775 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2006/10/24(火) 02:24:51
ID:W1bXPNjJ
ある平日の休暇日――
辻「探偵事務所ばかりでオバチャンちにお呼ばれされるのは初めてだね」
北条「ガーデンパーティーと聞いたが、これは完璧な正装が求められるな」
富沢「燕尾服がレディのお召し物と言えるのかしらねぇ。私みたいにドレスでないと」
北条「首からコスパのタグを出してる女に言われたくはないな」
滝「まぁまぁ、北条クンも富沢クンも、私のエレガント極まりない盛装には
かなわないのだから、無益な争いはやめたまえ」
辻「あー、これ「ベルばら(ベルリンの赤い薔薇)」の舞台衣装だよねーかっこいー」
北条「お古を出してくるとはな、辻の着物の方がまだ完璧に近いぞ」
滝「くっ…」
富沢「香澄ちゃんのは可愛いわね。新しくあつらえたの?」
辻「ううん。七五三の時のを仕立て直しただけだよ」
一同「……」
早瀬「あっ、みなさーん待ってくださーい!」
北条「遅い」
早瀬「中学の時の制服が箪笥からなかなか見つからなくて……
正装ってそういう意味じゃないんですか?」
富沢「………行くわよ」
776 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2006/10/24(火) 02:25:51
ID:W1bXPNjJ
市ヶ谷邸――2メートルは越す巨大な門扉の向こうには
豪奢この上ない白亜の宮殿が霞んで見える。
玄関と呼ぶには仰々しい建造物の前には1台のリムジンが停まっていた。
執事「お待ちしておりました。当家の庭園にて麗華お嬢様がお待ちです」
リムジンに揺られること10分ほど。
様々な様式の庭園や林を抜けた先に開けたフランス式庭園があった。
その中央近くにテーブルとイスが用意されている。
市ヶ谷「オーホホホホ!待ちくたびれましたわ!さあこちらにおいでなさい!」
辻「市ヶ谷のおばちゃーん、こんにちわーおめかししてきたよー、って……」
市ヶ谷「どうしましたの?さあ座りなさい!今掬って差し上げますわね。」
白い割烹着、市ヶ谷の脇には寸胴鍋――
滝「市ヶ谷センパイ、これはフォーマルなパーティーだと聞いたが…」
市ヶ谷「その通り!市ヶ谷家伝統の芋煮会ですわ!本来ならこのような席に
下賎なあなた方は出ることは叶わない事ですが、
私の特別のはからいで呼んで差し上げましたのよ、
感謝しなさい!オーホホホホ!」
新しくはなくとも晴れ着は晴れ着、汚さぬようにおっかなびっくり芋の子汁をすする5人であった。
市ヶ谷「おかわりは沢山ありますことよ!オーホホホホ!」