279 名前:名探偵香澄[sage] 投稿日:2006/10/01(日) 00:20:50 ID:HWsFMvr9
埼玉県春日部市にある市ヶ谷探偵事務所に元気な声がこだまする。
辻「オバチャァァァン!市ヶ谷のオバチャァァァァ~ン!!」
市ヶ谷「お黙り!!このジャリガール!!その歳で近くて遠い国に売り飛ばされたいんですの!!」
辻「オバチャンに電話だよ。」
市ヶ谷「電話・・・ふぅまたファンからの励ましのお電話ですのね・・・まったく愚劣な庶民に付き合う暇は私には・・・」
香澄から電話を受け取った市ヶ谷はやれやれといった感で話を始めたが・・・
市ヶ谷「・・・・・・・ジャリガール!すぐにチャーター機の用意を!!機内食はトロサンマ焙り焼き寿司を添えるように!
すぐに千葉に飛びますわよ!!」
辻「どうしたのオバチャン?」
市ヶ谷「事件が・・・またしても事件がこの名探偵市ヶ谷麗華を呼んでいるんですのよ!」
千葉県某所。佐久間邸・・・近隣の住民は「エンジェル御殿」と羨望のまなざしで呼ぶ豪邸である。
井上「あぁぁ・・・名探偵の市ヶ谷麗華様ですね。私が電話を差し上げた当家の執事で井上霧子と申します。」
市ヶ谷「わざわざ出向いてさしあげましたわよ。で、現場はどこですの?」
井上「はい・・・こちら・・・」
越後「?市ヶ谷君じゃないかね?」
市ヶ谷「!!越後警部殿!警部殿がなぜこのような場所に?」
市ヶ谷と香澄を出迎えたのは警視庁捜査一課の越後警部であった。
越後「まさか・・・君がこの事件に一枚噛んでいるんじゃないだろうね?」
市ヶ谷「オーホホホホ!!私がではなく事件が私に噛み付いてくるんですのよ。というより事件解決の依頼を受けて参ったんですの。」
市ヶ谷は越後警部にこれまでのいきさつを説明した。
281 名前:名探偵香澄[sage] 投稿日:2006/10/01(日) 01:03:24 ID:HWsFMvr9
市ヶ谷「・・・というわけでこの最果ての地に急行したしだいですの。」
越後「う~む、よりによって君を指定するとは・・・とにかく来てくれ。現場はこっちだ。」
越後に促され、館内の一室に通される市ヶ谷達。
越後「ここだよ・・・この中に被害者でこの館の主阪口正吉氏が・・・」
室内はデスクにソファーといった家具があるが窓はない。ソファーには初老の老人が首をへし折られて事切れている。
市ヶ谷「警部殿、これは私が出向くほどの事件ではないようじゃなくって・・・」
越後「・・・・それがそうでもないんだよ。発見時、この部屋は内側からカギが掛かっていたんだ。」
市ヶ谷「!!それは・・・まさに密室!!この窓のない部屋で内側からカギが掛かっていたとなると、完全な密室殺人ではないですの!!
面白くなってきましたわ・・・密室殺人・・・まさにこの美人天才名探偵市ヶ谷麗華に対する挑戦ですわね!!」
越後「まぁ理由はどうあれ、密室は密室だ。関係者の方に集まってもらっている。一緒に話を聞いてくれたまえ。」
越後の背後には3人の女性がたたずんでいた。
武藤「武藤めぐみ。この家の家政婦。」
南「南利美です。この家の運転手をさせて頂いています。」
氷室「氷室です・・・・・・・運命。」
市ヶ谷「そろいもそろって仏長ツラの可愛げのない庶民達ですわねぇ・・・そう思いませんことセバスチャン?」
井上「?私の名前は井上・・・」
市ヶ谷「執事といえば200億年前からセバスチャンかギャリソンと相場が決まってるんですのよギャリソン。」
井上「はぁ・・・」
越後「まずは皆さんのアリバイを伺いたいのですが。」
282 名前:名探偵香澄[sage] 投稿日:2006/10/01(日) 01:11:21 ID:HWsFMvr9
武藤「私はずっと台所にいたよ。」
南「私は外の車庫でバイクの整備をしていました。悲鳴が聞こえた時に駆けつけてドアを蹴破ったのも私です。」
氷室「・・・・・テレビ見てた。グルグルどっか~ん踊ってた。」
越後「市ヶ谷君、ここだけの話だが、この三人はかなり被害者に恨みを持っていることが分かっている。」
市ヶ谷「・・・・なるほど。」
辻「ネェネェ、市ヶ谷のオバチャン。」
市ヶ谷「!!キィー!このジャリガール!さっき買ってあげたヤマザキのクリームパンでも食べて大人しくしてなさい!!」
辻「ううん、美人天才宇宙一の名探偵のオバチャンならトォォォォォォォ~ックの400億年前にお見通しだと思うんだけど
このお爺さん、お口にマスクしてるよ。風邪でも引いてたのかなぁ?」
市ヶ谷「バカね、このジャリガールは!このような最果ての地は私達の住む都会と違って花粉というものが・・・」
辻『ここまで言っても気がつかないの?またアレやらないとダメだなぁ・・・・』
市ヶ谷「そもそも花粉というものはですわねぇ・・・・」
辻「オバチャン・・・ゴメンネ。」
辻香澄、渾身のフィッシャーマンバスターが炸裂!
市ヶ谷「アンギャァァァァァッァゥ!!!・・・ちょっとこれが癖になりそうですわ・・・・ガクッ」
越後「?またかね市ヶ谷君、君はいつもそんな大げさな儀式をせんとまともに推理できんのかね?」
市ヶ谷の声真似をする辻「オーホホホホ!!そんな細かいことを気にしてはなりませんわ、警部殿。それよりこの事件の真相が見えましたわ。」
越後「なんだって?いったいだれが、そして密室のトリックは?」
市ヶ谷の声真似をする辻「まぁそんなに焦らないで警部殿。まずは先ほどの証言で嘘を言っているかたが一人だけいるんですのよ。おわかり?」
越後「嘘?誰が嘘を言っていると言うんだね。」
市ヶ谷の声真似をする辻「その嘘を言っている方こそ犯人ですわ!!そう・・・あなたですわよ!!」
次回予告:ついに暴かれる密室トリック!その全貌はいかに・・・
名探偵香澄「サブミッション・エンジェル」
ネクスト香澄ヒント!!「マスク」
辻「誰が嘘を言ってるかわかったかな?電気を大切にね(^o^)」