩魔冥検事〔3-2・3・4〕。
期せずして狩魔門下のふたりの、ありえないドリームマッチが始まる。もちろん冥は御剣を知らぬ振りはしても
犯罪の立証それ自体には手を抜かない。
証言台に立った毘忌尼は「事件当夜、あやめが被害者を七支刀で刺すところを見た」との証言。
あやめの母親代わりである毘忌尼が、あえてあやめの犯行を証言したことで、法廷は有罪に傾く。
しかし御剣はその証言を切り崩しに掛かる。反論する冥とのすさまじい舌戦。勝負を制したのは御剣だった。
凶器は別に有りとの主張で目撃証言自体を無効化する御剣。だがここで、毘忌尼が新たな証言を始めた。
「あの夜、誰かが山門前のスノーモービルを動かした跡があった。犯人は凶器を外へ持ち出したんじゃ?」
昨夜、スノーモービルを運転できたのはあやめだけ。またもあやめに不利な証言だが
御剣は山門前の写真から、スノーモービルが事件前に山門を離れ、事件後に戻ってきたことを証明する。
では、誰が何のためにスノーモービルを動かしたのか…ここで御剣は切り札、矢張を証人として召喚する。
事件当夜、ラブレターであやめを外へ呼び出していた矢張は、そこで何かを見たらしい。
彼が事件直後に描いたスケッチが法廷に提出されたとたん、異様な空気が立ち込めた。
スケッチには、落雷で燃える橋の上を、踊るように飛ぶ人影が描かれていたのである。
矢張いわく、飛んでいたのはあやめだったとのこと。彼は証拠として橋のたもとに落ちていた飾り水晶を取り出すが
御剣は、それがあやめのものではなく、被害者エリスのものだと看破し、新たな推理を展開する。
「本当の殺人現場はおぼろ橋だったと主張しよう。犯人は被害者を刺し殺した後、スノーモービルで
 その死体を葉桜院まで持ち帰り、境内で殺されたように偽装したのだ」
御剣の推理を崩す証拠は検察側に無かった。事件現場が特定できていないという弁護側の主張を容れて
裁判官は審理延長を宣言する。冥は勝ちきれなかったことを本気で悔しがるが、御剣は笑顔を浮かべる。
「成歩堂の復帰まで審理を長引かせる」という目的は達成されたのだ。

2月9日午後、成歩堂は無理を押して捜査現場に顔を出す。おぼろ橋の修理が済み、奥の院へ渡れるようになった。
そこには、真宵を心配して奥の院に入ったまま閉じ込められていた春美が居た。だが真宵の姿は無い。
現場に忽然と姿を現したゴドーは「手遅れだぜ。お前があの子を見殺しにしたんだ」と成歩堂を責める。
調査の結果、奥の院地下の修験堂に人が居る可能性があると分かり、堂の入り口に掛けられた
「からくり錠」を唯一解くことのできるあやめが急遽護送されてきた。
一方、周辺を捜査していたイトノコ刑事が、奥の院中庭で奇妙なものを見つける。
中庭の雪はまるごと取り除けられ、そして庭の石灯籠には血文字で「マヨイ」と書かれていた。
どうやら、ここが真の殺人現場らしい。調査を進めるうち、成歩堂はそこに落ちていた奇妙な護符を拾う。
その護符には、綾里家の紋が付いていた。ある推理をひらめいた成歩堂は、毘忌尼を問い詰める。
「天流斎エリスの正体は、綾里舞子…真宵ちゃんの母親じゃないんですか?」
隠し切れなくなった毘忌尼は、その事実を認める。密かに娘を見守っていた舞子は
娘を狙う陰謀を知って、それを阻止するためにこの葉桜院に姿を現したのだ。
さらに話をするうち、毘忌尼のくちから驚くべき事実が飛び出す。あやめは、春美の母、綾里キミ子〔2-2〕の実子で
しかも彼女には、双子の姉がいたという。父方に引き取られていったその姉の名は聞くまでも無かった。
美柳ちなみ。…そう、全ての事件が倉院流霊媒術のもとに帰結する。
だが御剣はちなみがこの事件に関わっている可能性を否定する。なぜなら、半月前に彼女の死刑が執行され
彼女はもうこの世の人ではないから。
しかし、成歩堂は知っている。倉院流絡みの事件である以上、死者は生者以上に危険な存在だ。
事件の闇は深い。真宵はどこへ行ったのか。奥の院で綾里舞子を殺したのは誰なのか。
そして、橋が燃え落ちた事件の夜、矢張が目撃した空飛ぶ人影の正体とは?
2月10日、第二回法廷。奥の院で修験堂の開錠作業をしていたあやめが審理のために戻ってきた。
だが、なぜか彼女は検察側に向かい、ゴドー検事を通して「真相を証言する」と主張し証言台に立つ。
その内容は驚くべきものだった。事件の夜、被害者、天流斎エリスが奥の院にいた真宵を襲い
真宵は必死に反撃して被害者を刺し殺してしまったというのである。
しかし成歩堂はその証言を否定する。エリスの正体は真宵の母、舞子なのだ。二人が殺し合う理由が無い。
真宵は正当防衛だと言いつつ、エリス殺害の犯人が真宵だという事実は譲らないあやめを尋問するうち
奇妙な矛盾が浮かび上がる。あやめは、何故かおぼろ橋が落雷で焼け落ちたことを知らず
「死体を引きずって橋を渡った」と証言したのだ。
あやめが橋を渡れたはずは無い。だが、死体が橋の向こう、葉桜院で発見されたのは事実である。
この矛盾を解くべく、成歩堂は「谷川を越えた死体」のトリックに挑む。
「矢張のスケッチを逆転するんです。あいつは、山小屋でうたた寝していたときにこの光景を見たと言っていた。
 つまり、このスケッチは風景を逆さに見たもの。そう、死体は空を飛んだのではなく、橋の下をくぐったのです。
 橋を支えていたワイヤーに死体を結び、振り子のように死体を向こう岸に送る!これが『空飛ぶ人影』の正体!
 死体の全身の打撲傷も、橋のたもとで見つかった被害者の水晶も、すべてこれで説明が付きます!」
「ちょっとまて、このトリックだと向こう岸に共犯者が必要だぜ。共犯者が誰か、指摘できるのか?」
「共犯者は…もちろん、あやめさんです。毘忌尼さんが目撃したのは彼女の現場工作だったんです」
成歩堂は確信していた。奥の院で犯行の瞬間を見たと言っている証言台の女性はあやめではない。
奇妙な記憶の欠落、そして擁護するふりをして罪をなすりつける手口。自分はこの女性を知っている…!
「この名を呼ぶことは二度とないと思っていました…美柳 ちなみさん」

名を呼ばれた彼女は、一転して邪悪な笑みを浮かべる。やはり彼女は霊媒で現世に現れた「ちなみ」だった。
修験堂に潜んでいた彼女は、昨日のうちに堂に現れた本物のあやめと入れ替わっていたのだ。
あっさりと自分の正体を認めた彼女は、自分の企みを語る。分家から倉院流を牛耳るべく
キミ子は真宵暗殺を計画した。死刑になった自分の長女・ちなみを、春美に霊媒させて実行犯にする計画だ。
倉院流の権力争いに振り回され、エゴイスティックな性格に育ったちなみがこの計画に乗ったのは
自分を死刑に追い込んだ千尋の妹を殺すことで、千尋の魂に苦痛を与えるため。
あまりに残忍な計画に法廷中がちなみに怒りを向けるが、彼女は意に介さない。
「あなたたちに私は裁けない。私は既に死者なのだから」
そしてちなみは、復讐の完成を宣言する。真宵が見つからないのは、彼女が自殺したからだ、と。
あの夜、何も知らない春美が、キミ子の指示通りちなみを霊媒するのを避けるため、舞子は自らちなみを霊媒した。
現世に舞い戻ったちなみは、そのまま舞子の体を介して真宵暗殺を実行しようとした。
だが、ちなみは真宵を殺そうとしたとき、何者かに刺されて一度だけ意識を失ったという。
「殺されそうになった真宵が反撃して舞子を殺してしまい、後になって相手が自分の母親だったと知って
 己を恥じて吾童川に身を投げた。そんなところじゃないかしら?だから、私の復讐は達成されたの」
真宵を守れなかった…机に伏して慟哭する成歩堂。だが、ゴドー検事が異議を唱える。「それはありえない」と。
その言葉に、成歩堂は入院中に見たかこの事件のファイル〔3-4〕を思い出す。
「奥の院がある吾童川東岸は岩場になっている。飛び降り自殺したなら死体は川に落ちずにすぐ見つかるはずだ!」
そう、答えはすぐそこにあった。舞子が死に、春美は確保されている。とすれば、今ちなみを霊媒しているのは?
「ちなみさん、今あなたを霊媒しているのが真宵ちゃんです。あなたは標的が自分の手中にあるのを知らなかったんです!」
愕然とするちなみの前に、春美に霊媒された千尋が現れた。あの夜、真宵はいち早く千尋を霊媒して
「自分に敵対する霊を呼ぶはずが無い」という心理的盲点に隠れるこの策を伝授されたのだ。
「これで分ったでしょう、ちなみさん。あなたは私に一生…いえ、死んでも私に勝てないのよ!」
…死者を裁く法は無い。だが、その魂に敗者の烙印を押され、ちなみの霊は絶望の悲鳴と共に消えていった。
すべて終わりかと思いきや、ゴドー検事がさらなる異議を唱える。
「綾里舞子殺害の真犯人は立証されていない。検察は最後の証人として綾里真宵を召喚する!」
検察側の要請で、真宵が証言台に立つ。だが、その証言には違和感があった。
舞子を殺した「犯人」は、真宵に嫌疑が及ばぬよう気を遣い、そして真宵もその犯人をなぜか庇う節が見られる。
だが、真実こそが全てに優先するという信念に従い、成歩堂はその矛盾を暴く。導かれた答えは意外なものだった。
「真犯人は…ゴドー検事、あなたです。あなたは奥の院に居たから昨日の法廷に出ることができなかった。
 中庭の不自然な工作もあなたが行ったのなら納得がいく。あなたは視力補助のためにその仮面をつけているが
 それでも特定の色が…『白地に赤』が見えないんだ。だから、現場の雪に散った返り血を取り除くために
 中庭の雪全てを掻き出さねばならなかったし、白い石灯籠に書かれた血文字を見逃すというミスを犯した!」
そして成歩堂は、なぜゴドー検事が真宵を庇ったのか、その理由も解き明かす。ゴドー検事の真の名は
神乃木荘龍。死んだと思われていた、千尋の元恋人にして先輩弁護士。
ゴドー検事はその事実を否定せず、己の境遇を語り始める。5年前の事件で、彼はちなみに毒を盛られて
死にこそしなかったが、昏睡状態のまま5年間眠り続けた。1年前、彼が目覚めたとき
彼は毒の副作用で視力を失い、また恋人・千尋も復讐対象・ちなみも失っていた。
全てを失った彼が見出した目標は二つ。千尋を守ることができなかったにもかかわらず千尋の後継者と呼ばれている
成歩堂の打倒。そして、千尋の最愛の妹、真宵を倉院流をめぐる陰謀から守ること。
検事となった彼は、その権力を使ってキミ子の動向を監視し、行方不明だった舞子を探し出して協力を取り付け
あの夜、舞子、あやめと共に真宵殺害計画を防ぐべく、ひとり奥の院に待機していた…
そこまで語って、ゴドー=神乃木は口をつぐむ。最後の一点「彼が舞子を殺したのか」は自力で立証せよというわけだ。
(ここでBGMに流れるのは、逆転裁判3のクライマックス曲ではなく、懐かしい逆転裁判1のクライマックス曲!
 『3年実経験を積めば一流になる』と千尋が評した、成歩堂の真価が今、問われる!)
ポイントは刀傷。真宵の証言から「真犯人」は真宵を襲おうとした「ちなみ」と争いになり、刀傷を受けたことが分っている。
だが昨日、事件当時のまま奥の院に隠れていたはずのゴドー検事の体に、そんな傷は見当たらなかったのだが…?
「その仮面です!あなたは『ちなみ』ともみ合った際、仮面を弾き飛ばされて顔面に傷を負った!
 そして今も、その仮面の下に刀傷を隠している!!」
成歩堂の渾身のツッコミに大きくのけぞったゴドーは、最早言い逃れようともせず、己の心境を語り始める。
…あの夜、自分は本当に、真宵を守るために戦ったのだろうか。
真宵を守るなら、なぜ真宵の保護者である成歩堂に話をしなかったのか。あの夜、刀を振りかざしたとき
それが本物のちなみでなく、ちなみを霊媒した他人の体だと承知の上で刀を振り下ろしたのはなぜなのか。
あの戦いが無私の義侠心によるものか、それとも自分の虚栄心を満たす自己満足の暴力だったのか
もはや彼自身にも分らない…。
「あたしは信じてます。神乃木さんはあたしを守るため戦ってくれたんです!」
その言葉に応えるように、ゴドーの頬を一筋の血が伝う。…やはり彼は、仮面の下に傷を負っていた。
「俺の世界に『赤』は存在しない。…これは、俺の涙だ。男が泣いていいのは、全てを終えたときだけ、だぜ」

事件は解決した。あやめは事件への関与を認めたが、殺人については無罪となる。
最後に言いたいことはあるかと聞かれたあやめは、成歩堂にある秘密を明かした。
それは「成歩堂とちなみお姉様は、あの裁判の日までに2回しか会っていない」という驚くべきものだった。
「今まであなたをだましていました。ごめんなさい…リュウちゃん」
その呼びかけで成歩堂は全てを察した。警察にマークされていたちなみの影武者として、成歩堂と交際していたのは
彼女、あやめだった。しかし、あやめは本気で成歩堂を好きになってしまい、彼女を疑いだしたちなみは
自分の手で証拠品を滅却しようとして〔3-1〕の事件を起こしたのだった。
「ひとつだけ、言わせてください。…あなたはやはり、僕の思った通りの人でした。それだけはずっと信じていました」
一方、一連の事件の黒幕が自分の母だったと知って、春美は真宵の元を去ろうとするが
真宵はそんな春美を引き止め、自分は今とても幸せだと語る。
「みんながあたしを守ろうとしてくれて、そして今あたしがここにいる。だからあたしは幸せなんだよ」
成歩堂も真宵も、大きな試練を乗り越えた。庇護者の元を離れ、一人で立つときがやって来たのだ。
~逆転裁判3 END~

逆転裁判3、これにて全編の終わり。同時に、逆転裁判三部作の完結でもあります。
逆転裁判シリーズは、1を飛ばして2や3から始めても構わない造りになっていますが
新人時代の千尋や「御剣弁護士」VS狩魔冥といった、逆転ファン向けのくすぐりの多い本作は
やはり1・2をプレイしてから遊んでみてほしいというのが個人的な意見ですね。
 
最終更新:2009年02月08日 18:12