麻雀SS

284 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2006/10/01(日) 01:27:14 ID:DJgEmWri
地方巡業で杉浦美月とドルフィン早瀬が相部屋で泊まるホテルの一室。
狭い室内を占めるベッドを立ち上げて寄せて作ったスペースに置いた麻雀卓を囲むのは入居者2名とRIKKA、八島静香。
八島「間違って財布の中身を全部家に仕送りしてしまい、持ち合わせが無い早瀬を助けると思ってだな、半荘でもいいから、な。」
早瀬「あの…賭け事はちょっと……」
八島「ぁン!?人から借りようとか恵んでもらおうとか考えて無いよな。女なら実力で奪い取る、こうでなくちゃ。」
杉浦「早瀬さんがお金に困ってるのはいいですが、なんであたしとRIKKAさんが打たなきゃいけないんですか」
八島「ホラ、お前相部屋だろ、こういう時助けてやらなきゃいつ助けるんだよ。大体誰が得点計算すると思ってるんだ。RIKKAは丁度廊下にいたから声掛けただけだ。」
杉浦「あたし、助ける気なんてサラサラありませんよ。やるからには完膚なきまでに勝たせていただきます。風速は1で。」
八島「オッ、分かってるじゃねえか。じゃあ始めっか」
東一局 親杉浦 南早瀬 西RIKKA 北八島
杉浦「親の利点を生かすためにここは早上がりね…」
早瀬「ここは慎重に字牌から……」北を切る。
RIKKA「……」パシッ。リーチ棒を置く。
八島「いきなりリーチかよ!ダブリーって言いてえのか?」
コクリとうなづくRIKKA。
杉浦「いきなり読めないわ…」北。
早瀬「こういう時こそ平常心、平常心…」西。
パタン。RIKKAが牌を倒す。
杉浦「ダブルリーチ一発自風裏ドラ1、満貫8000点。」
八島「ロンくらい言えよ…」
早瀬「そんなぁ」
杉浦「これは充分予測可能なアタリだったわ。事故とか思わないで。自業自得よ。」

285 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2006/10/01(日) 01:28:11 ID:DJgEmWri
東2局 親早瀬
早瀬「気を取り直して、と。(ダブ東が狙えるわ…ここは鳴きまくるしか!)」イーピン。
シュバッ!眼にも止まらない速度で早瀬の捨てたイーピンが消える。左を見ると順子が置かれている。
杉浦「RIKKAさん、チーですね。」うなづくRIKKA。
八島「やりづれえなあ。」
5順ほどしたところで
早瀬「(やった!東ツモったわ。ホンイツで2面待ちなんて最高!)りぃーち!」
ヒュッ、パタン。RIKKAが牌を倒す。
杉浦「RIKKAさんツモあがりでチャンタのみ。1000点ね。早瀬さん、リーチ棒分だけ丸損ね」
早瀬「やる気失くしそう……」

東3曲 親RIKKA
八島「RIKKAにばっかり勝たせるのもマズいな。お前ぇら、気合入れていくぞ!」
早瀬「このままじゃRIKKAさんに…でも八島さんや美月ちゃんみたいに徹底的にむしられことはきっと無い…よね?」
八島「あー、RIKKAは俺よりエグいぞ。」
早瀬「そんな…頑張らなくちゃ!」
焦る早瀬の気持ちとは別にゲームは淡々と進んでいき
八島「おう、それカンな。」
八島「それもカン。」
杉浦(ああ…八島さんの考えなしでドラがどんどん増えていく…これを上がったら、裏がついたらどうなるかしら…計算するだけで興奮するわ!)
早瀬「美月ちゃん、目が怖いよ」
八島「おおかたドラでも持ってるんだろうよ」
図星を突かれて顔を赤くする杉浦。
杉浦「そ、そんなこと!」
早瀬「そーなんだぁ。じゃあ美月ちゃんには気をつけないとね。」
八島「ローン。トイトイドラ2。杉浦ァ!何点だ?」
杉浦「満貫。8000点。見ればわかるでしょう。」
八島「わかんねえよ。」
せっかくの高得点を潰されて少しふてくされる杉浦。
早瀬「あー、勝ちが遠のく……」
八島「オゥ、RIKKA!お前の好きにはさせないぜぇ。」
RIKKA「……」

286 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2006/10/01(日) 01:28:57 ID:DJgEmWri
東4局オーラス 親八島
八島「ま、軽く一つ上がれば俺の優勝、最下位はもう決定ってとこだな。わるいなー早瀬。終わったら近くの温泉でひとっ風呂浴びるか、杉浦。ところで風速いくつだった?」
杉浦「たしか10だったかと。」
早瀬「えっ、ウソ!1だよね。1000点100円だったよね?」
杉浦「そんなに安くちゃ早瀬さんもお金に困るだろうし、温泉だって満足に入れませんよねぇ、RIKKAさん?」
無言で頷くRIKKA。
八島「なあに、早瀬。勝てばいいんだよ。勝てば。」
杉浦「そうね。私にもまだチャンスがあるんですもの。良くて早瀬さんから現金、悪くて温泉ならねぇ。リスクなくしてリターンなしですよ。」
早瀬「み、みんなひどい……」
八島「泣き事言う暇あったら牌を積みな。」
早瀬「(美月ちゃん、怨むよ……って、これは、キ、キ、キター!国士無双まであと二つ!)そうね、やるしかないわね!かかってらっしゃい!」
杉浦「(配牌が悪いわ…八島さんに流して温泉ってとこね)そういう早瀬さんの虚勢を見ていたら負ける気がしないわ」
八島「(白と自風でトンズラ決めちゃる。)いーい覚悟だ。泣いても笑ってもこれで決めるぜ、スタート!」パンッ!八島の牌を切る音が部屋に響く。
パタン。
杉浦・八島・早瀬「へ?」
早瀬「イーマン、チューマン、イーピン……えっと」
杉浦「国士無双、役満。32000点。八島さんが最下位。ウマをつけて…ざっと3万5千円はRIKKAさんに払って下さい。」
八島「てめえこの忍者…積んだろ。」
RIKKA「……払え……」
八島「ツんだろッつってんだろうが!」
やおら立ち上がりRIKKAを睨みつける八島。
RIKKA「……払えなければ……」
八島「どうだってんだ!オラァ!」
つかみかかる八島。とっさに後方にジャンプ、三角飛びからの蹴りでカウンターを仕掛けるRIKKA。
八島「上等だぁ!タイマンやってやるよ!」
早瀬「きゃー!やめてやめて。私達の寝る所が無くなっちゃう!」
飛び散るホテルの備品、轟く器物破壊音。
バタン!部屋のドアが開けられる。

287 名前:名無しくん、、、好きです。。。[sage] 投稿日:2006/10/01(日) 01:29:27 ID:DJgEmWri
(`・(エ)・´)「こんなに暴れて、一体どういうつもりですか?」
RIKKA「……」
八島「え、と…」
(`・(エ)・´)「問答無用です。」
ゴスッ、ゴスッ。パイルドライバー2連発。
(`・(エ)・´)「社長にこってり搾られて貰いますからね。」
のびた八島とRIKKAを両脇に抱え、グリズリーは去っていった。
早瀬「これで、終わり…かな…」
杉浦「なんだったのかしらね…」
早瀬「じゃあ麻雀も無かった事に…」
杉浦「しないわ。」
早瀬「ええっ?」
杉浦「だってウマをつけたら私、あなたに5千円は払ってもらわないと。」
早瀬「その…私がいま持ち合わせが無いってことは…」
杉浦「もちろん知ってるわ。だから東京の本部に帰るまでの五日間、私の世話係をしてもらうわ。日給1000円でね。」
早瀬「そーんなー。」
杉浦「じゃ、最初の仕事よ。この部屋、一人で片付けといてね。私はお風呂入ってくるから。」
早瀬「ううっ。やっぱりみんなひどいよ……」

最終更新:2008年01月26日 23:13
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