Gを位数168の単純群とする。 Gのシロー7群は8個,シロー3群は7個か28個である。位数21の元があればシロー2群が唯一になってしまう。3群が7個では7群の正規化群が唯一,7群も唯一になってしまう。3群は28個である。位数6の元があればシロー2群が唯一になってしまう。以上により,位数7の元は48個,位数3の元は56個,位数2冪の元は残る63個である。
位数2冪の元が63個であるから,21個のシロー2群の内に自明でなく交わるものがある。その交わりCの正規化群について考える。|NG(C)|は4より大きい4の倍数であるが,|NG(C)|=12は3群の正規化群の位数によって否定され,|NG(C)|=28と|NG(C)|=56は7群の正規化群の位数によって否定される。結局,NG(C)は4次の対称群S4に同型であり,シロー2群は二面体群,シロー2群の交わりCは四元群である。
位数4が42個,位数2が21個,また,GからA7への準同型単射がある。
群Gが位数nの巡回群Hを部分群として含み,HがGのシローp部分群Pを含むとき,Gは少なくともφ(n)[G:NG(P)]個の位数nの元を含む。但し,φはオイラーの捻れ関数を表す。
∵ PiがGのシローp部分群とする。 シローp部分群は互いに共役であるから,各iにつき,Pi=x−1Px≤x−1Hx=Hiとなるx∈Gがある。 各HiはHと同型であるから位数nの巡回群であり,φ(n)個の位数nの元を含む。 また,HiとHjが位数nの元を共有すればHi=Hjとなってしまう。
位数24の群は,4次の対称群を除き,位数3か位数8の正規部分群を持つ。 位数56の群は,位数7か位数8の正規部分群を持つ。
偶数次の交替群は次数より小さい全ての位数の元を含む。例えば,A6は位数5の置換(12345)や位数4の置換(1234)(45)を含む。