92 名前:名探偵香澄Refrain[sage] 投稿日:2006/11/15(水) 23:56:33
ID:TZ6TO4Ft
須那市「小川法律事務所」
市ヶ谷と辻の前に座る小川法律事務所所長・小川ひかるは神経質そうに眼鏡の奥を光らせた。
小川「わざわざすみません。このような所へお呼び立てしまいまして、探偵の市ヶ谷さん。」
市ヶ谷「なんの・・・この『美人名探偵』市ヶ谷麗華が来たからにはもう安心ですわよ。」
小川「ところで・・・中江はどうしました?」
市ヶ谷「あぁ、あのエキストラでしたら前回、抹茶苺大福を食べた後にポッコリと逝ってしまいましてよ。
その後、ギャラもらって、そそくさと家路についたんじゃなくって?」
小川「・・・そうですか・・・チョイ役とはいえ、初の実名ゲスト出演。さぞ本望だったことでしょう。」
辻「ネェネェ小川先生。中江さんは肝心な事を言う前に逝っちゃったんだ。詳しいお話を聞かせてよ。」
小川「そうでしたか・・・肝心な事も出来ずに・・・あの下衆な役立たずの豚が・・・それではお話致します。
猫神製薬会長がお亡くなりになったお話くらいは聞きましたね?
その数十億とも言われる莫大な遺産を三人のご息女のどなたかが、相続することになっており、その遺言状の発表が
明日、猫神本家にて行われます。」
市ヶ谷「たった数十億ぽっちで・・・スケールの小さい話ですわねぇ・・・」
小川「まぁ市ヶ谷さんの宇宙のスケールはともかく。市ヶ谷さんにはその場に立ち会って、何か事が起きるのを防いで頂きたいのです。」
市ヶ谷「事が起きる・・・フッ・・・見えましたわよ!その遺産相続を巡って血みどろの泥レスプレイが行われようとしているんですのね?」
小川「ありていに言ってしまえばそういうことです。その三人のご息女というのが・・・なかなか癖のあるどうしようもないドラ娘な方々で・・・」
市ヶ谷「よくあるパターンですわ・・・おろかな庶民にありがちな・・・」
小川「中江が殺されたとなると、ただ事では済まない事態になりかねません。何卒、ご助力を・・・」
市ヶ谷「わかりましたわ。この『美人名探偵』市ヶ谷麗華に万事お任せですわよ!」
93 名前:名探偵香澄Refrain[sage] 投稿日:2006/11/15(水) 23:57:04
ID:TZ6TO4Ft
辻「ネェネェ市ヶ谷のオバチャン。」
市ヶ谷「なんですのよ?お腹が空いたなら、さっき買ってあげた『よいこの健康カルシウム牛乳』を・・・」
辻「違うよ!明日、大丈夫かなぁ・・・ボク、なんか不安だよ。」
市ヶ谷「何を弱気な!この私が来ているのです。何も恐れることはありませんわよ・・・って小川さんの言っていた
ホテルはいったいいずこに?それらしき建物はございませんことよ!」
辻「あ、オバチャン、あれだよ!あそこ!『須那ホテル』って看板出てるよ。」
市ヶ谷「・・・・・ホテル?どうみても馬小屋にしか見えませんことよ!」
???「どこが馬小屋ですって!失礼ですよ!!」
市ヶ谷「!?この市ヶ谷麗華の背後を取るとは大胆不敵!何奴!?」
市ヶ谷と辻の背後には土地の者らしき少女が立っていた。
???「私はこの『須那ホテル』の女中・菊池理宇です!ここは由緒正しいホテルなんですよ!」
市ヶ谷「これのどこがホテルです!!木造二階建ての普通のありきたりなどこにでもある庶民の一軒屋ではありませんの!!」
菊池「誰が何と言おうとホテルです!そういう貴方は誰なんですか!!」
市ヶ谷「誰なんですか?・・・そう聞かれれば応えねばなりませんわね!私こそ『春日部に咲いた一輪の薔薇』こと
美人名探偵市ヶ谷麗華ですわよ!」
菊池「!?探偵さん!!すごぉーい!!本物の探偵さんって私、初めてみましたよ!で、そちらのお嬢ちゃんは?
アクション幼稚園の遠足バスはもう帰っちゃったよ。」
辻「ボクは市ヶ谷のオバチャンのアシスタントの辻香澄!もう高校生だよ!」
市ヶ谷「女中さん、こんなスカポンタンなジャリガールの戯言は無視して結構。とにかく宿を所望ですわ!お部屋へ案内して下さる?」
菊池「あ、はい!すぐにお部屋をご用意しますね、探偵さん!!」
市ヶ谷「あと・・・このホテルのドックはどこかしら?」
菊池「ドック?・・・人間ドックなら山向こうの県病院にいかないと・・・」
市ヶ谷「人間ドックではありませんことよ!宇宙船ドックはどこかと聞いてるんですのよ!ほら、あれなる我が
母艦『ドゴス・ギア』を係留するドックですわ。」
辻&菊池「そんなもんあるわけないでしょ!!」