アットウィキロゴ

交換子

群の元xyにつき,[x,y]=x−1y−1xyを交換子という。以下の関係式は容易である。

[y,x]=[x,y]−1
[x,y]s=[xs,ys]
[xy,z]=[x,z]y·[y,z]
[x,yz]=[x,z]·[x,y]z

XYGの部分群であるとき,元毎交換子の集合が生成するGの部分群を[X,Y]と書く。

[X,Y] = ([x,y] | xX, yY)
[X,Y]=[Y,X]
[XY,Z]=[X,Z][Y,Z]

XYが正規であれば[X,Y]も正規である。交換子群G′=[G,G]はG全特性部分群であり,当然,正規部分群である。

三部分群補題

XYZGの部分群とする。Gの正規部分群Nが[X,Y,Z]と[Y,Z,X]を含めば[Z,X,Y]をも含む。これはウィットの恒等式から得られる。

(ウィットの恒等式) [x,y−1,z]y·[y,z−1,x]z·[z,x−1,y]x

ウィットの恒等式は力尽くで計算すれば確かめられる。任意のxX,yY,zZにつき,[x,y−1,z]∈N,[y,z−1,x]∈Nであるから,ウィットの恒等式により[z,x−1,y]∈Nである。[Y,Z]の各生成元とxの交換子がNに属するから,[Y,Z]の各元とxの交換子もNに属する。xXの任意の元であるから[Z,X,Y]≤Nである。

以下は三部分群補題の容易な系である。

[H,K]≤Z(K) ⇒ [H,K,K]=1 ⇒ [H,K′]=1

交換子の集合

交換子の積は一般には交換子でなく,交換子の集合は一般には群でない。この例を示す。

K=(a, b | a2, b2, abab)
Q=(i, j | q4, i2j2, ijij3)
C=(c | c3)
G=(K×Q)⋊C, ac=b, bc=ab, (ab)c=bab=a, ic=j, jc=ij, (ij)c=jij=i

Kクラインの四元群Q四元数群であり,Gは位数96の群になる。 Gの交換子の積[i,j]·[a,c]=i2abGの交換子でない。

最終更新:2010年02月17日 01:10
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。