626 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2006/10/16(月) 05:34:56
ID:IUP+WRFM
「なっ、なんでテメェがココに居やがるッ!!」
開口一番、ライラが大声を上げた。
しかしテメェ呼ばわりされた当の本人は、黙々とダンベルを持ち上げ続け、
ようやく回りの雰囲気がおかしいのに気が付いたのか、周りを見渡し、そして目が合った。
「なんだ。お前か」
その当の本人、カンナは心底詰まらなそうに呟いた。
そしてライラの顔を見て眉を顰める。
「いったい何だ?その禍々しいマスクは、デビュー前からヒール気取りか」
「テメェだってふざけたマスク着けてんじゃねーか。謎のマスクマンでも気取ってんのかよ」
ライラの言い返しにカンナはフッと鼻で笑うと、中指でマスクの上から額をトントンと軽く叩く。
その仕草が癪に障ったのか、ライラの目が血走り、ビリビリとした殺気を発散させる。
あまりに凶暴なその気に、他の先輩レスラーも気圧されて何も言えずに見守るだけだった。
唯一違ったのは、ソレを一身に受けるカンナ。
「いつまで経っても変わらんな。少しは大人になったと思っていたが、あまり失望させるな」
「テメェ・・・」
さっきまでとはライラの放つ気が変わる。
それまでは危ないと言ってもまだ一線は越えない。そう思わせるモノがあった。
だが、今度のコレは本当にダメだ。
なんとかしなければ、そう思うが恐怖に縛られて動けない。
「あら?どうしたの?」
その場にあまりに似つかわしくない声が響き、場の緊張が途切れる。
声の主は入り口のライラの真後ろ、理沙子だった。
627 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2006/10/16(月) 05:35:31
ID:IUP+WRFM
>>626の続き
「喧嘩はリングの上でね」
口調こそ優しいが、その内には現在日本で最強の称号を賜るトップレスラーの、
一切の拒否を許さない圧倒的な圧力があった。
周りの人間を動けなくするほどのライラの殺気も、その圧力の前にあっと言う間に押し潰される。
ライラに出来たのは、1つ舌打ちを鳴らして理沙子の傍から逃げ去る事だけだった。
ほっと一息吐く一同。そしてカンナは何事も無かったかの様にトレーニングに戻った。
「クソッたれがっ」
親日道場を出ると、ライラは毒吐いた。
カンナのあの気に食わない空かした態度は相変わらずだった。
だがソレ以上に許せない事があった。
あの女、理沙子に自分がビビッてた事。
「カカカカ・・・見てやがれ。どっちもぶっ潰してやるぜぇ」
一方、ちょうどロードワークから戻ってきた正義のヒロイン、レッスルレッドこと藤原和美。
「ヒール発見っ!!そこな道行く金髪マスクの怪しいあなたっ!ちょいとばかし止りなさいっ!」
「あ?」
翌日、ボロボロになった藤原が道路に捨てられてたとかいないとか。