320 名前:ぽっこ(ry[sage] 投稿日:2006/10/02(月) 01:52:21
ID:8AOlvznU
ぽっこり龍子。秋の夜長に大爆闘スペシャル!
――She was hesitating on the day.(その日彼女は迷っていた)
One's dear husband's birthday had been forgotten.(愛する夫の誕生日を忘れていたのだ)
「…… to make way …… darling feel sorry」(どうしよう……ダーリンきっと悲しむ……)
Her foot headed for the shopping street momentarily of the idea so.
(そう考えた瞬間、彼女の足は商店街へと向かっていた)
――どうしよう。
寮を出てすぐ彼女は困難にぶち当たっていた。
彼女は自分が極度の方向音痴であることを熟知している。それ故万全を喫して地図を片手に家を出たはずなのに……
……彼女は二つ思い違いをしていた。地図は読めて、理解できるからこそ道に迷わないのであって、理解できなければ無用の長物ということに。
そしてもう一つ。持ってきた地図が世界地図だった、と言う事だ。これでは“烈洲瑠市”はおろか日本の地理すら少々危うい。
徐に結構な厚さの世界地図を破り捨てる。周囲の視線はちょっぴりぽっこりな怪力ウーマンに釘付けだ。
とりあえず一度深呼吸。大丈夫。落ち着け。試合に喩えればまだDDTを2~30発貰ったくらいだ。まだ後3発はいけるはず。
冷静さを取り戻す為、ひたすら世界地図を破く。近くの子供が“ウルトラメソだ!”と叫んでいたのは御愛嬌。
世界地図が紙ふぶきになったところでようやく冷静さを取り戻したらしい。
そうだ。ジョギングに来たと思おう。そうすれば問題ない。
――と。龍子は視界の端に……見知った一団を発見する。
間違いない。アレは――
321 名前:ぽっこ(ry[sage] 投稿日:2006/10/02(月) 01:52:54
ID:8AOlvznU
「う? たつこ? どうしたんだ?」
キョトンとした顔のフォクシーと
「もがががが……んぐっ、た、龍子先輩!? こ、これは違うっス!」
何かを必死に飲み込む真田。そして
「あ、あぅぅ……その、あぅ……」
モジモジしながら何かを後ろに隠す伊達の三人組だ。
この三人は、同期で歳も近いため妙に仲がいい。
「何してるんだこんな所で?」
素直に興味がわいた龍子が尋ねる。
真田はえー、とかうーとか微妙な反応。伊達もモジモジしてるだけで返答に期待は持てない。
さて、どうしたものか……少し龍子は考える。
「中村。お前たちは何をしてたんだ?」
「うー……ま、真帆は何も言わないぞ……オンナのゆーじょーは固いんだぞ……」
視線が泳ぐ。
「……よし。じゃあ、今話してくれたら油揚げをやろう」
「(ピクッ)あ、え、うー……お、お芋を皆で」
「うわぁー! だめっス! オンナの友情は固いんじゃかったっスかー!? このぉ、エルボーエルボーエルボォォォっスゥゥゥゥゥ!!」
飛び掛る真田。こぉーん!? という悲鳴をあげて逃げ惑う真帆。
「……あ、あぅ。隠しててごめんなさい……」
真っ赤になってしゅんとなる伊達。
む……たしかに若い娘にしたら焼き芋=屁=恥死を意味する連続技。
ここは年長者たる私が何か助言をして彼女たちの心を救ってあげないと。
「……あ、あー。その、ごほん。ア、アレをすると……その、ナニの細かいカスが一緒に飛ぶらしい、ぞ?」
ぴき、と空気が固まる。
「……すまない事をしたっス」
「……う(ピー)カスなんて……真帆出さないぞ……ぐすっ……」
「……ぽっ」
しまった。やってしまったと内心三人に謝りつつ、龍子はそそくさとその場を後にした。
322 名前:ぽっこ(ry[sage] 投稿日:2006/10/02(月) 01:53:29
ID:8AOlvznU
「……あいつらに道聞いておくべきだったな……」
いつの間にかいかがわしい通りに出てきてしまった龍子は真剣に悩む。
ここに居るのを誰かに見られたら大変だ。早々に脱出しよう。そんな事を考えていると……
「龍子? 何してるんですかこんな所で?」
――まずい。猛烈にまずい。この声は――
「……吉原、さん……なんで貴女ががこんな所に?」
「? 何でって……これから副業の方に行って来るんですけど?」
副業なんかやってたのか……そんな事を思いながらふとミミの後ろを見る。
そこには緊張した面持ちのドルフィン早瀬と今にも人に噛み付きそうなライラ神威の姿があった。
「……なんでお前たちが一緒にいるんだ?」
「え、ええ、えええと……その、わら、私生活費を落としちゃって……困ってたらミミコーチがいい仕事あるよって……」
「……アタイは暇だったからだよ」(……ミィちゃんのため、ミィちゃんのため……)
「あ、大丈夫よ? ヘンなお仕事じゃないから」
――猛烈に怪しい。
とりあえず龍子は問い詰めてみることにする。
「業務内容は?」
「接客ですよ」
「――おさわりは?」
「服の上からなら大丈夫です」
「ンな訳あるかーーー!」
力尽きたorz続きは今晩?