まえがき
135 名前:作家志望 ◆JSuk2dxRQ6 [sage] 投稿日:2010/09/07(火) 18:46:01 ID:lcG6FX6x0
お前ら言っとくけど、エロ本ばっか読んでたら私の名文なんて理解できんからな
川端や谷崎等の小説を読んでまともな読解力を身に着けとけ
とりあえず本棚にあるロリコン本は処分しとけよ
犬星とかあかざわREDとか好きそうだもんな、チカニシって

 闇を抱いた風が砂塵を巻き上げていく。中天にぽっかりと浮かぶ満月が、蒼い光を地面に投げかける。石造りの城が闇夜に浮かび上がり、天辺に飾られた魔物の彫像が不吉に笑う。
 ここはガルディア王国の者ならば、知らぬものはいない場所である。
数多くの勇者達が討伐に挑み、そして虚しく敗れ去っていった場所、魔王軍の本拠地である魔王城だ。
 その死の香りを色濃く漂わせた城に、一人の男が入ろうとしていた。腰帯に一本の剣を吊るしてはいるが、甲などは身に着けておらず、平服に緑色のマントという軽装だ。
 戦いに赴くには些か不釣合いな格好だが、そんな事が気にならなくなるほど男の姿は異様であった。
緑色でヌメヌメとした皮膚、顔の大半を占める大きな瞳、その者はカエルの面貌をしていた。衣服に包まれて見ることは出来ないが、恐らくは身体の方も人間のそれではないだろう。
 白い手袋に包まれた手で彼が城門を押し開くと、城全体から刺すような殺気が感じられる。ガルディア王国軍の噂では、この城には百の魔物がいるらしい。
 彼は皮肉っぽい微笑を浮かべて、エントランスを進んでいった。
 もとより死は覚悟している。仲間への義理は果たし、もはやこの世への未練は一つしかない。亡き友の復讐とガルディア王国を守ることである。
 ――サイラス……。
 心のうちで、今は亡き親友の名を唱え、彼は形見である大剣の柄を握った。前方から複数の殺気が近付いてきたからである。
 大勢の骸骨兵が刀槍をきらめかせてやってきた。少なくみても十匹以上はいる。
 無言で彼が剣を鞘から引きぬくと、蝋燭の炎を反射して星のように輝いた。
彼は地を蹴って、身近な骸骨の胴を一撃で粉砕し、肩口を狙って切りつけようとした骸骨の腕を切断した。
 残った骸骨兵が一斉に襲ってくる。いくつもの剣光が交差して、骨の破砕音が城の廊下に響き渡った。倒された骸骨が山と積もり、廊下の不吉なオブジェとなった。
 剣を縦横に振るいながら、ふと彼は違和感を覚えた。何かが足りなかった。心のうちにぽっかりと穴が空いたようだ。
 自分でも分からない気持ちに戸惑いながら、最後の敵を倒したとき、彼はようやく違和感の正体に気が付いた。それは仲間がいないからである。
 共に戦い、そして共に勝利を喜び合える仲間。そんな仲間が彼にはいた。
 ――自分で決めた事だ。
 ちょいとやぼ用でな、と彼が仲間の許を発ったのは三日前の事であった。魔王との因縁は一人で決着をつけると決めての事だ。
それに後悔はない。だが、この気持ちは何なのだろうか。仲間達の存在が自分の中でこれほど大きくなっていたのかと、彼は今さらながらに気付かされた。
勝利の喜びも仲間がいなくては味気ないものだ。
 石の廊下を進みながら、彼は左胸に着けたバッジに手を触れた。仲間との出会いのきっかけをくれたバッジだ。サイラスの遺品の一つでもある。
 サイラスを自分の身代わりに亡くし、彼は長い間、腐り果てていた。酔い潰れるまで酒を飲む毎日だった。
ついには、サイラスの形見であるバッジまで無くしてしまった。そのとき、彼の心は完全に死んだ。すべてがどうでも良くなってしまった。
だが、そんな彼にバッジを届けてくれた者がいる。クロノ達だ。彼らはいかなる手段を用いてか、サイラスの形見であるグランドリオンまで直してくれた。
 それからは彼らの恩に報いる為、そしてサイラスの意志を継ぐために旅に出た。
その旅の終着点が、今この時である。一人でも成し遂げねばらない。
 蝋燭の薄明かりで照らされた廊下を、彼は毅然と胸を張って進んでいく。やがて一つの部屋にたどり着いた。
室内からは恐ろしい程の剣気が漂いだしている。
 かなりの手練がいる、と剣士の感が告げていた。慎重に扉を押し開き、身構えて部屋に進む。すると、室内は誰もいない空っぽだった。
しかし剣気だけは、相変わらず皮膚に突き刺さってくるようだ。
 彼は、ゆっくりと剣を抜き放ち、正眼に構えた。それが合図だったかのように、虚空から不意に人型の魔物が出現する。
「おろかな……。久方ぶりに死に急ぐものが現れたか!」
 言うが早いか、魔物は壁に掛けてあった刀を引き寄せる。鍔鳴りと斬撃はほとんど同時だった。刀身が激突し、青白い火花が二人を照らした。
 一合を交えると、二人は飛びすさって距離をとった。一太刀交わしただけで、お互いの力量が手に取るように分かる。
戦いに明け暮れた彼の人生の中でも、類をみない雄敵であった。
 二人はお互いの隙を見出そうと、弧を描くように室内を動く。先に仕掛けたのは魔物のほうだった。
一足飛びでかれの懐に入り込み、ななめから長刀を撃ちおろした。迎え撃つ彼の刃と敵の刃が噛みあい、耳を刺す金属音が脳に響く。
 一撃を受け止められても、敵は攻撃をゆるめずに猛然と刃を突き出した。
斬りこみ、突きこみ、薙ぎこみ、連続する敵の攻撃は熾烈を極め、刃鳴りは止むところをしらない。
斬撃の応酬はすでに三十合を超えていたが、実のところカエルには少し余裕が出始めていた。
 敵が得物とする日本刀の相手には慣れていたのだ。旅の間中、暇さえあれば剣の稽古をしていた。
彼は魔物以上の日本刀の使い手を知っている。そして、幾度となく刃をまじえていた。
 カエルが敵の刀をはねあげて攻勢に転じた時、攻防の均衡は一瞬にして崩れ去った。
体勢を崩した敵に剣閃が奔り、彼の剣が頚部を薙いだ。魔物の首は血の尾を引いて、部屋の端まで飛んでいった。続いて身体が床に崩れ落ちた。
 戦いで乱れた呼吸を整えつつ、彼は剣を振って血を払った。敵ながら大した力量のものであった。
もし今の敵が人間に生まれていれば、と少し惜しい気がする。きっと立派な騎士に成れたのではないだろうか。
卓絶した剣技もさることながら、その騎士道を感じさせる行動――。
 彼は抜き身の剣を掴んだまま、おもむろに部屋の奥へ進みいった。彼が入ってきたのとは違う扉を開ける。
 荒れ狂う大河のような殺気の奔流が室内に流れ込んできた。
赤い絨毯を敷かれた薄明かりの廊下には、埋め尽くすような数の魔物がひしめいていたのである。
 先ほどの魔剣士にその気があれば、彼は数の利を生かして戦う事もできたはずであった。
だが、彼はそうはしなかった。言葉こそ一言も交わさなかったが、カエルは確かに魔剣士から騎士道精神の欠片を感じた。
 カエルは無造作に廊下に進み出て、近付いてきた狼のような魔物を横薙ぎにした。墳血がそそぐ中を悠然と歩いていく。先はまだ長く、そして夜明けもまだ遠い。
 連続して、魔物に断末魔を歌わせながら、彼は城の奥へと歩を進めていった。
 闇がより深くなったような気がする。城の中間とおぼしき場所を過ぎた辺りで、カエルは唐突に足をとめた。
夜気が凍えるような冷たさを帯び、強烈な魔力が彼の肌をなでる。
 やおら剣の鞘を払うと、カエルは虚空に剣先を向けた。
「いるんだろ。出てこい」
 周囲の闇が中空の一点に集まっていき、やがて一人の魔物に姿を変じる。
「ほう」
 カエルの口から驚きの声が漏れた。現れたのが珍しい女性の魔物だったからである。暗赤色の長い髪を一つに結って背中に流し、白いドレスを着ていた。
 整った眉に筋の通った鼻、ぽってりとした厚い唇は桃色に濡れている。人間の美的感覚からしても、なかなかの美人だといえよう。
 ふいに、カエルが大きな口の端を歪めて笑った。自嘲の笑みである。醜いカエルの姿をしている自分に、誰かの容姿を批評する資格があるのか、と思ったのだ。
 中空で停止した魔物が挑発するような笑みを浮かべた。
「一人であたいとやろうなんてネ!」
 風もないのにドレスの裾が舞い上がり、魔物の魔力が室内を満たしていく。
攻撃は唐突であった。魔物の手が光ったかと思うと、次の瞬間にはカエル目がけて電撃が一直線に奔っていた。
 カエルの手に握られた大剣が雷を切り散らす。彼が電撃を防ぐ事ができたのは、攻撃に先んじて動いたことと、武器としているグランドリオンのおかげであった。
 伝説の武器であるグランドリオンは、魔法でさえも切ることが出来るのだ。

修正ver
 一撃を受け止められても、敵は攻撃をゆるめずに猛然と刃を突き出した。
斬りこみ、突きこみ、薙ぎこみ、連続する敵の攻撃は熾烈を極め、刃鳴りは止むところをしらない。
互いの身体には大小の傷が生まれ、白い閃光に赤い色が混じる。
 鋭い踏み込みとともに放たれた突きを、カエルが大剣の腹で受け止めた。敵が刀を引くのと同時に、今度は彼のほうが踏み込んだ。
強烈な横薙ぎの斬撃を加える。魔物は大剣を刀で受け止める愚を避け、身を低く沈めて躱し、がら空きの胴体を狙う。
硬い金属音が鳴り響いた。剣を戻すのが間に合わないと悟ったカエルが、左手で剣の鞘を掴み、刃と身体との間に差し込んだのだ。
 そして、空振りした大剣の軌道をすぐさま変じ、カエルは再び魔物に斬りつける。魔物は飛び退り、正眼に構えなおしたかと思うと、ふいに刀を鞘に納めてしまった。
 どうしたのか、とカエルは訝ったが、すぐに敵の行動の意味を悟る。
日本刀には抜刀術という技がある事を、彼は知っていた。彼の仲間には、魔物と同じ日本刀の使い手がいるのだ。
 魔物が刀の柄に手をかけ、姿勢を低くして、跳躍の構えをとった。剣気が熱波となって押し寄せる。
カエルが斬撃に備えて神経を研ぎ澄ますと、魔物が爪先で床を蹴って跳んだ。きしるような鞘走りの音が響き、加速された剣先が鞘からはじき出される。
 必殺の速度を秘めた抜きつけであった。達人の技といってもよいだろう。だが、魔物が振るう刀の先には、すでに大剣が待ち構えていた。
魔物の顔が驚愕に歪む。音高く激突する二つの刃が火花を散らせ、必殺の一撃を弾かれた反動で魔物は体勢を崩した。
 刹那、カエルの剣が光芒を放つ。大剣が短く白い弧を描き、魔物の首が中空を舞った。
魔物の首は血の尾を引いて、部屋の端まで飛んでいった。続いて身体が床に崩れ落ちる。
 戦いで乱れた呼吸を整えつつ、彼は剣を振って血を払った。勝利を掴めたのは奇跡に近い。
明暗を分けたのは、カエルに抜刀術との戦闘経験があった事だろう。それゆえ、どういった部位に撃ち込みがくるか、そういった事が分かったのである。
剣筋を見てからでは間に合わない。だから、先に動く必要があった。予想した部位に攻撃がきたのは、僥倖といってよいだろう。
まったく、敵ながら大した力量のものであった。

おまけ
ロリベ先生が斬る
176 名前:作家志望 ◆JSuk2dxRQ6 [sage] 投稿日:2010/09/08(水) 21:25:15 ID:o9MO8Ezh0
>>175
すまんが君のは参考にならん
したり顔で言ってる事といえばブックオフの100均コーナーにある
執筆本にも書いてあるような事だからだ

特別に教えてやろう、キャラを立てることだ(キリッ
これなんて小説に限らず常識だ
芸能界でさえ大勢の中で沈み込まないように
キャラ立たせの大切さを説いている

>>156
これも突っ込みどころは多い
>>この辺境のガルディア王国でも珍しい。
辺境ではない

>>カサカサと逃げまどった
ゴキブリかよ、と
おぞましい雰囲気を出したいなら、言葉選びを考える必要がある
言葉選びの重要さは、ベストセラー作家も口を酸っぱくして言ってるところだ(クーンツさん)
たとえば、全盛期の田中さんが書いた戦記物の妙は、その言葉選びの巧みさにあるといってもよい

>>濡れたカエルの肌にボロをまとっただけの姿ではあるが、彼は周囲を威圧し、誰よりも尊大に荒野を歩いた
これもダメだ
キャラ立ちを説いていながら、何で憶測でキャラの描写をかけるのか
カエルは尊大な振る舞いなどするキャラではない
それにここでは少し正確な服装の描写がいる
カエルEDを見れば理由は分かる

>>カエルは剣を抜き、覚悟を決めるかのごとく鞘を捨てさると、ゆっくりと城門を押し開いた。
鞘を捨てるな、剣士・武士にとって鞘は生の象徴だ
剣を鞘に納めるという事は、戦いに勝って生き延びることを意味してる
覚悟を決める事と、生を諦める事は別の話だ

>>声に出してつぶやいたはずなのに、カエルの口からは獣じみてくぐもったうめき声が、小さく漏れただけであった
カエルは喋れます

あんた本当に任豚かよ、SFC屈指の名作であるクロノをプレイしてない任豚とか
FCでマリオをプレイしてないようなもんだ
ゼノギアス・クロノトリガー・幻想水滸伝2はゲームヲタを自称するならやっとけ

178 名前:作家志望 ◆JSuk2dxRQ6 [sage] 投稿日:2010/09/08(水) 21:39:13 ID:o9MO8Ezh0
ああ、一応付け加えとくと
まったくの未経験ではないんだなと思ったよ
でも、実力にそぐわない態度と知識を持ってるフリはやめた方がいい

言葉だけを聞いてると、島田荘司並の筆力の持ち主におもえる
彼ぐらいの筆力があればいいんだけどな
アトポスの中のエリザベートバートリーの話とか
本職のホラー作家が裸足で逃げ出すレベルの臨場感があった

184 名前:作家志望 ◆JSuk2dxRQ6 [sage] 投稿日:2010/09/08(水) 22:42:22 ID:o9MO8Ezh0
>>181
謙虚さが足りないですよ
一つ一つの言葉選びに配慮できないものは、3流作家にはなれても1流作家にはなれない
いくつものベストセラーを生み出した作家が言った言葉です
キャラ立たせが一番大事とは、あなたの考えはラノベ作家のそれだな

まあ、何が一番大事かは作家の中でも意見が分かれている
それぞれの考えを大事にすればいいさ

だが、さっきも言ったように技量と知識に釣り合わない態度はやめたまえ
自分で思ってるほど、あんたの文章は上手くない、ハッキリ言ってな
過去の創作経験をちっぽけなプライドの拠り所としてるんだろうが、
もうちょっと冷静に自分の文章を見直すんだな


告白すると、私は口ではデカイことを言ってはいるが
実際、自分の文章が未熟な事は自覚しているし、好きな作家の文章を真似て
自分のものとしたいと必死に練習してる

田中芳樹や宮城谷昌光、ラノベ系だと講談社の高里さんの言葉選びのセンスと
女性特有の温かい話の作りに惹かれた

表現法が大きく異なる三者だが、それぞれの良い所を吸収しようと努力してるつもりだ
掲示板で言ったところで信用されるはずもないだろうがな
しかし、自己満足に浸って努力も出来ない(もうする気もない?)
あなたと違って私には現実としての目標と、そして情熱がある

悪いが同じプロ未満でも根本が違うんだよ
あなたはネットコミュにある駄サイクルを、一人で作り上げて悦に入ってるだけだ

237 名前:作家志望 ◆JSuk2dxRQ6 [sage] 投稿日:2010/09/10(金) 12:07:28 ID:gvo2nsEV0
キャラが立ってるかは微妙だが、基本的には確かに上手いな
ただ戦闘描写は下手だわ
長い割に中身がない
あまり本当の剣術の知識とかがなければ変な事は書かないほうがいい
戦闘のタイプ的には剣客ものの時代小説っぽいが、知識がないから薄っぺらい
ちなみに引き戸は下ろさない

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2010年09月11日 00:33