準素群のフラッチニ部分群が巡回群でなければ,その中心も巡回群でない。 交換子群の指数がp2以下の非可換群をフラッチニ部分群とする準素群は存在しない。
(定理1) 準素群のフラッチニ部分群が巡回群でなければ,その中心も巡回群でない。
Gを最小位数の反例とする。Φ(G)は可換でない。CをΦ(G)の中心に含まれる位数pの部分群とする。Φ(G)が非可換であるから,Φ(G)/Cは巡回群でなく,Φ(G)/C=Φ(G/C)の中心も巡回群でない。Φ(G)/Cの中心に含まれる位数pの元が生成する群をH/Cと書く。H/Cは可換群である。また,H/CはΦ(G)/Cの特性部分群であるからG/Cの正規部分群である。Hの位数はp3以上であり,Hの各元の位数はp3以下である。
AをHに含まれるGの位数p3の正規部分群とし,BをAに含まれるGの位数p2の正規部分群とする。Bが巡回群でなければGが反例にならない。Bの生成元bの共役類はbnp+1の形に限られてp個以下であるから,その中心化群CG(b)の位数はp以下である。即ち,bの中心化群はΦ(G)を含み,Φ(G)の中心がbを含む。位数p3のAが位数p2以上の中心を持つから,Aは可換である。Bに含まれないAの生成元aの共役類はabnpの形に限られてp個以下である。即ち,Φ(G)の中心がaを含む。Φ(G)の中心はAを含むから巡回群ではない。
(定理2) 交換子群の指数がp2以下の非可換群をフラッチニ部分群とする準素群は存在しない。
Gを反例,DをΦ(G)の交換子群,NをGの正規部分群であるDの極大部分群とする。NがΦ(G)の交換子群より小さいから,Φ(G)/Nは非可換群である。然し,Gが反例であるから,|Φ(G)/N|=[Φ(G):N]=[Φ(G):D][D:N]≤p3である。位数p3以下の非可換群の中心は位数pの巡回群であるから,Φ(G/N)=Φ(G)/Nが定理1の反例になる。